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Posted by ブクログ
主人公は、転校を繰り返す要目礼恩。
転校先で経験した「嘘」とバールについての噂とは…。
4年生の春から短期間で転校を繰り返し、『世界は自分に合わせてくれないから、自分が世界に擬態するんだ』と自分の意志で馴染むための方法を使っている。
そこで彼が見たこと、知ったこととは…。
とんでもなく頭が良くて子どもらしさのない…と思ってしまいそうだが、嫌らしさのない憎めない少年と感じながら読み進める。
嘘つきの女の子とけしからんおじさんのことー。
海辺の町でタイムマシンを作り、その町に戻って知ったことー。
共に同じ場所に呼び出された、五人のクラスメイトとの雨の日のことー。
お母さんのことが大好きだった男の子とのことー。
物語の一ピースになることを拒んだ、この世界のことが好きだった、女の子のことー。
つまりは、バールのようなものは『嘘』であり、バールのようなものは人々の妄想により、様々なかたちに変わる、いわば嘘が輪郭を伴ったもの。
正しく使わなければ人を傷つける凶器になるが、正しい使い方をすれば、武器にもなる。
これをひとつの物語としてラストまで繋げて読まないと表現しにくいな、と思った。
再度、プロローグとエピローグを読み返すことになる。
一話ずつの短編は、どれも哀しさが伴う嘘で切なくなるが、これは誰かのために作られた物語で届いた先は…。
終わらせたくない物語だと思った。
なぜか何度も字面を追う羽目に…。
Posted by ブクログ
ページがどんどん少なくなると
この物語が終わってしまうことがさびしくて
一気には読めなくなってしまった。
物事が激しく押し寄せてくる展開に
気持ちもなかなかついていけなくて…
本に対する言葉ではないのかもしれないけれど
誠実で丁寧でやさしく、ときには残酷で
それでも大事なことを
ごまかしたりしない信頼できる一冊だった。
各エピソードが緻密に絡み合いながら
最後はしっかりひとつになっていて
本を閉じたとき、ふーっと
温かな深呼吸をするしかなかった。
Posted by ブクログ
父の仕事の都合で転校ばかりの小学校時代をすごしていた"礼恩"。行った小学校で『バールのようなもの』を持った何かに襲われるという噂話を聞く。そしてそれぞれの小学校でおきる問題に答えを見つけ出す。短編ながら、それぞれの物語に悲しくもあり、大切な事を語ってくれている。最後の病院からいなくなってしまった女の子。礼恩にあてた手紙には思わず涙が…数年後、礼恩の元に『明田希望』の名前である物が届く。そしてそれを送ったのは…まさかのどんでん返しだった。
Posted by ブクログ
まずは表紙・タイトルの印象と内容のギャップに驚きました。正統ミステリーと思いきや、小学校を舞台にした連作ミステリー。推理ものと青春ものの両側面があり、平易な会話文で読み易いです。
心底ミステリー好きな方、物語の詳細にこだわる方にはツッコミどころが多々あり、評価が分かれるかもしれません。不自然だったり都合のいい展開や設定は、確かに理解し難い部分もあるのですが、一人の少年の成長譚と受け止めると、優しさと温かさが伝わってくる気がします。
主人公は要目礼恩(かなめれおん)、父の仕事で転校を繰り返す男の子。礼恩の小4〜6時代、転校先でのエピソードが6話続きます。
転校先で周りから浮かないよう、集団に馴染む術を身に付けて(カメレオンの擬態?)いる礼恩は、行く先々でクラスメイトの嘘、都市伝説に似た「バールのようなもの」を使う者の噂を見聞きしながら、関わっていく内容です。解決、ん?怪傑ヒーローではありません。
礼恩は、そんな嘘や噂と関わるうち、自分の考え方や行動が変化していき‥。これは、「バール=凶器」という無意識のうちに抱く意識(負の暗示)を解放し、使い方次第と気付くことと同義なのですね。
本書の下半分を覆う帯に隠された装丁が、上手く内容を象徴している気がします。インパクト大ではあるもののカバーデザインは秀逸だと思いました。
直近に読んだ作品と、バールつながりで続けて読むことができてよかったです。
Posted by ブクログ
【収録作品】プロローグ/狼とカメレオン/タイムマシンとカメレオン/五人とカメレオン/靴の中のカメレオン/ブルーバックとカメレオン/ライオンとカメレオン/エピローグ
父親の仕事の都合で、転校を繰り返しているため、クラスに馴染むための観察と擬態に長けている要目礼恩。「バールのようなもの」を使う怪人の噂が見え隠れするなか、彼の転校先の小学校での出来事を描く。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて手に取りました!
