あらすじ
アメリカ大統領選挙以降、フェイクニュースは国内外を問わず社会的な問題となっている。だが、国内の実態はほとんど明らかになっていない。日本国内のフェイクニュースはどのように生まれ、なぜ広がるのか。
2017年の衆議院議員総選挙、18年の沖縄県知事選挙の2つの選挙、20年の新型コロナウイルス感染症拡大時の「デマ」――各事例をもとに、ソーシャルメディアやまとめサイト、既存メディア、ポータルサイトの相互作用で、フェイクニュースが生成・拡散するプロセスを実証的に分析する。そして、フェイクニュースは、ソーシャルメディア時代において、ニュースが生成され、拡散するニュースの生態系そのものから生み出される構造問題であることを指摘する。また、フェイクニュースに対抗するために必要性が議論されているメディアリテラシーやファクトチェックについては、逆効果になりかねないと警鐘を鳴らす。
汚染の構造と複合的な要因を踏まえ、フェイクニュース生態系における汚染の連鎖を断ち切るために、プラットフォームを運営する企業、既存メディア、個人、それぞれの役割を確認する。そのうえで、多様なメディアと多様な考えの人々により構成され、相互作用が生み出す豊かなニュース生態系を実現する道筋を照らし出す。
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Posted by ブクログ
『デジタル化する新興国-先進国を超えるか、監視社会の到来か』(伊藤亜聖)でフェイクニュースを知って、
まだまだ知らない事があるんじゃないかと気になって手に取った『フェイクニュースの生態系』(藤代裕之編)。
【フェイクニュースに関して今までに起こった出来事・事件】、【「フェイクニュースがどのようにして生まれ、なぜ広がるのか?」という事の構造説明】について知る事ができたのは大きかった。
これはユネスコで議論されるほど世界的な問題であり、個人で「これは是か非か」を判断する事が難しい問題になっているっていうのは頭が痛い。
それに歪んだ情報拡散は怖い。
「ポータルサイトは、新聞社やインターネットメディアと契約しているが、配信される一つひとつの記事の内容や事実関係を確認しているわけではない」と読んだ時は驚いた。
そんな情報に騙されないようにするためには、一度衝撃を受けたとしても一旦置く事や、
同じ内容について他の記事ではどのように書かれているのかということをチェックする事が大事だと改めて学びました。