福本友美子のレビュー一覧
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王家代々のご先祖さまがたというのがシンデレラひめ(いまの王さまのおばあさまにあたる方)、カラバ公爵さま、ねむりの森の美女さま等々、という始まりから面白く、その後も次々出てくるどこかで聞いたような話だけどちょっと違う、の連続で、最後のオチまで楽しめます。
ここまで完璧な「りこうすぎる」子はいなくても、屁理屈を言ったり、知識をひけらかせて煙たがられる子が周りにいるかもしれませんし、自分がそうだったら、どうして周りの子に嫌われるかわかるかも。
この話をよりおもしろいと感じるために、やはり小さい頃からいろいろな昔話に親しんでほしいなあと思います。
小学校中学年ぐらいからおすすめ。
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やー、これめっちゃ好き! 色の童話集のラングさんだけに、ありとあらゆる童話のパターンやアイテムをぎゅうぎゅうに詰め込んでいるんだけど、同時に「これがあのフセイン王子が市で買ったじゅうたん」のように、作中で先行作品を紹介しちゃうという、120年前ながらメタフィクショナルな要素もてんこ盛り。そして、パターンを踏襲していると見せかけてずらすという、洒脱でひねりのきいたユーモア。にやにやしたり、笑ったりしながら読み終えた。ラングさん、さすがだよ、ラングさん。伝記には、このプリジオ王子にはラングの自己像が投影されているというようなことが書いてあったので、もう一度伝記を読み直してみよう。
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生まれた瞬間に魔女に賢い呪いをかけられた王子が、賢すぎるがゆえに周りから疎まれ、嫌がられ、ついには肉親からも迫害を受ける話。
天才は時に孤独というけれど、賢い人、天才にしか見えない世界や価値観があって、周りはそれについてこれないとコミュニティからうき、嫌われてしまうのだなと。逸脱した能力は疎まれるのだな。ということがよくわかる。私は能力はないけれど、疎まれているので、変に感情移入してたけど、違うか。
落ちが結構好きで、最終的に周りに賢く見えないように。=中身は天才。というオチなのだけど、いつぞやか見た目は賢くなく、中身が賢い人が一番恐ろしいと聞いて、なんか納得してる自分がいました。 -
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ネタバレこの本は所々に( )で筆者の個人的な思いが書かれているのが特徴でした
この本では妃の態度が悪かったせいで王子が利口になってしまい、皆に嫌われているのがとても理不尽だと感じました。
プリジオ王子と妃は伝説や魔法を信じない人々で、全て彼らが正しいと思っていましたが、ファイヤードレイクやレモラが実在した事に驚きました。←(物語の中で)
そして、この物語はプリジオ王子が恋に落ちることも面白かったです。
最後に僕が妖精の道具を一つだけ手に入れられるとすれば、願い帽子が欲しいです、なぜならそれらの道具は願い帽子で全て手に入れることができるからです。 -
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古今東西の昔話の要素を詰め込んだようなお話です。そのため昔話のパロディのようなメタ構造も見え隠れして、これが100年以上前に書かれたのかと驚いたのです。
プリジオ王子が生まれた時に妖精に与えられたのは、数々の魔法のアイテムと「りこうすぎる」ことだった。りこうすぎるために国中の人々から嫌われることになる王子を変えたのは、美しいおじょうさまとの出会い。恋に落ちたことにより今まで気付かなかったことに気付き、世の不思議なことにも目が向くようになるのです。
この流れが素敵なのですね。恋をすることにより相手を思いやることができるようになり、魔法も信じることができるようになる。ただそれだけで王子自身の性質 -
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ネタバレ愛されない王子様の愛され道!
利口すぎて、一言も二言も多く態度も不遜なプリジオ王子。伝説や物語を信じない母の影響で、自身も竜を信じない。弟たちを亡くし父をはじめ国中から見放され、命も狙われる。ある日、母が隠した妖精たちのアイテムを見つけて、優しい娘に出会って、王子は変わり始める。
どれだけ頭が良くても、優しくないと愛されない。物語の王子様がこんなにクセのある性格なのも面白いし、ところどころに定番の昔話が出てくるのも面白い。火を吹く竜の倒し方が到底王子様らしくない騙し討ちなのもいい。最後にロザリンドの頼みを聞くかと思わせて、やっぱり頭がいいことを手放さないのも気に入った。 -