「バールの正しい使い方」というタイトルから、本来DIYなどに使用される物が、犯罪に使用されているのでは?と推察しておりましたが、最初からその香りがぷんぷんしてました!!
おぉ!面白そう!
短編連作なのですが、ところどころにバールが出てくるし、異常なまでに引っ越しをする家族。
これは、、、
訳ありか??
と思いきや。。。。。
違ったーーーーーーー。
ある意味想像を裏切られた作品です!!
Posted by ブクログ
要目礼恩(かなめ れおん)=カメレオン
父親の勝手な都合で転校を繰り返す小学生の男の子が主人公
特技は“擬態”
世界は自分に合わせてくれないから、自分が世界に擬態するんだ
とても頭の良い子で、クラスの空気をすぐに察知し、力関係などを見極め、馴染んでいく。
なんだか大人っぽいなぁ
そしてその観察力と推測で事件を解決に導く、連作ミステリーです。
でもね読んでいて、転校する先々で人が死んだりするのが、ちょっと嫌だなって思った。
だって自分が小学生だったら…
こんなふうに何度も“死”に直面したら…
でも、優しいストーリーなんですよ。
そして読み進めていき、終わりが近づく「ブルーバックとカメレオン」「ライオンとカメレオン」「エピローグ」
ここはもう一気読みです。
うわぁ~、って感じ。
で、プロローグを読み返して、ライオンに゙戻って、エピローグをもう一度読んで…
とっても素敵な本でした。
改めてタイトル「バールの正しい使い方」
の意味を噛みしめる…
今年のお正月あたりから、ブク友さん達が次々にレビューを上げていて、読みたかった作品。
やっと順番が回ってきました。
評判通り、良かったです(人*´∀`)。*゚+
Posted by ブクログ
タイトル、なんぞや?って思いますよね。
礼恩という名の少年が、転校を繰り返すなかで「世界と擬態する」カメレオンのような性格になり、学校と家庭でおこる出来事を推理する連作小説。
礼恩は、冷めた少年で、何があっても飄々と語る。
語り口としては、私が大好きな小説「向日葵の咲かない夏」のようだなと思って、ワクワクして読んだ。
礼恩の行く先々で都市伝説的な噂になっている、通称「バールの怪人」。「バールのようなもの」で人を襲う怪人だ。
バールって、そもそもどう使うのが正しいんだ?私は一度も、使ったことがない気がする。
でも、バールで襲われたらこわいし、大怪我する、死ぬかも。怪人という噂にもなるよね。
「バールのようなもの」とは、何だったのか?
最後に、それに対する見解が明かされる。
それは、目に見えないもので、正しく使えば人を救うこともできるけど、間違った使い方をすれば人を傷つけるもの。バールじゃなくても良かった気がするけど…でも、他に何か?と考えると、これという適任が見つからない。
連作小説の4作目まで読んで、正直、この話はどこに着地するのか?と疑問だった。礼恩が学校を転々としながら、連続性のない人間関係のなかで推理をする話だから。
最後に礼恩が、唯一擬態せずに正体を見せた女の子「希望(のぞみ)」。
彼女の存在が最後を綺麗にしめくくってくれた。
一話目で礼恩と父の前から姿を消した女性早希さん。私は彼女が再登場してキーマンになるのかな?と思って待っていたんだけど、違った笑。
礼恩の父親も、実在するの?ってくらい影が薄くて…まぁ、小学生の子供にとって親なんて、そんな存在なのかもなぁ笑。
Posted by ブクログ
転校を繰り返す小学生の目で、教室の小さな嘘を暴いていく連作ミステリー短編集。装丁のオドロオドロしさに比べ、何と内容の哀しい事か!読み易く構成も纏まっていて次の作品が待ち遠しい作家さん。
Posted by ブクログ
読書備忘録736号。
★★★★。
新人の作家さん。
紹介文は絶賛。凄まじい新人が現れたという評価です。
確かにベテランの作家さんが書いた物語と言われても全然違和感がないくらい纏まっていて心を打つ。
そして、最後に軽いビックリを持ってくるあたりバランス感覚も優れている。
何より表題のバール。本来は道具であるが、悪意を持てば強烈な凶器にもなる。
正しく使えば道具。間違って使えば凶器。
バールに込められた作者、そして主人公の思いなんなのか?表題が刺激的なので尚更ものがたりが気になる。
血みどろ小説か?と勘違いしてしまう。笑
主人公、要目礼恩。小学4年生。
父親に振り回されて転校を繰り返す。
転校先で短期間でクラスに馴染み、目立たないようにするために擬態する。笑
瞬時にクラスの空気を読み、自分の色をそれに合わせる。そして礼恩は、短期間の在籍中にクラスで起きる事件の謎を解く。そこには必ず嘘があった・・・。
