あらすじ
ワシントン日本大使館、もの書き公使の物語――。広報文化担当の仕事、大使館で働く仲間たち、多忙な大使の姿、米政府要人のユーモアあふれるエピソード。民間人外交官として赴任したワシントン1000日の懐かしい日々を綴る。
●ある意味で外交はアートであり、外交史や国際関係論を学ぶのと外交を行うのは違う。それはいくら日本文学の研究をしても、作家になれないのと同じである。だとすれば、民間から外務省など政府の役職につく人は、実務の世界に対してまずは謙虚でなければなるまい。外から評論家として官僚やその組織について意見を言うのと、自分でやってみるのは、大違いである。役人の世界で役人と競争しても、所詮勝ち目はない。そんなわけで、民間から外交官になった者の最大の強みは、いい意味でアマチュアであることだと思う。その代わりに必要なのは、ごく普通の常識、豊富な好奇心、そして間違えても照れずに自分の意見を言うこと。――<本文より>
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Posted by ブクログ
阿川さんの駐米日本大使館公使時代の回想録。阿川さんが公使の間に2回ほどワシントンを尋ねたし、公使就任が決まるプロセスで阿川さんが必死に人事情報を隠そうとしてるところなども見ていただけに、その舞台裏を懐かしく、また面白く一気に読み進んだ。
外交に興味がある人、ワシントンDCとはどんな街かに興味がある人にはとてもお薦めの一冊。
Posted by ブクログ
阿川さん一族の本が好きで、結構読んでます。普段、目にすることのない大使館の舞台裏を、わかり易く読めました。
NPBでは、読売贔屓で何ら改革もせず現状維持を貫き通してる加藤良三コミッショナーが、大使時代はすばらしく仕事ができる人だった、という話を聞いて大変驚きました。