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山で発見された若い女性の死体。
事故か、自殺かだろうと片づけられたが…
山に詳しい彼女が、事故であろうはずはなく、家族からも自殺であるはずがないと…
発見した生活安全課の小塚が、疑問に思い生活安全捜査隊の山下警部補に相談することから物語は始まる。
彼女は、地元の御曹司にストーカー被害に遭い警察にも訴えていた。
地元企業と暴力団の関係。
暴力団と刑事課川口の関係。
警察上層部と地元企業門井との関係。
最後まで、目が離せなくなる。
山狩を行う必要性は、警察上層部のこれまで暴かれなかった数々の隠蔽と揉み消しだろう。
一件のストーカー事件だったはずが、過去にも殺害されて葬られてきた被害者たち。
そして、父親も殺人を犯していたという過去。
警察組織の隠された闇が、とても恐く感じた。
なかったことにされる事件。
現実に身近にもある気がするから恐いのだ。
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実際の警察ではこんな事件の隠蔽と警察の対応などはあり得ないがミステリー小説としては
第一級の作品だ。最後の最後までドキドキと憤慨とやるせなさが続いたが最後にホッとため息が出て心が救われた気分になった。緊迫感がありなかなか素晴らしかった。
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感想
次の展開が気になって一気読み。最初は生安の刑事が刑事部が隠したであろう事件を詰めて、証拠をあげていくのが小気味良かったが、確実な物証が見つからないのと、地元で幅を聞かせる容疑者の親の企業、暴力団、県警の上層部の妨害でなかなか捜査が進まないもどかしさで中盤から後半はかなりフラストレーションが溜まった。最後こそ報われたものの、こういうことは起こりうるのかもしれないな、というくらいリアリティがあった。
あらすじ
千葉県の山中で女性の遺体が発見された。当時は事故として処理されていたが、調べるうちに女性はストーカーされており、地元企業の御曹司である門井が怪しいと浮かび上がる。しかしながら、刑事部は門井グループとの癒着があるためか捜査は進展せず、生安の山下らが捜査に乗り出す。
しかし、門井グループ、癒着のある地元暴力団の鬼塚組、県警上層部の妨害もありなかなか捜査は進まない。果たして事件は無事解決できるのか。
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警察組織や登山道の説明が詳細。心理描写が丁寧。ストーリー展開にスピード感がある。要するに面白かった。
本作の舞台となった山には、何度も登ったことがあるので、より没入して読むことができた。
ただし、物語の端緒となる逮捕状発行のプロセスが強引なので、そのことがずっと引っかかってしまった。あと、警察組織の腐敗ぶりが不快。
とはいえ、そんなことも吹っ飛ぶくらい読みごたえがあった。作家は千葉県出身ということで親近感も覚えた。
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2022.5 笹本さん 貴方の小説は大好きでした。ありがとうございました。この小説も笹本さんらしく追い込むような警察小説で、山も舞台で笹本さんの魅力たっぷり。あの世でも小説書き続けてくださいね。
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著者お得意の山岳警察ミステリー。ミステリー色は薄いが、警察内部の対立描写は面白かった。本当にあるとすると怖い話だが。終盤やや尻すぼみ感が否めないが、まあ後味は悪くない。
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数々の山岳小説や警察小説を著してきた作者の遺作は、山岳&警察小説。
作者の作風なのかもしれないけど、進行が遅い、長い、くどい。何度も何度も挫折しそうになりながら、それでも最後まで辿り着く。それでいて終盤は広げた風呂敷を慌てて畳んでいくような印象の伏線回収。薄いカルピスを無理矢理飲んでいたらグラスの底によく混ざってなかった原液があった。。みたいな印象。
警察をはじめとする司法が、地元の有力者と癒着し、忖度する姿をこれでもかと描く。たしかに、金を持ってて、司法と暴力団を握ってたら怖いものなしだな〜と怖気がさす。
これが単なるフィクションではなく、実際の警察でもありそうな話だから嫌になっちゃうんだよな〜。
ラストはとりあえず、めでたしめでたしで良かった。
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多数の登場人物と関係団体が出てきて、ほぼ終盤まで情報量が多いと感じていたが、最終章辺りからのまとまりがよく、あれだけの情報をすっと読みやすくされていた。