それぞれの物語は、礼恩が物語の後半に語ることで凝縮されている。すなわち、
「嘘つきの女の子とけしからんぞおじさんのことー」
「海辺の町でタイムマシンを作ったときのことと、その町に戻って知ったことー」
「共に同じ場所に呼び出された、五人のクラスメイトとの雨の日のことー」
「お母さんのことが大好きだった男の子のことー」
「そして、物語の一ピースになることを拒んだ、この世界のことが好きだった女の子のことをー」
という構成になります。
連作短編なので、あらすじには触れないでおきます。
そして作者がこの作品に込めた思いは嘘の使い方。礼恩は嘘には2種類あると考えた。他人の為につく嘘。他人を守る嘘。嘘の正しい使い方。嘘という単語が悪い印象を持つのであれば、フィクションと言っても良いと思う。
そして自分の為につく嘘。自己中心的な嘘。他人を不幸にする。結婚詐欺に使われた嘘。邪魔な子供を排除するための嘘。
そしてもう一つ。転校を繰り返し、擬態を繰り返す礼恩が唯一心を許した相手。すべてを打ち明けた相手。明田希望。同い年の女子。
淡い恋と別れ。そしてトリックからのほんわかエンディング。
未読者の方には何のことやらでしょうが、ブルーバック→ライオン→エピローグの流れは凄く良かったです。笑
Posted by ブクログ
本屋さんに平積みされている本の中で、タイトルに惹かれて思わず購入。想像以上に面白かった!
自分の人生に達観している小学生が主人公の青春ミステリーの連作短編。非常に読みやすく、ひとつひとつの短編も十分に楽しめます。
「バール」という単語の響きだけで購入しましたが、作者はセンスの塊だなと思いました。次回作も期待したいです。
Posted by ブクログ
父の都合で幾度となく転校を繰り返す要目礼恩。
慌ただしく変わる環境に素早く溶け込み、周囲から浮かずに学校生活を送るために自然に身に付いたパワーバランスを見極める観察眼と、自分を抑え当たり障りのないキャラを演じる”擬態”で、名前から連想されるあの動物のような日々を送る。
転校する先々で出会う不可思議な事案にいつの間にか巻き込まれるも、その真相を鋭く見極める、日常の謎、少年探偵譚の連作短編集といった風合いで進んでいく。
とはいえ、どの編にも死人が出てくるし、結末もそれぞれちょっとビター。
連作短編というとつい期待する、全体を貫く仕掛け(『赤と青とエスキース』、『medium』とか。『ぼくのミステリな日常』とか。)あります。
きっかけとなる編が後半にあるので、やや唐突感があるにはあるけれど、また、他の方々のレビューから何かが仕掛けられていることを知り構えてはいたけれど、やっぱりこういうのは好き。
ああ、そういう話かってぞわっとなる。
見抜ける人は見抜けたのだと思うけれど、見抜くことに醍醐味を置いていないので、まんまと不意打ちをくらいました。
作中の”バールの怪人”にまつわる紙芝居も中々に素敵。
ありそうな寓意、すれ違いを込めた物語ではあるが、記憶、想い出の儚さや”バール”が象徴するものをうまく昇華させた物語だと思った。
完成形を読んでみたい。
色んなパターン作れそうで、小学生高学年から中学生ぐらいの課題にしても良いのではなんんて思ったりした。
Posted by ブクログ
読み始めたのは4月8日。
この物語は、四月八日から始まっていた。
こんな些細な偶然に心がざわついてしまう。
読みやすいし、どんどん読み進められるのだが、絶賛されている程ではないと感じてきた。
気がつけば残りは「ライオンとカメレオン」と「エピローグ」だけになっていた。
一気に読んでしまうことにした最後の30頁。
???? ん~~? どういうこと??? わけが分からなくなった。
「プロローグ」をもう一度読み直し、物語と登場人物を整理し直す。
「ライオンとカメレオン」と「エピローグ」も再度読み直す。
「そういうことか」と分かった時、最後の30頁がこの作品の評価ポイントだと理解した。
きちんと書かれていない部分を想像して、物語の設定を組み立て直すことになり、多少モヤモヤ感が残りましたが最後はハッピーでした。
Posted by ブクログ
転校しがちやけど推理力がコナンくん並みの小学生がいろんな転校先で謎を推理していく短編集!!やと思って読み出したけど一つ一つの謎はライトな感じじゃなくて濃いめで後味も良い物語ばっかりで最後の物語で全体をまとめてしっかり締めくくってくれててスッキリ読み終われる。
青本雪平さんは初めて読む作家さんやけど物語の雰囲気が心地よくて読み進めやすかったので他の作品もかなり気になる!
