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Posted by ブクログ
会津に生まれた大川カシ(若松賤子)の一代記。
幼くして会津で母を失い、祖母とも別れ、父に連れられて横浜の大川商店へ養女に出される。店の経営が傾き、フェリスセミナリー(のちのフェリス女学院)へ給費生として入学したカシは、そこをホームと決め、英語を学びキリスト教に帰依する。
職業婦人という概念のなかった時代に明治女学校の教育者として、また「女学雑誌」の編集者でもあった巌本善治と結婚。「女性と男性は対等であり、共に尊敬し、お互い成長できる」という考えを持った男性は稀であっただろう。巌本との間には、病弱でありながらも3人の子供をもうける。。カシは、若松賤子という名で、作家として、バーネット「小公子」などの翻訳家として活躍するが・・・。
カシの人生は平坦ではなかった。
巌本は容姿がよく女性に人気があった。カシも自分以外の女性関係があったことを認めているので、その辺りのカシの苦悩も盛り込めばよかったのに。カシが自分の境遇を受け入れるだけのような描写が、あまりに切なかった。