【感想・ネタバレ】機龍警察 白骨街道のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

オピニオンパラレルSF警察小説。
ロヒンギャ問題とインパール作戦、国産兵器の輸出に関わる大疑獄。
逆ロッキードとはすごい発想。ミャンマーのクーデターで、ほぼ時差は存在しないパラレル世界なんだと理解した。

人間が人間を異物と見なすとき、どんな残虐行為にも罪悪感は発生せず、むしろ称賛される善行となる。「民族浄化」という言葉そのものに表れている盲目的な憎悪。
アイゼンの箍は何によって破壊されたのだろう。どこで破壊されたのだろう。ミャンマーで?それとも日本で?

クァンジェンピンのチートっぷりがヤバい。道理で尊大なはずだ。個人では世界でも指折りの殺傷能力を有するキキフなのだから。
オキツ部長の思いやりなのか、ストックなのか、遅れて現れるヒーロー、シェラーの参入は私としては嬉しいんだけど、スガタはたまらんよね。
自信も喪失してるし…
契約期間終了しても継続して欲しいけどなぁ。
ユーリとライザが人として復活してきてるから、次はスガタも頼んます…

あと…シロキさんの闇堕ちも避けてほしいな…
従姉妹の清純派から毒婦への変わり身は衝撃だったと思うが…

オキツ部長が戦いたい敵って、存在するんだろうけど、それとは別な「不条理そのもの」な気がして、個々人の無意識の集合体とどう戦って、何が勝ちなのか、今後が非常に気になるけど、そろそろ最新作まで追いついちゃったから待たねばいけない。
オキツ部長の目指すものが、著書の希望なんじゃないかと期待している。

0
2024年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

機龍警察6作目。警視庁特捜部・突入班3名は、初の国産機甲兵装モジュールの技術流出を目論むとされる国際指名手配犯・君島の奪還のため、インパール作戦の「白骨街道」に続くミャンマーへ派遣される。一方日本では、城木理事官の親族らが経営する会社に合同捜査が入る。

インパール作戦やロッキード事件など、史実に関する知識の無さを恥じると同時に、機龍警察という素晴らしい作品を通じて実際の過去を詳細に知ろうとする意欲が掻き立てられたので、物語や作品の持つ力は大きいとも思う。

機龍警察の好きなところは、挙げ出したらキリがないのだが、第一に登場人物の立場とリンクするそれぞれの「戦い方」の描き分けにある。
突入班であれば当然、ドラグーンによる戦闘、あるいはドラグーン意外の機甲兵装を含めた装備による戦闘である。また孤高の部長・沖津は、人材の最適配置やそれによって得られる情報の分析・予測による先読み、あるいは対人との振舞いによる組織の存続など、あらゆる要素に隙のない戦略・戦術の展開であろう。さらに城木・宮近両理事官は、出世を見据えた組織での立回りに加え、人脈の形成、そして利用することで特捜の捜査を進める力が必要だし、由起谷や夏川などの主任クラスになると、現場での機転や実際の対人戦闘に迫られることもある。さらに捜査二課の面々の知能犯罪に対する動き、鈴石ら技術班の深い知見による洞察、組織の緩衝機能としての庶務の存在、などなど、これら全ての人たちが物語の不可欠な存在となっており、彼らは自分たちの職務を全うしている。本作・白骨街道もその役割と戦い方が忌憚なく描かれ、非常にスリリングで興奮するのである。

そしてストーリーは「敵」の存在に近付きつつあり、また突入班の人材も1人増えた。新たな4人目はキール-ウィスカー方式のドラグーンではないとは言え、元モサドの経験を活かし、姿以上の才能の片鱗を覗かせている。姿自身は、引退を諭されているように受け取っている描写もあったが、そんなはずはない。沖津は姿を信頼している。その沖津が、彼に引退させるはずはないのだ。むしろ彼にもドラグーンが導入される方向で話は進み、その中で、本来のドラグーンというものの素性が明かされながら、さらに日本の特捜以外で、ドラグーン相当の機甲兵装が誕生する……そんな次回作を予想している。

ドラグーンが登場しなくても、ここまで面白い。もう押井守監督に映像化してほしい。

0
2023年09月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前作までの展開がうろ覚えだったが、簡単なあらすじや人物紹介もところどころ挟まっていたおかげで思い出しながら読み進めることができた。
暗黒市場あたりから濃厚な映画を見たような没入感に浸らせてくれるシリーズだが、その期待を裏切らず本作も面白い。前作は機甲兵装での戦闘がなく、今作は戦闘はあるものの龍機兵は登場しない。だが龍機兵が出ないからこそ、姿、ライザ、ユーリの搭乗者としての有能さが際立っているように見える。また本作は本作でマレーシアでの死闘と日本での陰謀捜査が並行して進んでいく演出が新しく、退屈させない。
ついに<敵>の正体が垣間見えたが城木はどう立ち向かうのか。ここに来て突入班が増員されたが果たしてどういった形で作戦に組み込まれるのか。姿は本当に警察を辞めるのか。まだまだ先が気になる展開ばかりで、次回作が待ち遠しい。

0
2022年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久々の機龍警察シリーズ。もう第6弾なのか!
今回は主人公たち3人はワンオフ機の龍機兵には乗らず、量産タイプの機甲装兵で戦う。舞台はミャンマー内の未開の地。ゲリラ暗躍、麻薬密売。ボトムズクメン篇リスペクトな感じ。

その一方で、沖津部長らは国内の政治経済癒着腐敗に切り込む。ミャンマー軍事提供や再開発をトンネルにした莫大な金額の収賄事件を捜査していくうちにまた少し見えてくる敵の姿、その一端がまさかここにつながってくるとは!な展開。

敵味方ともに新キャラや新しいスキルもお目見えして、いよいよ物語も中盤かなぁという感じ。早く続きが読みたいが、この質と量では大量生産ともいかないだろうから、首を長くして続編を待つことにしよう。

0
2022年01月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ミャンマーの軍部クーデターという現実が、これまで数年先の未来を描いていた機龍警察の時代に追いついてしまった。日本政府からのODA資金が軍部によるロヒンギャ迫害に使われるという、有り得ないとは言い切れない設定で物語は進む。今作は特捜部突入班の3人が乗り込む機龍兵の代わりに「鬼機夫」クワンの操るウルスラグナが躍動、姿までもがその技量を認めざるを得ない。突入班に新たなメンバーが加入し、姿が契約期間の終了を機に日本の警察を去る思いを抱くところで物語は終わる。次作はリアルタイムの日本と世界が舞台になりそうだが、姿が引き続きフィアボルグで活躍することを切に望む。

0
2021年11月06日

「小説」ランキング