【感想・ネタバレ】九段下駅 或いはナインス・ステップ・ステーションのレビュー

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Posted by ブクログ

 時は2033年。西側が中国、東側はアメリカが管轄するエリアとなっている<戦後>の東京が舞台。刑事・是枝都は、アメリカ平和維持軍から派遣されてきたエマ・ヒガシ中尉とコンビを組むよう上司に命じられる。渋々ながら承知した都は、幾つもの事件をエマとともに解決していくうち、仲間としての信頼をエマに寄せていくようになる。それはエマも同じことだったが、それを揺るがせかねない三国間の対立が起こり—。
 九段下駅と書名にあるのは、<戦後>の東京では警視庁本部が九段下駅近くのオフィスビルに移動しているからで、地下鉄はそれほど出てこない。近未来が舞台の連作ミステリーであり、SFでもある。なんか、テレビドラマのシリーズものみたいだなあ、と感じる。作者が4人もいて、エピソードごとに担当が代わりながら書き継いでいるのもテレビドラマっぽい。相次ぐ残虐シーンやシリアスな展開に最初はちょっと抵抗を感じながら読んでいたが、都とエマが打ちとけるにしたがって笑えるシーンもちょこちょこ挟まり、二人に嫌われながらもなんだか憎みきれない中国政府の刑事たちが登場してからはぐいぐい物語に引き込まれていった。でも、えっ?これで終わるの?というところで本書は終わってしまう。「本書はシーズン1とされており、続編がある模様だ」と役者あとがきにあるので検索してみると、2020年にすでに出版されている。続きは英語で読もうかな、と思ったけれど、どうやらebookでしか読めないようで、うーむ。

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2023年09月05日

Posted by ブクログ

近未来の東京を描いた話。本格派ミステリーではないので謎解きはちょっと単純だけれども、ああこんな未来は起きうるなーと思わせる内容でした。最後のエピソードでそれまでの伏線を回収していて、かつ次のシリーズに繋がる終わりかただったのが良かったです。

原作は英語で書かれた連作だけれども、翻訳が自然で読みやすかったです。

あと読みながらこれはネトフリとかWOWOWで連続ドラマ化されそうとかドラマ化された光景を頭に思い描きながら読んでいました。

ドラマ化されるとしたら自分のイメージではこんな面々です。
都 木村文乃
エマ 藤間爽子
西村 北村有起哉
賢介 岡田将生

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2022年11月03日

Posted by ブクログ

西側が中国に侵略され、東側がアメリカの管理下に置かれた東京を舞台に、日本の警察官と米軍人の女性バディが事件に挑む連作形式の近未来SF警察小説。三国間の政治的バランスや電脳ガジェット<スリーヴ>など、設定そのものは魅力的なのに、如何せん肝心のストーリーラインが弱過ぎる。謎解きのカタルシスは全くなく、犯行理由もあまりにワンパターン。物語やキャラクターが設定に負けてしまったら流石に本末転倒だろう。次巻は外交政策メインになりそうで尚更期待薄。同社刊「ヨーロッパ・イン・オータム」が面白かっただけに期待し過ぎたかも。

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2022年11月27日

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