感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年03月18日
うお〜さすが薬丸岳さん。
後味バッチリな作品だった。
ただ結局人は口してきちんと相手に伝えない限り、勘違いを起こすものだなぁと。後から何を足掻いても、過去は変えられないから前に進もうとするわけだけど。
取り返しのつかないことをしたときは、もう身動きが取れなくなる。
強く感じられました。
実際は、きっとその立場にならないとわからないんだろうけど、苦しんで苦しんで、それでも前を向こうとする主人公の行く末を知りたくてあっという間に読んでしまいました。
登場人物も多くはなく読みやすい、でも薄っぺらい内容ではない。被害者を追う記者にも複雑な過去があるけど、その部分だけは...続きを読むもう少し深く心情を知りたかったかな。
Posted by ブクログ 2023年12月29日
通り魔殺人事件に端を発して、被害者女性が陥った苦悩の日々、そして自分の命を盾にして死んでしまった男性の知られざる過去を辿りながらの過程をなぞる。と、並行して加害者のその生い立ちに共感を持ったジャーナリストが自分の過去を辿るようにしてその加害者の母親を探してゆくストーリー。
悲劇と悲劇が交差する事件の...続きを読む内包する事実が少しずつ明らかになってゆく。法廷での臨場感も眉を顰めながらも読み続けた加害者の暴言もリアルだが反対に被害者参加人としての言葉も深くリアルだ。
母親としての思いに強く胸が痛くなった。
Posted by ブクログ 2023年12月23日
親子の愛憎について頭痛になるくらい考えさせられた。
著者の『告解』から続き、罪というテーマでいくつもの苦々しい人生が描かれる。たとえ毒親でも、本作でいえば母親からの虐待を受けていても、母の愛を求める心は消えてくれない。最初はうーんと半信半疑だったけど。
自分で苦しみに気づけず犯罪に走るもの。一方で...続きを読むそうしない人もいる。その境界とは一体何か。もうハラハラしっぱなし。
読み終わってからは、精神的な未熟(幼児性)と親との関連性に考えが止まらなくなった。たぶん、発達障害でいまは親という私の立場に関わっているからかも。ここで整理できてよかった。
──(犯人は)虐待を受けていたことよりも、施設に入ってから一度も自分に会いに来なかったことに、母親への憎悪を募らせていたのだと感じた。唯一の親から自分が見捨てられたのだという、怒りと、憎しみと、悲しみ─
怒りや憎しみは二次感情といわれる。怒りそのものに目を向けても怒りは勢いを増す。その根っこにある悲しみという一次感情に目を向けていれば、愛情を求めているという自分を確かめられたかもしれない。
しかし、それを慰められるのは親だけなんだろうか、というのが隠れテーマ。そう感じ取った。
たぶん、いやおそらく間違いなく、境界は「出会い」だと思う。作者はそう描いたと確信している。真剣に話を聞いてくれる存在。1人でも2人でも身近にいてくれればいい。人は人で変われる。
少年法や成人年齢の議論の時に、近年の若者は未成熟なんて言ってる方々がいた。昭和生まれで未成熟ですけど〜という異質なマイノリティから言わせてもらえば、そいつらのほうが幼稚だ。
話を聞けない中年が未熟者を生んでいるんじゃない?若者たちはSNSで聞く人を必死に増やそうとしている。そこに本当の出会いがあって欲しいとも願う。
ふと『万引き家族』の樹木希林が頭をよぎった。
母に代わる愛情は、この世界にきっとある。
この気づきを毒親の私がどう教えられるというのか。
子どもに向かって出てけー。とでも言おうかなぁ。
なんて、私が聞く1人になればいいんだなと最近ようやく気づいたので、この作品で勇気が倍増した。
親だって、子にとっては出会いさ。
少しは発達したかな、私。ふふ。
──忘れてはいけないことと、忘れた方がいいことがある─
