あらすじ
2031年南海地震に襲われた日本に中国が侵攻、2033年の現在、東京は東西に分断され、東をアメリカ、西を中国が管理下に置いていた。
警視庁捜査一課の刑事コレダ・ミヤコは、アメリカの要請で、犯罪捜査の経験のない平和維持軍のヒガシ・エマ少尉と事件の捜査に当たることになる。
占領下の東京を舞台にした連作SFミステリ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
近未来SFとバディコップものの融合。
序盤は、人体改造描写などとあいまって、東京がニューロマンサーでウィリアム・ギブスンが描いたチバ・シティのように見える。
主人公格の2人の女刑事(うち1人は本職ではない)のキャラクタがなかなか秀逸であり、米中に統治された東京の描写も面白い。
割と重要な登場人物として、プレイボーイの刑事(日本人)が出てくるのだが、行動が日本人離れしている。
あと、元カレとはいえ、職場でその男のことをファーストネームでは呼ばないだろうに、などと思ってしまった。
終盤に向けては日米中の政治的駆け引きが激化して、東京がとんでもないことに。
国粋主義っぽい政党も出てきて、予見的であるようにも思う。
Posted by ブクログ
時は2033年。西側が中国、東側はアメリカが管轄するエリアとなっている<戦後>の東京が舞台。刑事・是枝都は、アメリカ平和維持軍から派遣されてきたエマ・ヒガシ中尉とコンビを組むよう上司に命じられる。渋々ながら承知した都は、幾つもの事件をエマとともに解決していくうち、仲間としての信頼をエマに寄せていくようになる。それはエマも同じことだったが、それを揺るがせかねない三国間の対立が起こり—。
九段下駅と書名にあるのは、<戦後>の東京では警視庁本部が九段下駅近くのオフィスビルに移動しているからで、地下鉄はそれほど出てこない。近未来が舞台の連作ミステリーであり、SFでもある。なんか、テレビドラマのシリーズものみたいだなあ、と感じる。作者が4人もいて、エピソードごとに担当が代わりながら書き継いでいるのもテレビドラマっぽい。相次ぐ残虐シーンやシリアスな展開に最初はちょっと抵抗を感じながら読んでいたが、都とエマが打ちとけるにしたがって笑えるシーンもちょこちょこ挟まり、二人に嫌われながらもなんだか憎みきれない中国政府の刑事たちが登場してからはぐいぐい物語に引き込まれていった。でも、えっ?これで終わるの?というところで本書は終わってしまう。「本書はシーズン1とされており、続編がある模様だ」と役者あとがきにあるので検索してみると、2020年にすでに出版されている。続きは英語で読もうかな、と思ったけれど、どうやらebookでしか読めないようで、うーむ。
Posted by ブクログ
近未来の東京を描いた話。本格派ミステリーではないので謎解きはちょっと単純だけれども、ああこんな未来は起きうるなーと思わせる内容でした。最後のエピソードでそれまでの伏線を回収していて、かつ次のシリーズに繋がる終わりかただったのが良かったです。
原作は英語で書かれた連作だけれども、翻訳が自然で読みやすかったです。
あと読みながらこれはネトフリとかWOWOWで連続ドラマ化されそうとかドラマ化された光景を頭に思い描きながら読んでいました。
ドラマ化されるとしたら自分のイメージではこんな面々です。
都 木村文乃
エマ 藤間爽子
西村 北村有起哉
賢介 岡田将生