Posted by ブクログ
主人公は父親に振り回されて転校繰り返す小4男子、加納礼恩(かのうれおん)。主だった話のなかで6年まで成長。子どもとは思えない観察眼で謎を解いていきます。6つの小編が重なった作りなのですが、考え込む程のミステリー罠かけられておらず、読みやすいです。でも、人の嫌な部分とか出てくる話あるので、ちょっと怖い印象あり、中学からかな。話を継いで行くのが主人公の語りと都市伝説っぽいバールの怪人となってます。
◆狼とカメレオン
嘘ばかりつく大上さんの話。いつも認めない嘘を認めて謝った訳を見抜く。そして身近な人の嘘。
◆タイムマシンとカメレオン
4年の夏に共同で夏休み自由工作を行うことになり、チームを組んだのは何となくクラスであぶれた二人。そのうちの一人、花名がクラスに受け入れられない謎や、タイムマシンの原理を教えてくれたショーマさんの疑惑などを再び転入した同じ学校で解く。
◆五人とカメレオン
五年の秋に転入したクラスはおかしい位男女の仲が悪い。どうやらそれは林間学校で起こったゴトウ先生の死亡事故と、その時助かった吉野さんに関係あるようだ。
◆靴のなかのカメレオン
手紙を書く課題を、前の学校の先生宛で。その内容が怖い!事故のこと僕は知ってるよ~的な。
◆ブルーバックとカメレオン
体調不良なのはタイムマシンのところででていたけど、入院して、病院の学校に入った礼恩。そこで知り合った希望(のぞみ)ちゃんとバールの怪人の話を作って、クリスマスイベントで紙芝居をすることにした。
◆ライオンとカメレオン
この短いお話とエピローグがあるがゆえに、この小説がちょっと特異的な評価を得ているのではないでしょうか。読んでみてのお楽しみです。
加納朋子、大崎梢、近藤史恵と印象が少し被るような読後感でした。
Posted by ブクログ
転校を繰り返す小学生の礼恩が転校先で嘘に出会いバールのようなものを手にする話。礼恩が出会う嘘はキラキラしたものではなく重たいもので、その嘘の背景を知り心にのしかかる。靴の中の小石が礼恩同様私にも刺さる。ちょっとバールの怪人が気になる。
Posted by ブクログ
連作短編集の形式を取っているが、一編一編が実に印象に残る。転校を繰り返す主人公の視点から描かれる様々な謎。そして共通する「バール」とは一体何なのか。
個人的にはもう少し突っ込んで描いて欲しい部分もあったが、作者はこれを狙ってきているのだろう。
Posted by ブクログ
“のようなもの”と表されるバール。初読み作家さんだからコメディ寄りなのかシリアスなのか猟奇犯罪ものかわからず読んだが、意外なミステリーで面白かった。ちゃんと正しく使ってた。
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読後感は「そーかぁーバールかぁ・・・」となる。
無限に作られる音楽と違ってミステリのネタはだんだんと枯渇しつつある。
どんなに素晴らしい小説でも「似ている本、あったな」と思うと感動も少し薄れる。
作者としてはあの手この手で、読み手に爪痕を残そうとする。そしてその「あの手この手」が新作の面白いところだと思う。
今回も1人称が変ると言う手法で読者を迷わせた。
これもあるっちゃある。
ただし読者に犯人を特定させないとかの理由ではないのがサプライズだ。
そして最後まで主人公の父親はベールに包まれたままだ。これもなんだか混乱させるピースだ。
そういうフワっとしたストーリーそのものが「バールのようなもの」なのだろうな。
Posted by ブクログ
幼いころから引っ越しを繰り返し、転校を続けることで周りに「擬態」してあわせることを処世術とする少年礼恩。彼が転校先で遭った様々な事件が連作短編の形で描かれ・・・で最終章。なるほど・・・そういう構成・・・なかなかに面白かったけど、それ以上にややこしいな、と。えっと、つまり・・・と頭の中で整理するインターバルが必要でした。
それでいて「バールのようなものとは?」という最終的なテーマがどうにも臭いなーと感じてしまって。むしろバールのくだりない方がすんなり感動できたかもなあ。。
各章にちりばめられた都市伝説「バール男」がどう料理されるのかと思ったけど・・・いやでも考えてみたらプロが書いてるわけでもない小説内小説ということを鑑みたら多少の文章の稚拙さも自然なのかも・・?
