【感想・ネタバレ】呪ワレ者~おいしい恐怖へご招待~のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

内気な性格が原因でなかなか友達を作ることができない琉音。やっとできた友達も、クラスのリーダーの介入により距離が空いてしまう。焦った琉音は共通の趣味であるゲームで気を引こうとするが、探し当てたゲームはなんと、呪いのゲームだった。

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あまり見たことがないかなで文庫という児童書レーベル。ちょうど一年前ぐらいに出来た新しいレーベルのようだ。主に「転生したらスライムだった件」の小説を児童向けに出している様子。その中で一冊、ホラー小説が出ていたので購入。
内気な性格が災いして友人作りを苦手としていた琉音。席替えでたまたま隣になった陽夏とゲームのことで意気投合し、交流するように。放課後もゲームを一緒にするなど親睦を深めていった琉音と陽夏であるが、陽夏が塾に行くことになり、スマホを持たせてもらえるようになってから、徐々に話が合わなくなっていく。スマホを持っておらず、流行りものにも疎い琉音は陽夏と共通の趣味であるゲームで気を引くため、ほとんど知られていないコアなホラーゲームを探し当てる。
しかし、そのゲームは呪いがかけられたゲームであり、プレイした琉音と陽夏は「呪ワレ者」として、怪異に襲われてしまうのであった。 全体的に怖いシーンとギャグっぽいシーンが交互に出てきて面白い話だった。表紙を飾る4人が個性的で読んでいて飽きなかった。
あと、全員すごくいい子。事の発端は琉音が持ってきたゲームが原因で琉音と陽夏が呪われ、呪いの特性によって陽夏の友人である楓華が呪われ、そして更に楓華の友人である丞が呪われる。
互いに責めることがなく「○○の所為じゃないから大丈夫だ、それより事態の解決をできるように動くべきだ」というスタンス。こういう呪いが拡散していくタイプのホラー小説にしては全員が協力体制にあるというのは珍しい反応かなと思った。
大体が、巻き込んだ側が「お前のせいでこうなった」と罵られて孤立したりするイメージがある。協力するにしても最も近しい人間が協力してくれるだけで、全面協力というのは非常に珍しいのでは?おかげで、非常に前向きな気分で読むことができてよかった。
それぞれが呪いの伝播の原因となってしまった訳だが、怪異に襲われた時も襲われている友人を助けようと画策したり、呪いを解く方法を見つけ出すため自分たちの得意分野を駆使して立ち向かっていく。どれだけ追い詰められても、誰かを恨むことなく勇敢に立ち向かっていくのは素晴らしいの一言であった。

互いの知恵を絞りあって、無事呪いを退けた4人であったが、呪いの影響力は別方面にも及んでおり、無事解決したが、平和は長くは続かなそうだった。一度呪いをクリアした人間がもう一度呪いの影響を受けるとどうなるんだろう。もう一度同じ方法を試せばいいのか、それとも別の方法をまた探さなくてはいけないのか。もし後者だったらあまりに酷では……。思い返してみると割と強気で怪異に立ち向かっているので(ババサレに老害ババアと言い放ったりする)怪異の怖さより面白さが際立っていたと感じた一冊だったが、もう一度さらっと読み直してみると、結構怪異の強襲具合も目を見張るものがあった。怪異に相手側の事情なんか関係ないだろうが、もうちょっと容赦してあげてくれ……。

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2024年03月28日

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