【感想・ネタバレ】おおあんごうのレビュー

気鋭の芸人が綴る、まっすぐな少年の成長物語。

キングオブコント2019のファイナリストであり、細やかな視点のコントで注目を浴びているコンビ「かが屋」。ネタ作りでイニシアチブを取っている加賀翔による初めての小説です。
この小説で描かれるのは、岡山の豊かな自然に囲まれて暮らす少年・大地と、破天荒な言動で周囲を困惑させる父との関係。冒頭の、立ち寄ったドラッグストアで上半身裸になって息子である大地を大いに困らせる父のシーンのおかしさといたたまれなさは、まさにコントのようです。
困った存在である父と、優しくも凛とした存在感で大地の心のよりどころとなっている母、そして登校途中に知り合った友達の伊勢。そんな人々に囲まれて過ごしていた大地の日々に、少しずつ暗雲が立ち込めます。

自伝的要素も交えつつ、思春期の入り口に立つ大地の怒りや苦しみが飄々と描かれます。意外で切ないラストシーンまで、一気読み推奨です!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

いい意味で文章が加賀さんっぽくて
描写が繊細に描かれていました。

父はどうなったのだろう?想像の余白を残しての終わり方、掻き立てられますね。

0
2021年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2022.1.2
自伝的小説というのを分かった上で読んだので、特に家族関連のエピソードはほぼ思った通りに話が進んでいったのだけど、やはりそれでも夢中になって読んでしまった。
そこまで自分を追い込まなくて良いと言ってくれる伊勢くんがいて本当に良かった。

0
2022年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

岡山に住む、家族のお話。
と、一生ものの友達のお話、将来の話。芸人の話。
話が通じない人ってこういう人のことを言うんだって
心から嫌気がさすくらいこの作品の父親が嫌いだった。
息子がお母さんがどれだけ気を遣って
気を強くして生きてきたかって
なんで少しも周りの人の気持ちを汲めないんだろう…
息子と父親の初の大喧嘩、岡山弁がグサグサと刺してきたな〜。
伊勢くんとの関係は素晴らしかった!
伊勢くんとの会話があったから
人間らしく生きられたんだと思う。

ここからはかが屋のことも触れると、
『イヤホン』ってコントネタが大好きで
そのネタの表現というか会話が入れ込まれてて、
本気で泣きそうになりました。

最高の友人に出会えてよかった!

0
2021年11月14日

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