あらすじ
ゲームクリエイターを志してゲーム業界を目指す学生や現在ゲーム業界で働く社員,個人のゲーム制作者を対象に,「アイデアの種を見つける」方法とその育て方,鍛え方を扱う書籍です。
ゲームクリエイターとしてのプロとアマチュアの差は「アイデアを考える」部分ではなく,その先にある「アイデアを遊びやゲームにする」部分に生じます。
そこで重要な考え方が「気持ちいい」を見つけてそれを軸に考えることです。「気持ちいい」を常に中心に置くことで,「うまく膨らまない」「目的が見えない」「単なる作業に終始してしまう」といった躓きがちな落とし穴を避け,多くの人に楽しんでもらえる肉厚で骨太な企画になるでしょう。
前半で「気持ちいい」をどう見つけるか,見つけた「気持ちいい」をどうゲームにしていくかを丁寧に扱い,後半では実際の企画を想定した講評形式でより具体的なポイント,問題点,改善点もしっかり解説。
これまで数多くの人気作品・シリーズを手掛け,指導経験,講演経験も豊富な著者の実体験に基づくポイントを実例と共にまとめることで,ゲームだけにとどまらない「クリエイターとしての思考法」と「アイデアの膨らませ方」を身に付けられるようになります。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
現役ゲームプロデューサーによるゲーム企画の講座。
著者は「ミスタードリラー」や「風のクロノア」を代表作に持つという、かなりすごい人。
本書によると、良いゲーム企画とは以下にまとめられる。
・ゲームの面白さとは、プレイヤーに「気持ちいい」を提供することだ
・そしてその「気持ちいい」を頻繁に起こす事ができるのが、良いゲームシステムだ
・だからゲームの企画を作るときは、「気持ちいい」を探すことから始めよう
これはその通りだと思う。
どんなにグラフィックが凄くても、どんなに凝ったシステムも、「プレイしている操作そのもの」がつまらないゲームはそれだけで退屈に感じる。
逆にオールドゲームでも、テンポとリアクションが良いゲームは、今やっても割と遊べちゃったりするのがいい例だと思う。
もちろんゲームというジャンルは幅広く、この理屈が全てのゲームに当てはまるとは思えない。
また現代では、「ただ気持ちいいだけ」だとさすがに通じないだろう。
しかしそれでもこの分析は、ゲームの面白さの核心を突いていると思う。
そして(まさに自分のような)素人がゲームを考えるときは、
「どんなシステムにするか」「どんなシナリオにするか」
から考えてしまうので上手くいかない、ということの説明にもなっている。
ゲーム企画を『「気持ちいい」から考える』というのは、とても良いアドバイスだと思う。
良い学びになった。
Posted by ブクログ
いま技術評論社の『「気持ちいい」から考えるゲームアイデア講座』 gihyo.jp/book/2022/978-… を読んでるんだけど、いい本ですね…!!! 分折のしかたとか、「ゲーム」とは何かとか、すごく勉強になる。
読み終わっちゃった。いやーいい本でした。ゲームの何たるか、どう考えていくのかを「やっていて気持ちいいこと」から組み立てるのがいいよと。むしろそれこそが大事だと。後半には、企画書を例示してゲームのアイデア作りで陥りがちなアンチパターン集があって、これがまた勉強になる。
アンチパターン集の中には、ゲームづくりわからないなりに挑戦してたときにぼく自身がハマったことあるものもあったので、あららーという感じで実体験を振り返りながらよくない点を考えることができたのはすごくよかった。
うーん筆者がなんか残念
私にはいうほど参考にはならなかった。
小規模開発のアクションやパズルなど、ワンアイデアで闘う作品を作るタイプの現場の人には良いと思います。
学生にも突っ込まれていたが具体例が出なかったように、コマンドRPGやノベルだと仕様評価の1つとして頭に置いておくようなものかなという感想です。
全体的に、気持ちいい⇒楽しいに変換したほうが読みやすいところも多いけれど、より感情に近い言葉にすることでイメージしやすくするというのが、言いたいことなのかも。
終盤の企画書ツッコミもイマイチ参考にならなかった。数時間で作ったガバガバなペライチレベルの企画書っぽいものに、ツッコミを入れていく内容ですが、あまりにもガバ過ぎるのでそこは盲点だった!というような形になりづらい。(筆者は論破できて気持ちいいんだろうけど)
特にシミュレーションをシュミレーションと書いてきちゃったひとを、趣味レーションとナムコ内で揶揄していたことを話す辺りなんてドン引きですね。応募してきた人をよってたかって馬鹿にしている時間は、さぞ゛気持ちいい゛んでしょうね。それをコンセプトにゲームにしてみては?