物語の後半部で何度も目にする言葉。それは過去のしくじりなんて忘れろと諭してくれている。
愛し方は今の子どもたちが教えてくれる。
あぁ、頭から煙出た。
境界は遠いところではなく、身近なところにあった。
Posted by ブクログ 2023年12月07日
薬丸岳さんらしい、考えさせられる一冊。罪の境界、確かに深い言葉だと感じる。
好きな本を好きな時に買って読めることは幸せなことで、そうでない人たちもいることを改めて感じた。ミステリー要素はないが、ストーリーとしては読みやすく、最後はそれぞれの思う正しい道を進んだ感じがして良かった。
Posted by ブクログ 2023年11月27日
無差別通り魔の被害にあってしまった明香里
止めに入った飯山晃弘のおかげで斧で何度も攻撃されながらも一命を取り留める。
しかし,飯山晃弘は命を落としてしまう。
犯人がなぜこのような犯罪に走ったのかを掘り下げる記者と
飯山晃弘の最後の言葉「約束は守った……伝えてほしい……」を伝えるため,晃弘の足跡をたど...続きを読むる明香里
それぞれの人物を掘り下げていく中で見えてきたものは
ラストもとてもよかったです。
Posted by ブクログ 2023年09月18日
重いテーマながらもテンポがよくサクサク読んでいた。
2人の視点を交互に繰り返すので、あとちょっとだけ・・・ってついつい長く読んでしまう。
罪の境界か・・・
境界がここのラインでいいのかはさておき、一度超えたらどんなに後悔しても戻りたくても戻れない一線なんだな。
約束は・・・これは泣ける。約束を守...続きを読むってきた生きざまに泣ける。
最後の最後はよくある展開だけど、少女漫画みたいだけど笑、それでもほろりと涙が出た。
Posted by ブクログ 2023年09月13日
謎解き部分に関しては予想通り。ストーリー構成、展開、人物描写はさすが薬丸さんらしく引き込まれました。ラストの問題提起のまとめ方、被害者が段々と成長していく姿も良かったです。
Posted by ブクログ 2024年04月13日
無差別通り魔事件の加害者、
加害者の生い立ちに興味を持ち調べる記者、
事件により命を落とした被害者
3者には幼い頃から母に虐待を受け成長したという
共通点があった。
そして、なぜある者は罪の境界を超え、
ある者は超えなかったのか、
被害者の1人 明香里が犯人への問いかけるシーンでわかったような気が...続きを読むする。
一生懸命、生きるということが何よりも
変えがたい大切なことだと思った。
Posted by ブクログ 2024年03月13日
渋谷の無差別殺人事件の被害女性と女性の恋人、犯人と同じ生育環境だったフリーライターの視点から描かれています。秋葉原の事件が元ネタなのかなと思いますが、最近、こんな事件多いですね。
ミステリーというよりヒューマンドラマですが、面白かったです。
薬丸岳さんの小説は重いテーマですが、興味深い内容で最後に...続きを読むわずかの希望が見い出せて読むのが楽しみです。今回も重かったですが、最後にほっとしました。
Posted by ブクログ 2024年01月31日
暗く、重い気持ちになる話だったが、罪の境界というタイトルどおり、越えてはならない一線を越えてしまった犯罪者の葛藤や、環境がうまく描かれていた。
また被害者の助かったという事実の先にある苦しみにも触れ、フィクションではあるが辛かった。
Posted by ブクログ 2024年01月20日
うーん、、
これが贖罪のかたちになるのか、、
ちょっとモヤモヤ
ただ、航平&あかりの復縁までの道のりは、心理描写がとても丁寧に感じました。唯一救われたところです。
Posted by ブクログ 2024年01月05日
生活をするために仕事は必要だけど、自分にとって大切な存在を犠牲にするものじゃない。
