【感想・ネタバレ】パリ季記 フランスでひとり+1匹暮らしのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

自分には到底できそうにもないことを人が成し遂げると、「あの人は志からして自分とは違う」とつい、逃げ腰な思考になりがちだけれど、本当はただ、自分は始めておらず、その人はもうとっくの昔に始めていただけだったりする。だから「物事は始めなければ、始まらない」と、心にいつも留めている。

渡仏前は、これまでやってきた音楽の仕事にせよ、物を書く仕事にせよ、映画に関しての仕事にせよ、どこかが中途半端で、まだまだ”にせもの”でしかないといつも感じていた。

人生経験どんなときでも「あれもこれも」では通らない。ひとつ選べばひとつは捨てるしかない。

日本では、ひとつ外国語ができれば、まるで人格者にでもなったかのように思われがちだけれど、語学は人生の選択肢を広げるための当たり前のツールでしかないというフラットな考え方。

パリで生活していると、何かにつけて「待つ・間違い・不条理」の三拍子が繰り返される。

美奈子さんがパリで一番に学んだことは「無理はよくないけれど、現状を打破するために、ときには無茶をすべきだ」ということだそう。日本だと何かに挑戦する前から、人に「それは無理なんじゃないの?」というネガティヴな助言を受けることが多かったけれど、フランス人は何事もやってみなくてはわからない、という気風がある。

パリに来て、お金の価値観がだいぶ変わった私。実際生活に必要なものは、そんなにたくさんはないのだ。大切なことはお金の量ではなく、それを使うセンスと、お金に対していつもフラットな姿勢を保つことだと、パリでの小さな生活と、フランスの友人たちはいつも私に教えてくれる。

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2023年10月15日

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