Posted by ブクログ
最後まで読んだあとに、プロローグをもう一度。
ああ、そうだったのか…って納得。
わたしはバールを正しく使えているのだろうか…?
わたしが使っているのは【バールのようなもの】ではないだろうか…?
そう考える本でした。
Posted by ブクログ
父の仕事で転校を繰り返す小学生の要目礼恩(か(な)めれおん)。
クラスの中で目立ち過ぎず地味過ぎず、な自分を「擬態」で作り上げている。
礼恩の周りの「嘘」を解いていく連作短編集。
インパクトのあるタイトルと装丁。
書店員の絶賛が過大過ぎてハードルが上がってる気がする…
作中に何度も出てくる「バールのようなもの」は、あるものの代名詞になっていて、なるほど、エピローグにそう繋がってくるのか。
どのエピソードも嘘の謎が解けても物悲しさが残る。
ニュースに出てくるワードだけど、”バール”である必要があったのかはよくわからない。”鈍器のようなもの”でも良いわけで。
Posted by ブクログ
要目礼恩という男の子が主人公の短編集。父の仕事の都合で転校を繰り返すことで、周囲に擬態する力を身につけ上手く生きていく。
それぞれの話はライトなコナンくんみたいで面白かった。ミステリーのジャンルもバラバラで飽きさせずさくっと読める。
ただバールに対する結末があまり腑に落ちず、???という感じで終わってしまった。そこがこの物語でいちばん伝えたかったことだと思うのだが、、残念。
Posted by ブクログ
大昔に読んだ清水義範の『バールのようなもの』のタイトルを思い出しましたが、バールにまつわる話の印象はあまり残らず。最後にプロローグを読み返したくなるつくりにしてやられました
Posted by ブクログ
とてもインパクトのあるタイトルなので、読んでみたいと思った。
バール怪人とかバール男とか、都市伝説的なオチで進むのかと思っていたが、
着地点が素晴らしくてびっくりした。
転校をたくさんしている小学生の礼恩くんの、連作短編集。
嘘つきの女の子と、けしからんぞおじさん。
海辺の町でタイムマシンを作った話と、その町に戻って知ったこと。
お母さんが大好きだった男の子。
入院している病院の院内学級でのこと。
など。
どのストーリーにも「人の死」が関係していて、怖いと思いながら読んだ。
「タイムマシンとカメレオン」がいちばん良かった。
擬態。LGBTq関連。
奏太くんは、幼稚園の頃から、心は女の子。
靴の中の小石。やだな。でも迫力がある脅し。
バールのようなものは、嘘。
悪意を持って使えば、人を騙して傷つける凶器にもなるけれど、自分や大切な人を守るための武器にもなる。
正しい使い方をすれば。
面白かった。
Posted by ブクログ
読後に自分に合うかどうかを考えたら合わないと思ったので★3
読みやすいですし、結局バールはなんなのかを最後にまとめてくるのは面白かったけれど、最後にこの話の本当の色を知らされた時に、それが自分の苦手な色だったので、完全に好みによる評価です。
Posted by ブクログ
作品内での、バールの使い方が効果的なのかは良くわからなかったです。が、文体に引き込まれ、主人公の息づかいまで伝わってくるようでした。心の動きや、エピローグから又最初に戻り読み直してしまう構成が良かったです。