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Posted by ブクログ
昭和7年生まれ、軍人勅諭も教育勅語も全文覚えていると言われる五木寛之さん、愛着ある「ガラクタ」は人生の宝物と。モノは記憶を呼び覚ます装置、モノによって蘇る自分自身の物語。「捨てない生きかた」、2022.1発行。捨てることの是非。断捨離全盛の時代に、敢えて捨てない生きかたを提唱される著者の生き様に共鳴します。確かに、ガラクタに溢れた部屋こそ自分の城です(^-^) なお、著者は捨てないという概念を人の生きかたから、国家のあり方にまで敷衍し言及されています。町に残された歴史の依代(よりしろ)、奥行きにまで!
捨てなくていい。服、靴、鞄、本、小物・・・。愛着ある「ガラクタ」は人生の宝物である。五木寛之「捨てない生きかた」、2022.1発行。モノは記憶を呼び覚ます装置。モノに囲まれる生活とは、記憶とともに生きているということ。「ガラクタ」に溢れた部屋は自分の城(^-^) 人は裸で生まれてきて、ゴミに囲まれて死んでいくw。
Posted by ブクログ
断捨離もいいけれども,それでホントにあなたの生活は充実したものになるの? という「捨てる」ことに疑問を投げかける本が出た! 著者は五木寛之氏,買わなければなるまい。しかも,この新書はマガジンハウスというところが出版した初めての新書らしい。
五木さんは,決して「捨てるな」と言っているわけではなく。そのゴミのようなものさえも,あなたに何かを語っているのではないかと言っているのだ。
あとがきに「もし,この瞬間に,身のまわりにあるモノをすべて捨てて,スッキリした空間に身をおいたとします。はたして,幸福でしょうか。」(本書p.194)と呼びかけている。さて,あなたはなんと答えるのか。
本当に大切なものだけを残せばいいのだという考えもあるだろう。でも,その本当に大切なものってなんなのだろう。どれもこれも,わたしの人生の中で必要だから手に入れて一緒に暮らしてきたモノだ。そのモノを失うことで,それに関する記憶も失ってしまうかも知れない。たまたま手に取った万年筆が,大学に行ったときに姉に買ってもらったものだと思い出し,そういえば…とその万年筆と共に想い出が蘇る。それが,老後の人生で「ムダな部分」だとは全く思えない。
本書では,宗教上のお話から戦争の記憶まで,幅広い分野について「モノを捨てる」という考察が繰り広げられる。著者の豊富な知識が縦横無尽に動き出す。読んでいてとても気持ちの良くなる,まだまだ生きていきたくなる内容である。