ただ、これからどんな人生を歩んだとしても絶望してほしくなかった。たとえ一時でも、たとえひとりでも、自分の人生の中で優しくしてくれた人がいれば、その記憶がわずかでも残っていれば、自分や他者を傷つけるのを思い留まれる。
...続きを読む真面目に精一杯生きて、困っている人や苦しんでいる人がいたら助けてあげられるような、これからそういう生き方をすると約束してちょうだい。
ただ人生には、絶対に覚えているべきことと、早く忘れてしまったほうがいいことがあると思うんだ。
自分たちにはどうすることもできないことん考え続けるより、できることをこれからしていこう。
Posted by ブクログ 2023年12月26日
スクランブル交差点で起きた無差別通り魔事件
被害者の願いは、代わりに犠牲となった男の最最期の言葉を伝えること
加害者の望みは、自分を捨てた母親を探し出すこと
それほどズシンと重くない内容
ラストは前向きになれる感じで、逆に安いかも。
Posted by ブクログ 2023年12月10日
通り魔事件の被害者とその周辺を描いたお話。
一命をとりとめたものの、生活が一変した被害女性と、
加害者の生い立ちが自分に通じるものがある、と、
加害者に接近するライターが軸で、
視点はいくつか切り替わるけれど、加害者視点はなし。
どう着地するのだろう、と思いながらよみすすめていて、
ライターの人...続きを読むの過去が明らかになってからは、
なるほど、と、いう展開でした。
罪の境界を超えたら、人間でなくなってしまう。
この物語の根本的なテーマ、なんだと思う。
ややすっきりしないのは、
どんなにひどい虐待があっても、親子の間に
それぞれ愛があった、あったかもしれない、という
描かれ方をしてるとこ、かなぁ。
自分は生きているんだから、無理しなくちゃ、も、
受け入れがたく、別の表現の方が飲み込めた気がする。
被害女性が立ち直れて良かった。
支えになってくれる人がいるから、だなぁ。
サバイバーの人の手記でパートナーの存在は
当たり前にいますしね…。
言い回し等が気になったものの、
他の著作も機会があったら読んでみようと考えています。
なるべく元気な時に。
☆追記
他の方のレビューを読んで
ラストが蛇足という意見が多くて、安心した。
自分も、え…、そこ言わずもがななの?と引っかかったので。
自分の名前は、母の命の恩人から取りました…は
ちょっとなぁ、と引っかかりました。
まぁ、いちいち言わないかもしれないけど。
一字だけいただく、ならまぁありかなぁ、と思ったり。
Posted by ブクログ 2023年12月03日
ひどい生い立ちが犯罪の元になることをしみじみと思った。中にはその生い立ちをバネにして、真っ直ぐに生きたり、成功する人もいるだろうが、それは親の代わりにその人を励ましてくれる人がいたりする。大部分はひどい生い立ちがまたその子へと連鎖していくことが多いと思われる。
大切な人を悲しませたくない思いが、罪...続きを読むの境界を越えずに踏ん張る力になるんだな。余裕のない世の中だけれど、行き詰まった人には温かい言葉をかけれる人間になりたいと思った。
明日香を守ってくれた晃弘の生き様を約束した婦人に伝えることもでき、晃弘も浮かばれることだろう。最後は希望の見える展開で良かった。
Posted by ブクログ 2023年12月01日
とにかく重かった。
通り魔の被害者、加害者、そしてそこに関わる人々。
この負の連鎖はきっと止められないし、
これから先も同じようなことは起きるんだと思う。
根絶したいけど、きっと出来ない。
だけど加害者はどんなバックボーンがあったとしても加害者。
ライターの省吾はどう絡んでくるのかと思っ...続きを読むたけど、そうくるか。と。
約束、罪の境界、。
Posted by ブクログ 2023年11月22日
オーディブルにて。
先が気になってしょうがなかった。
ハラハラしながら一気に聴き終えた。
現実社会でも似たような事件をよく見聞きする。
負の連鎖は止められないのだろうか?
