感情タグBEST3
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『ローカル線とシンデレラ』
故郷に帰ってきたアイドルのストーカーの死。電車の中で起きた殺人事件。
『仮装パーティーの館』
地蔵坊の迷い込んだ館の仮装パーティーで起きた殺人事件。バットマンとダースベーダーの謎。
『崖の教祖』
新興宗教に入信した恋人を奪還しようとする婚約者。教祖の爆死の謎。
『毒の晩餐会』
隠し子が現れた家で起きた遺産相続騒動の果ての毒殺事件。お手伝いさんの手抜き。
『死ぬ時は一人』
元暴力団の組長の密室での死。
『割れた窓ガラス』
内側から割られたと見えるガラス窓の謎。
『天馬博士の昇天』
発明家の転落死。盗作疑惑の果ての自殺か?
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Posted by ブクログ
この作者の本を初めて読んだのは、たしか新本格のブームのさなかだったように思う。
綾辻行人や法月綸太郎や新本格を標榜する作家たちの本を読みあさった日々。
確かに、それぞれの作品は楽しめた。
が、あのころ新本格でがんばってきた人達で今も活躍している作家も多い中、新刊をすぐに購入して即日読む作者がいなくなってしまった。
それは何も、その作家の力量が落ちたとか、そういうことを言っているわけではない。
じゃぁ、それは何故なのだろうかと考えると、やはり続編ではないからという言葉につきる。
シリーズ物も続編として認めはするが、その作品作品で完結しているので、すぐに次回作がでても読もうという主人公が、パワーの溢れた主人公がいなくなってしまったように思うのだ。
何もだらだらと、作品を書きのばせといっているのではないが、魅力ある登場人物が次の作品にも出てきて活躍するというのは、毒書を続ける楽しみの一つである。是非、シリーズ物で一発大物が登場してもらいたい今日この頃である。
さて、この作品については日本版『隅の老人』という言葉がまんま当てはまって、連作短編ではあるが、この本1冊で完結している。
しかもこのラストからいって、復活もなさそうである。
毎度毎度、山伏の語る魅力的な謎をあなたは解くことが出来るだろうか。
ちなみにこの作者の、シリーズ物である若いころの有栖の登場する作品の続編はどうなったのだろうか。
未だ忘れずに、続きを期待しているのだが…
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再読にも関わらず、一つも真相を見抜けない。「毒の晩餐会」冒頭、悪いダイイングメッセージの例だけ記憶にあった。
語り手「僕」は地蔵坊の話を終始眉唾で聞いている。最終作、いらぬ詮索をしたことが災いしたか、山伏はどこかへ旅立ってしまう。
これで終りにするのが惜しまれる探偵なので、火村英生シリーズにゲスト出演してくれないだろうか。
イラストは大学でお世話になった先輩によるもの。
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山伏が自分の体験談を話すという連作短編集。有栖川有栖の初期の作品。何つーか、読んだ先から忘れていきそうな感じ。つまらない、という感じではないんだけどね。一話一話、山伏に関する説明が載ってるのが面白かった。
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毎週土曜日、スナック「えいぷりる」にて山伏の地蔵坊が全国行脚の途中で出会ったという信じがたい事件を肴に酒を飲む、紳士服屋の若旦那・写真館を営む夫婦・藪歯医者・ビデオ店経営者。
フーダニット、ハウダニット。いわゆる犯人当て小説の短編集で全7話です。
全編、地蔵坊の話が一段落したところで聞いている面々が各々推理を展開し、その後解決編といったパターンです。
短編なので犯人はなんとなくわかるのですが、トリックについては思わず「オイ!」と言ってしまいそうなものもありました。
でも他の登場人物と同じ情報しか与えられてないわけだからかなりフェアなはず。頭のよい読者は真相を見破れるのかな。
叙述トリックとか使えないから書き手としてはいろいろ難しいパターンかと思いますが、これまた楽しんで書かれているようでした。
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胡散臭い山伏がストーリテラーの探偵?小説。短編集なのでさくっと読みやすくてよかったです。
けどラストの話がいまいち。流石にそれはちょっと無いだろうって感じだったので。ちょっと面白くない展開だったなぁと。
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毎週土曜日、バー「えいぷりる」に集まる5人の目当ては、山伏の地蔵坊が語る、自らが体験し解決した不思議な事件の話。
木戸銭代わりに山伏の飲み代を肩代わりし、今夜も彼の話に耳を傾ける。
タイトルを見ただけでは、どんな内容なのかさっぱりわかりませんでした。
山伏の地蔵坊が、その旅の途中に偶然であった不思議な事件について語って聞かせる、連作の短編集になっています。
そんなに不思議な事件、それも殺人事件ばかりに偶然出会うものかと、少なからず疑ったりもしつつ、それでも話を聞くのを楽しみにしているお仲間たちが、なかなか人間臭くて楽しいです。
山伏についての解説にあてられたページも1話ごとにあり、それもまた興味深かったです。
地蔵坊のモデルの東京創元社の戸川氏が、学生時代に羽黒山で10年ほど山伏修行をされていたというのには、ちょっとびっくりしました。