あらすじ
「泣いちゃいそうだよ」シリーズの小林深雪先生が推薦!「いちばんに推したのは、このファンタジーです。主人公の小梅といっしょに冒険を楽しみました。」(講談社児童文学新人賞選評より)
【第61回講談社児童文学新人賞佳作受賞作】
小梅は小学一年生の女の子。両親は共働きだし、お姉ちゃんは中学受験でいそがしい。七五三のお祝いの年なのに、お祖母ちゃんの入院まで重なって、七五三が先延ばしになってしまいました。そんな十一月の日曜日、遊び場にしている小さな神社で見つけたのは一頭の黒牛。牛を追った小梅が迷いこんだ先は、お祭りのようににぎやかな天神様の一本道でした。
お餅屋のおかみさんをしている牛、体の大きさを自由に変えられる神様を名乗る男の子、しゃべる案内係の黒牛に、嘘と本当をとりかえることのできる鷽(うそ)鳥。不思議で楽しい出会いを重ねながら、小梅は天神様の本殿を目指します。途中、大きな池を渡る三つの橋で自分の過去と現在を見つめ、奥底に隠した自分の心と向き合ってから、小梅は未来へ一歩前進します。
さあ、小梅は本殿で天神様と会うことができるのでしょうか。そして、ひとりの力で、この異世界の出口にたどりつくことができるのでしょうか。
ふしぎな旅を通じて描かれた少女の成長ーー日本的で個性豊かな舞台設定に、選考会でも多くの賛辞が寄せられたファンタジー小説です。一本道で待ち受けるもののけたちの魅力溢れる姿は必見です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
菅原小梅は6歳の女の子。本当は今日、753のお祝いを家族でする予定だった(来年2月で7歳となる)けど、おばあちゃんが入院してからというもの、家族は忙しく、落ち着かない。お姉ちゃん(小夏、小6)も受験勉強会で大変だから、春になって、小梅も7歳になったらお祝いしようということになったのだ。
小梅は天神様に来て、家族の事をお祈りした。学校のお友達は、今日にも753のお祝いをしてることをおもって、月曜日を少し憂鬱に思っていたら…
黒い牛と出会ったのです。
優しい目をした黒い牛についてゆくと、小梅がいるのは、牛たちが人間のように屋台をやっている、不思議な通りなのです。
屋台の牛さんからお餅を買って、地図をもらいました。小梅と一緒に歩いていた黒い牛「くろさん」と、地図にそって神様の居られる御神殿へと向かいます。
6歳の女の子が主人公とはいえ、文字は小さく、ルビもなく、内容は4〜高学年向き。
門前町から鳥居をくぐって、神社を参拝して、帰ってくる。それだけの事だけど、守られて、導かれ、7つの祝福をされ、そして、自分で考えてちゃんと帰っていく。もちろん、神様たちに対して、ちゃんと感謝もて、礼儀正しくもする。
通りゃんせの歌が、少し怖いように、この物語も、小梅がちゃんと帰って来られるかという怖さも入れていて良い。
Posted by ブクログ
7歳になった小梅。
だけど、おばあちゃんは入院しているし、
お姉ちゃんは受験勉強で、
七五三のお祝いは「落ち着いてから」になっている。
神社で遊んでいると牛と出会って…。
「願い」を考えるファンタジー物語。
*
娘の七五三はコロナで流れたのだった…と思い出した。
小梅の心の動きが丁寧に描かれている。
神さまやお守りが
こんなふうに子どもに寄り添ってくれていたら、
「私はここにいていいんだ」と疑わずに生きられる。
いやきっと、見えないけれど見守ってくれていると思う。
Posted by ブクログ
イラストが読者を限定してしまっているような。
いろいろとドキドキさせられる小道具や伏線がある。明るい雰囲気で、怖さが薄いところが良い。けど、どこかまとまりがなく、惜しい。対象年齢はだれなんだろうか。
Posted by ブクログ
千と千尋風の神隠しファンタジー。
7歳のお祝いをしてもらえなくて、
ちょっと悲しい小梅ちゃんが主人公。
小梅ちゃんや黒牛さんがとっても可愛い。
異世界ファンタジーの入門編としていいかも。