【感想・ネタバレ】それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影のレビュー

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Posted by ブクログ

エリス(エリーゼ)の写真なるものを某所で見て、出元はどこかと思ったら六草さんだったのかー!!またしてもすごい!!!どんだけ大発見を繰り返すのですか?!
エリーゼは帽子職人として身を立てていた、というのが前著で明らかにされていた。本著ではエリーゼが結婚していたこと、第二次大戦後まで生きて最後は老人ホームで息を引き取ったことが明かされる。ちゃんと幸せになって、大変な時代を生き抜いて、長生きしていたことがわかってよかった。
そして、エリーゼと鷗外の間にあったのが純愛だってことがよくわかった。鷗外は再婚までに12年も間が空いた。その間、エリーゼも独身を通していた。エリーゼが結婚したのは鷗外の再婚から3年後、すでに38歳で当時からすれば相当な晩婚。しかもどうやら鷗外の再婚まで、2人は文通していたのだとか。
17年。なかなか待てるもんじゃない。エリーゼ、あっぱれ。

けれど、まだまだ謎は残る。エリーゼの夫のお墓は見つかったけど、エリーゼ本人のが見当たらないのだそう。そしてどうもエリーゼは踊り子じゃなかったようだけれど、じゃあわざわざタイトルを『舞姫』にしたのはなぜ?妊娠&発狂設定は何故??というどでかい謎が未解明。いつかわかる日が来るのかなぁ?それとも謎は謎のまま、これからも読み手を惹きつけ続けるのかなあ??

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2021年06月15日

Posted by ブクログ

『舞姫』はたぶん教科書に出ていたのを読んだくらいの知識と興味しかなくて、明治のエリートってホント鼻持ちならないわ!ぐらいの感想しかなかったんだけど、こんなに奥が深いというかああ本当に実在の人だったんだあ・・・と驚くと同時に、ここまで丹念に調べていった著者に感動。

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2014年07月27日

Posted by ブクログ

大学時代、森鷗外ゼミに入り、数々の作品を読み、最終的にはグループでまだ書き下し文になっていなかったドイツから帰りの船旅を記した「還東日乗」を基に鷗外の心情を表した論文を発表した。雅文体も漢文をベースにした格調高いと言われている文章も、はたまた家の重圧、軍医と文学の二足の草鞋、諦念等々二十歳そこそこも若造にわかるわけない。それでも文学散歩と称して谷根千辺りを観潮楼後の鷗外記念館、「雁」の舞台になった不忍池-無縁坂、水月ホテル鷗外荘を見て回った。卒業してからも松本清張や森まゆみが鷗外について書けばフォローしてきたし、左遷先の小倉での新事実、果てはタイムスリップしたり、探偵になった鷗外ともお付き合いさせていただいていました。
しかし、今回まさか「舞姫」のエリスにお会いできるとは思ってもいませんでした。ワクワク、ドキドキであっという間に読み終えてしまいました。思うに調査自体は本当に地味で根気のいる作業だったのでしょうが私たち鷗外ファンにとっては画期的なことではないでしょうか。本当に有り難う、そしてご苦労様でしたと言いたい。

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2013年10月25日

Posted by ブクログ

昨年、新聞でもその発見が話題になり大きく取り上げられた、舞姫エリスのモデル、エリーゼ・ヴィーゲルトの写真も記憶に新しい。その写真にたどり着くまでの労苦が綴られた本書。
前作『鴎外の恋 舞姫エリスの真実』に引き続き、著者の地道な現地調査により、その後のエリーゼが明らかにされている。

相変わらずの、ここまでやるのか!と驚嘆せずにいられないほどの綿密な調査。やはりベルリン在住だからこそできたことだろう。
そして、100年以上前の個人的なことでもここまで調査できるものなんだ、という驚きも同時にあるのだが。

鴎外とエリーゼの、ドラマチックな純愛。
「事実は小説よりも奇なり」とはこういうことか。

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2014年02月02日

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