【感想・ネタバレ】インド大反乱一八五七年のレビュー

あらすじ

東インド会社の傭兵シパーヒーの蜂起に端を発し、インド亜大陸全体へと飛び火した大反乱。ムガル帝国皇帝を擁立した反乱軍はデリーに政権を樹立して闘争を繰り広げるが、内紛と分裂を経て、やがて大英帝国による直接統治という結末を迎える。この反乱を支えたのは、いったい何であったのか。農村社会の変容、ヒンドゥー教・イスラム教ほかの宗教、カースト制度など、本書は複雑なインド社会の根幹部分を丹念にすくいあげて分析しながら、そこに携わった多様な人々のリアルな姿も活写。20世紀の独立へと持ち越された、インド民族運動の真実の姿を描きだす。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった!1857年の「セポイの反乱」、教科書で銃の薬包に豚の脂が塗ってあったのが原因、と書いてあったのを覚えているくらいだったけど、実際の複雑な経緯と推移がすっきり書かれてあって楽しく読めた。一人の兵士が馴染みの娼婦に反乱の計画を打ち明けるところから始まり、闇夜に村から村と渡っていくチャパティの噂など臨場感たっぷりの筆者の語りに引き込まれる。皇帝・大地主・中小の地主・兵士・農民といった立場と地域によってさまざまな思惑と行動があり、一時はイギリスを圧倒する大反乱につながり、そして瓦解していく…。皇帝などの反乱にかかわることになった重要人物たちの本心や思惑は謎が多いということだけど、そんな話の中に時折著者の呆れや感嘆が率直につづられているのも面白かった。

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2022年08月17日

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