Posted by ブクログ 2023年10月17日
話の展開が気になりサクサク読めた
被害者が顔を上げて生きていけるようになったのには胸をなでおろしたが、やはり司法の判断に納得できなかった
加害者の甘ったれた考えに虫酸が走り腹がたって仕方なかった
Posted by ブクログ 2023年10月08日
人は、みんな愛されて生きているのだなと思う。通り魔事件の被害者と、加害者。
それぞれの言い分、それぞれの立場が交錯しながら話が進む。
初めは、加害者の主張をそれもアリだとする話かと思ったが、そうではなく。
愛情に飢えた加害者、でも本当は愛されたい人からすでに愛を受けていたと気づいたとき…やるせない気...続きを読む持ちになりました。
被害者が前を向いてくれたのが救い。
Posted by ブクログ 2023年10月04日
117なかなか重いテーマでした。貧困と虐待の連鎖は止められないのか。努力が足りないのか。宿命と諦めるのか。生命の傾向性を転換できる方法はないのか。色々考える作品でした。
Posted by ブクログ 2024年04月14日
子どもへの虐待の連鎖のせいか、読むのに時間がかかった。
逃げるのも必要やけど、もっと周りの人に頼ってもいいんじゃないかと思う。
明香里が立ち直れたこと、小野寺のお母さんの愛情が最後にわかったのが救い。
Posted by ブクログ 2024年03月20日
犯罪者の生い立ちは、掘り下げて行けば、どうしても同情のような気持ちが芽生えてしまいますが、決して、犯した罪の前では、許されることではない、言い訳に過ぎないと、理解しておかないといけないと思います
この本を、読んで特に思いました
大事な事は、そうならないよう、辛い生活をしないといけない人達を、どう...続きを読む導いてあげるかだと思いました
Posted by ブクログ 2024年02月26日
久しぶりの薬丸さん、覚悟して読み始めましたが、やはり苦しかった…。
でも最後まで、どうなるのか気になって気になって一気読みでした。
毒親・虐待の物語、本当に多いですね。
もうこの作品の中の虐待が、よくあることに思えてしまうほど、沢山読んできたように感じます。
そして現実も、同様に沢山のニュースで報...続きを読むじられていて…
「境界」って、虐待してしまうことも一つの境界線を越えることのように思う。
考えさせられることは多かったけれど、複雑な背景を持つ人がかなり多く、結果的にどの人にも深くは感情移入できなかった。
ただ、非常に読みごたえがあって、流石の一冊でした。
Posted by ブクログ 2024年01月27日
通り魔殺人犯とその被害者をめぐるお話です。
ネグレクト、貧困など辛い事もてんこ盛りですが、被害者の明香里さんの心境や立ち直っていく様子も丁寧に書かれています。
重いです、とっても。暗くて苦しくなりました。
明香里さんをかばって亡くなってしまった飯山さん、犯人の小野寺、ライターの省吾、偶然にもみんな普...続きを読む通ではない人生。
あまり共感できずに、最後はどうまとめるんだろうと読み進めていくと、うーん、内容が重いわりにはちょっと安易な感じがしてしまったかな。
特にラストはちょっと不要な気がしました。
Posted by ブクログ 2023年12月16日
通り魔にあった被害者女性が犯人の動機や、彼女の命を救った恩人の過去を知っていくうちに〜といった内容の作品。扱っているテーマが重い、そして粗筋もそれなりなのだが。
登場人物の心情の変遷がややドラスティックすぎて、若干浅く感じてしまう。ややもったいない感あり。
Posted by ブクログ 2023年10月31日
分かりやすいけど、難しい!が率直な感想
ストーリーは分かりやすいし飽きずに読める
それぞれの登場人物にやましいことや罪なことがあり、でもそんな行いをしてしまった理由もあり同情してしまうことも、、悪が何なのか難しい
それぞれの加害者、被害者の言い分に心苦しくなる部分もある
兎にも角にも通り魔事件...続きを読む被害者のアカリの行動力は素晴らしい!
Posted by ブクログ 2023年09月11日
後半になるにつれて読むペースがあがりました
どんどん引き込まれていきました
分厚いと思いましたが、心理描写や背景が丁寧に書かれていると思いますが、これは
好みだと思いました
罪の境界ってそういう意味だったのかと
思い読んでよかったと思いました
Posted by ブクログ 2023年08月17日
境界を意識して読み続けました。
被害者の明香里、加害者側のライター省吾。
被害者の恋人航平。
視点が三つ。読みづらさも感じました。
突然、苗字で…。な、気がしたので。
ふと。
あちら側組加害者へ寄りそう⁉︎
な、所は、なるほど。と、ですが…。
なんだか、モノ足りない感。
約束。
母子。
溝口...続きを読む省吾が、境界を理解し、小野寺に伝える話でしたぁ。
今後の省吾に…。かな。