あらすじ
会社も社会も先行き不透明。それでも閉塞感に負けずに、楽しく、しぶとく、フレキシブルに生きる方法を、「伝説の先輩」2人が伝授します。著者の1人は元味の素のトップセールスで、伝説となった味の素タイ工場の立ち上げを指揮。国際会計事務所を経て独立。現在は青山学院大学で教鞭を執るかたわら国際協力機構や欧州復興開発銀行など国際機関でも活躍中。1人は元ベネッセコーポレーション取締役。「こどもちゃれんじ」「たまごクラブ」「ひよこクラブ」の事業再生を成功させ、「いぬのきもち」の立ち上げを指揮。専務就任のオファーを蹴って独立し、現在は同じく青山学院大学で教鞭を執りつつ、週休4、5日というライフスタイルを貫く。それぞれの分野で「伝説」を築いたこの2人の「伝説の先輩」ビジネスマンの考え方、生き方から、小手先の「How To情報」に踊らされず、正しい方向で努力を実らせ、自分らしい人生を実現する方法を学びとる本。
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Posted by ブクログ
努力をすれば、それに報いられて当然だというパラダイムは(必ずしも努力が足りているとは言えない人間が言うのもアレですが)、報いる側のビジネスを理解せず、思い込みを押し付けただけに終始する危険性を孕みます。
何に時間を費やし、どこに努力を投資するのか、それは何故なのかという議論になった途端、さあソレはあなた達が決めて、私に指示して下さいベストは尽くしますから、という態度でシラけてしまったのでは、結果に対する責任をトスしただけになってしまい、ムードも最悪になってしまいかねません。
結果は誰にも分からない、だからこそ活気を大切に、取り組み続けることが皆でできる環境を。そんな最高のコンセンサスに近づく一助になると思います。
Posted by ブクログ
●内容
・味の素社トップセールスと、ベネッセ取締役の共著。
・勝ち組おじさんたちが人生を通じて見出した会社とビジネスのルール、その見抜き方を語る。
●コメント
○仕事論。現場重視の「オペレーション」だけでは限界があるので、より高い視点が必要。一方で、仕事への心構えは気負いすぎず。気楽にこなすのが超エリートとも。
(引用)
・仕事というものを、大きく3つの階層―オぺレーションとマネジメントとインベストメント―に分けて考えてみましょう。ラーメン屋の場合で考えると、料理の味や見た目、店員のサービスなどを検証する視点はオペレーション、賃料や経費、回転率やメニューから類推される客単価、最終的にその店舗の利益率を検証する視点がマネジメント。店舗を売ったらいくらくらいか、売却先、業態を変えたら事業価値はどう変化するか、といったことを検証するのがインベストメント。
…インベストメント・レベルの人は、時間当たり単価で働いておらず、配当やキャピタルゲイン、または不労所得で稼いでいます。
…私たちから見ると、日本人は気質的に、あまりにもオペレーションの世界にのめりこんでいる気がします。
・超エリートというのは、気楽にモノを考えて、気楽にやる人だ
・実は、会社の仕事の中には難易度が高くて手に負えないという仕事はそれほど多くはありません。日々、高度な知識やスキルを要求される仕事の連続であるという人は、ごくわずかでしょう。…では、なぜ会社の仕事には難易度の高いものが少ないのでしょうか。それは、おそらく人間の生活が、もともとシンプルなものだからです。…所詮、マーケティングといっても、「寒くなったら暖かい服を提供しましょう」「のどが渇きそうな場所で水を出しなさい」と教えているにすぎないのです。
○奴隷身分から脱出するために、ゲームの構造を知る。
(引用)
・1万人から500人程度に絞られる中間管理職の選抜では、純粋な競争原理が働きます。ここまでは、人事部が担当する昇格マターです。しかし、100人から10人、10人から3人という役員以上の昇格となると、それまでとはまったく異なるルールになります。あえて誤解を恐れずに言えば、好き嫌いや、生意気だ・従順だといった人間くさい基準へと大きく変っていくのです。…これだけ業績を挙げているのに役員になれないのはおかしい、と不満を抱えているのであれば、それは会社の意思決定の力学を理解していない証拠です。
・優秀な人の下につくメリットは、仕事はもちろんですが、優秀な人でも素晴らしい面ばかりではないのだと、人間の本質、組織の本質を理解できる機会が得られことにあります。…仕事ができる人、優秀なビジネスマンとは、自分とそれほどかけ離れた存在ではないと実感することで、勝手な思い込みからくる挫折がなくなり、自分を磨き続けることができるのです。それこそが、「優秀」といわれる上司につく最大のメリットなのです。
・リヤカー一台から始めて大会社に育てたという話を聞くと、その苦労や夢をあきらめない情熱などに注目しがちですが、小さくても一人でビジネスを立ち上げ、ビジネス全体を経験する中で経営に必要なビジネス感覚をつかんだという点も見逃せません。
Posted by ブクログ
日本企業の高度経済成長期の組織の在り方から個人主義へ移ったが、日本人には馴染まずいまはまた組織全体で、会社生活を第一とする在り方へ変わってきているらしい。
自分自身が実感できていないが、日本人の自己実現はセミリタイヤ等の欧米人の発想には無く、適度に働き人の役に立つ事だという意見には賛同できる。