【感想・ネタバレ】デフレと円高の何が「悪」かのレビュー

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Posted by ブクログ

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日本経済がどう回ってるのか、分かりやすく解説した入門書。初心者には読み易くて非常に嬉しい。
他方、国の要職に就いている方の発言に対して「トンデもない!」などと批判的なコメントが目立つため、読んでてあまり気持ちの良いものでは無いです。コメントに対して対案や改善策を具体的に提示してたらまたテイストが変わってたかも。

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2018年01月04日

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 10年ほど前に出版された上念さんの本。デフレ脱却には金融緩和すべしという超基本的なことをおさらいできた本であった。また、産業政策の効果というものについてあまり分かっていなかったが、マクロで見るとたいして効果ないんだなと分かった。
 経済記事なんか読むと、日本の経済を立て直すには、上述した産業政策や構造改革をどうすれば云々とダラダラ書いているものが多いが、まずお金を刷れってなんで言わないのかと思う。

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2022年01月08日

Posted by ブクログ

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 「デフレは物の値段が安くなるからチャンス」、「円高は円が強い証拠。国益だ」といった経済常識の嘘をわかりやすく暴く本。

 例によって学んだこと、確認したことをいくつか挙げると、

・インフレ=悪、デフレ=善、と考える人は、インフレやデフレで物価だけでなく、給料も上下するという認識が抜け落ちている。

・円高の原因は、円が強いからではなく、通貨供給量(発行量)が少ないため。

・「デフレは中国のせい」というのもデタラメ。日本より中国からの輸出入に頼っているアメリカや韓国ではすでにインフレ傾向にあるのに、日本だけデフレから脱却できていないのが何よりの証拠。

・「国債総額(借金)は約864兆円で、国民の借金は一人あたり678万円だ!」などという戯言で世論をミスリードする知識人が多い。864兆円という数字は総負債で、総資産(約475兆円)を引いた純負債は約387兆円。
 さらに、日本国債の93%は国内で消化されているので、本当に返済すべきなのは約27兆円(387兆×0.07。国民一人あたりだと約22万円)だけである。

・昭和恐慌時の蔵相である高橋是清は、金本位制離脱により通貨量の上限を撤廃し、国債を日銀直受けにすることで通貨量を増やして供給することで世界一早くデフレから脱却した。

 経済学の素養がなくても読めると謳っているだけに、かなりわかりやすい。一部知識人やマスコミの垂れ流すデタラメに流されないためにも、是非とも読みたい本。

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2011年06月06日

Posted by ブクログ

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デフレこそが不況の最大の要因。デフレ故に人は値崩れ期待からモノを買わないし、企業は将来もっと安価な人材を雇えるから採用を見送り、リストラを進める。昔の大企業は苦しいときには内部留保を取り崩し下請けや孫請けに回しリストラを回避したというが、真相はインフレ期待による経済合理的な行動をとったにすぎず、心が温かかったわけでもモラルが高かったわけでもない。技術革新や産業振興施策によって特定の品目の価格が高騰したとしても、結局は他の支出を削っていいモノへ充てるだけ。全てのモノの平均価格である物価は金の絶対量が同じである限り上昇することは決してない。金とモノの需給バランスを正常化しない限りデフレが解消されることはない。日本には864兆円(国民一人当たり678万円)に上る公債があるというが、約475兆円の総資産があるうえ、発行した国債の93%は国内で消費されている。借金の取り立ては自分自身であり、いわば右のポケットから左のポケットにお金を動かすだけ。財政危機など一切ないと喝破している。むしろ消費増税は消費を冷え込ませるだけで、財政再建には何らの効果もない。橋本政権が既に実証済みとしている。
著者は金の量を増やすマクロ施策を説く。しかし、肝心の金の増やし方については触れていない。日本の低金利ジャブジャブ策がバブルを生み実体経済を疲弊させ、リーマンショックさえ引き起こしたと一因と言われているのだが。

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2012年07月10日

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