【感想・ネタバレ】ギフテッドのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

天才の降臨です。
しびれました。
完全にしびれました。
冒頭の出だしの文章から
完全に天才です。
エンタメ小説ではないので
そういった面白さはありませんが
日本語に、文章に、言葉選びに
心酔できる、日本文学です。
読後感、シンプルに
「すげーな」です。

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2023年04月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

底抜けに暗かった。すごく好き。
はじめは、読みにくい文章だなと思ったけど、入り込めるとそれはあまり気にならなくなる。
母親の内面が、本当のところが、最後まで明かされなかったことが、かえってそれがものすごくこの小説の魅力に思うところだった。

主人公の名前だけじゃなく母親の名前も友達の名前もホストの名前も明かされなかったけど、この小説で唯一出てきた名前である自殺した友達「エリ」だけは何度も何度も出てくるから、これは意味のあることなのでは?と考えていたら主人公の名前がわかった気がする。たぶんだけど、「ユリ」じゃないかな。

母親がつけた火傷は、自身が嫌っていた性を売る人間に娘がならないようするためだったのか?現に火傷があるということが壁になって、性を売ること性行為に対して躊躇いがある様子。

読み終わってからも、もやもや考えてしまう小説だった。こういう小説は、ずっと残る。

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2022年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 このところ、底辺小説ばかり読んでいるなあ。それだけ多くの人が生活そのものに困っているということか。

 頭がいい人なのかしらね。くどくど説明するのは苦手というか嫌いなんでしょう。回想が突然はさまってくるから、今人物はどこにいるのか、いつのことなのか、読み返さないとはっきりしない部分がたくさんありました。

 母に焼かれた腕の傷を刺青で隠し、夜の街で働く女性。病で見る影もなくやつれ衰えた母との生活。ドアの軋む音が効果的に使われている。

 なぜ「ギフテッド」なのか。どんな子供も親にとっては「神様の贈り物」ってこと?まさかね。そういう世間の押し付けへの反抗なのかと思いました。いろいろ議論があるところですね。

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2023年03月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ホステスとして歓楽街で暮らす「私」のもとに余命いくばくもない母親が現れ、最期の時を看取ることに。
ギフテッドというタイトルが何を指しているのか読みとれなかった。
何をギフとされたのか?母親に火傷の跡をつけられ美しい女であることを売らないようにされたことなのか。産んで良かったと言われたことなのか?
屋の鍵の軋みの音を聞くことをルーティンとして不安定な気持ちを落ち着かせる描写が
さすがだなと思う。
夜の世界やAVの世界に身を置く高学歴な女の人の危うさをおもう。

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

⚫︎受け取ったメッセージ
母は娘に、自分が生きられなかった女性としての誇りある生き方を望んだ。ギフトされたものは一見最低のものに見えて、母にとっては最高のギフトであった。


⚫︎あらすじ(本概要より転載)
第167回芥川賞候補作にして、『「AV女優」の社会学』『身体を売ったらサヨウナラ』などで知られる鈴木涼美の、衝撃的なデビュー中編。歓楽街の片隅のビルに暮らすホステスの「私」は、重い病に侵された母を引き取り看病し始める。母はシングルのまま「私」を産み育てるかたわら数冊の詩集を出すが、成功を収めることはなかった。濃厚な死の匂いの立ち込める中、「私」の脳裏をよぎるのは、少し前に自ら命を絶った女友達のことだった――「夜の街」の住人たちの圧倒的なリアリティ。そして限りなく端正な文章。新世代の日本文学が誕生した。

⚫︎感想
母に火傷させられ、隠すため腕に刺青を入れている娘。それだけ読むと、一見ひどい母親に思うが、実はそれは長い目で見たとき、母なりに娘を守るためであった。自分の体に値段をつけ、産み育てるしかなかった母は、娘がそうならないようにしたのだった。それが母から贈られたギフトだった。

物語として過不足なくとてもよくまとまっていた。母は生き方という大切なことを言葉で語らず、娘に傷をつけるという形でのこした。そして最後まではっきりとは語らない。ドアの比喩がとても文学的だった。母は生き方そのものが詩のようで、娘にとってはわかりづらく、翻って娘の心情は丁寧に表現されていて、本当によく練られた作品だと思った。

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2023年12月21日

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ネタバレ

芥川賞候補作だったので、いつもは読まないジャンルだが、手にとってみた。
淡々と描かれる日常描写と主人公の心情。
ここから、何かを感じ読み解きたかったが、私の感受性が鈍いのか? あまり心が動く事はなく、よくわからないまますぐに読み終わってしまった。

「わからないことを、わかっちゃダメだ」
「わかることだけを、わかりなさい」
読後、主人公の母の言葉に、うなずいてしまった。

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2023年10月28日

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ネタバレ

夜の世界に生きる女性が、
母親を看取る様子を淡々と描いている作品だった。

娘にやけどを負わせたのは、
母自身が女の体に値段がつくことを嫌がって生きてきて
女性らしくなった娘に驚き、
その価値を下げたのかな?とは思ったけど…
その傷を負わされて、なお母に淡々と接する姿はなかなか理解が難しかった。

母と若い頃の娘は一体だったけど、
今は距離を置いている、間には扉があるから
淡々と接することができるのかな?

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2023年07月27日

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ネタバレ

主人公の母親が病気により、長くないと分かり、主人公の住むアパートで余生を過ごしたいというところから始まる、母親との最期までの話。「ギフテッド」とはこの小説において、どんな意味を持っているのか。母親の人生が「恵まれている」というようにもとれるし、詩人としてヒットしなかったことに対する「才能」を皮肉っているようにもとれる。

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2023年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

歓楽街でホステスをしている主人公。裸になる仕事をしないのは、体に火傷を隠すための刺青があるから。
その火傷は母につけられたもの。
その母は、あと少しで病で死ぬだろう。
病院からわずかな日数、母の希望で家に招き入れたものの、急変してふたたび病院へ。
仕事をやめて、母の看病をすることに。

主人公には、死んだ友が2人いて、
その、死ともうすぐ消えゆく母を思う。


最初から最後まで湿度の高い世界観。主人公の仕事のためか、ずっと薄暗い、もしくは夜でネオンが明るい。そんな感じ。
芥川賞ノミネート作品。
芥川賞ってこんな作品多いよね。何とも言えない暗くて重くて息がしにくい。


余談ですが、
私のブックログ登録冊数、これが1000冊目でした!!


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2023年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

買ってもらうのではなく、売りつけることを選んだ、きれいな顔と身体をしていた母。

五体満足だが人に見せたくはない身体を与えられた私は、パチンコ屋・居酒屋・飲み屋で働いてきた。男の世話にはなってない。

行方を晦ます人、自殺する人、生真面目に風呂屋で働く人。色々。

母は散り際に言い残した「自分のコントロールの及ばぬ範囲のものに惑わされるな」という旨の教え。これは腕を焼いたことの後悔の現れだったのか、或いは人が抱える矛盾・複雑さの表現だったのか。

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2022年11月02日

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