あらすじ
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りりかさんは、てんくまとちびくまが大好きで、どこへだって連れて歩き、朝起きてから夜ねむるときまで、いつも一緒でした。けれども、ぬいぐるみのからだというのは、思っていたほど丈夫なものではありませんでした。かわいがればかわいがるほど、やぶけたり、ほつれたり、よごれたりしてしまうことに、小さいりりかさんは気づいてしまったのです。
そこで、りりかさんは大人になると、洋裁学校に入学して、じゅうぶんな知識と技術を身につけました。そうして、ぬいぐるみを愛する人たちが、いつまでも幸せにくらしていけるように、こわれたぬいぐるみを治療するための「りりかぬいぐるみ診療所」を開いたのです。
場所は、美しい高原の森のなか。いちばん近い町から、一時間ほどバスにゆられたあと、さらにバス停から三十分ほどあるいたところに、りりかぬいぐるみ診療所はありました。古い別荘を改築して作られたその診療所の周りには、しらかばや、ぶなや、くりの木がはえ、天気のいい日には、鳥や、りすや、野うさぎなどが、ひょっこり顔を出すこともありました。
そんな山の中にあるにもかかわらず、どこでうわさをきいたのか、りりかさんのもとへやってくる患者さんは、あとをたちませんでした。りりかぬいぐるみ診療所にぬいぐるみをあずけると、どんなにぼろぼろになったぬいぐるみでも、まるで生まれかわったように、いきいきとしたすがたでもどってくると、もっぱらの評判だったからです。
りりかさんは、ぬいぐるみを直す腕がいいということのほかは、とくにかわったところもない、ごくふつうの女性に見えました。けれどもたった一つだけ、りりかさんには、だれも知らないひみつがあったのです。いったいどんなひみつなのかは……物語を読み進めていくうちに、すぐにわかることでしょう。
さあ、今日もりりかぬいぐるみ診療所に、患者さんがやってきたようです。(本文より)
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Posted by ブクログ
私には、今年で48年一緒に過ごして来たくまのぬいぐるみがいる。ぬいぐるみ病院に入院させようか悩んでいた頃にこの本に出会った!迷わず借りた。
春夏秋冬、季節ごとの患者さん。それぞれに草花が出てきて花言葉で終わる。温かい気持ちになるお話でした。
高原の風がキンモクセイのあまい香りを運んでくる季節に来た患者さんは...なんと作者の名前と同じ!?これは作者自身のこと?『再会』したいぬいぐるみがいるのだろうか?
大きな病院しか知らなかったけど、私のくまおじさんもりりか先生に治療してほしくなりました。
Posted by ブクログ
ぬいぐるみがだいすきだった昔のわたし。当時のわたしがであったら間違いなく夢中になったであろう本。りりかさんは花言葉にかけてなにか不思議な力をお持ちなのか??ぜひシリーズとして読みたい作品。中学年から。
Posted by ブクログ
児童書らしい、かわいくて優しいお話。りりかさんが言ってたけど、子どもにとってぬいぐるみは家族なんだよな。わかるわかる。いっつもいっしょにいて、お話ししたり遊んだりして。
これ読んでたら昔旅行先でなくしたぬいぐるみを思い出した…。確かにあの子は私にとって友達だったんだろうな、また会いたいなと思った。
Posted by ブクログ
素敵な、本当に素敵なお話。ぬいぐるみを直してくれる、りりかさん。ぬいぐるみって かけがえの無い存在だよね。大人になってもそれは変わらない。シリーズ化してほしい。