嶋中雄二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレここ数年、インデックス投資に於いても投資対象はS&P500やNASDAQだけで良い!って論調があります。その理由として、米国には下記観点の優位性があるからだそうです
・経済大国
・軍事力
・技術が集まる
・人口増加
本書は技術革新などによって経済サイクルが50年周期に訪れるといわれるコンドラチェフサイクルを、経済・軍事・技術・人口さまざまなマクロデータを基に、2050年の経済覇権はどのようになるのか?を考察する本です。
本書の結論から言うと、2050年まで米国一強であり続けることは『無い』ですね。
本書は「予測」というより、コンドラチェフサイクルとマクロデータからの考察なので、あくまでもサイクルに沿った考えが主体であるということ。
そして未来がどのような姿になるのかは、少し濁した印象です。ここは期待を裏切られたとこで、残念です。
読んでて2,3疑問に感じたのは、著者の考察に
・資本主義システムを、何かを前提条件で固定して、考えを展開してる
・現代のネットワーク技術による、情報網の水平展開と共有の凄さ
・日本に対する利用可能ヒューリスティック
ここらが、強いバイアスかかってる印象でした。
しかしそこを割り引いたとしても、本書前半部分はマクロデータと、他の書籍との関連性含め、そこらに転がってるインチキ経済学者やコンサルが書いた本からは、一線を超えてますね。これから米国が中国とやり合うにあたっては、これまで以上に米国+日本の関係性が、GDPの観点で重要だと。特に、制海権を維持することが、覇権国である重要性を、過去のデータからも説かれてました。
私の知識が足りなくて理解しきれない部分が多々ありましたが、確実に言えることがあります。
50~100年周期の経済・覇権サイクルは、これからも起こり続けるってことです。 -
Posted by ブクログ
景気循環というと、個人的にはややマユツバものというイメージがありました。
確かに景気は上がったり下がったりする事実は分かるけど、それが物理現象のような正確な規則性をもって美しい波を描くとは俄かに信じ難く、経済って不確定要素に影響されたり、構造的な要因で前提条件が変われば景気の波の周期や幅も変わると考える方が自然なんじゃないかと。
この本を読んでそのイメージは少し改まりました。
景気循環といっても「いざなぎ景気」みたいな比較的短期の波を指すだけではなく、周期が長いものから短いものまで複数の循環サイクルを考慮する必要がある。
コンドラチェフ・サイクル:50〜60年周期の長期波動(社会資本投資サイクル)
クズネッツ・サイクル:20年周期の長期循環(建設投資サイクル)
ジュグラー・サイクル:10年周囲の中期循環(設備投資サイクル)
キッチン・サイクル:3〜4年周期の短期循環(在庫投資サイクル)
これらの長短のサイクルを組み合わせて考えると、歴史上様々な現象を説明することができる。
また、狭義の経済現象だけでなく、たとえばコンドラチェフ・サイクルの長期波動を2回分まとまた百年サイクルで、国際政治の覇権サイクル(ポルトガルの時代→オランダの時代→英国の時代×2→米国の時代)が説明できたりもする。
何が循環をもたらしているか、についても多くの説が紹介されています。
在庫や設備投資のサイクルや過剰投資説・過少消費説などの経済学的な説以外にも、太陽黒点説やエルニーニョなどの自然現象に基づくとする説、技術革新や景気心理によるとする説など多様なものがあります。
おそらくすべての説にそれぞれ正当性があり、またどの説によっても単独では循環を説明することができないというのが正しいのでしょう。
多数の複合要因に基づき結果として規則正しいサイクルが現れるのだとしたら、確かに物理現象・自然現象に近いものがあるのかもしれません。
そして、それをすべて解析できたとしたら、未来が読めるようになるかも。
だけど正確に未来が読めるようになったら、それによって現在の経済行動が影響を受けたりして…と考えていくとゲーム理論っぽくなっちゃいますな。
本著は、自分が愛読している日経新聞朝刊の「経済教室」と同じ面にあるコラム「ゼミナール」に、昨年(2009年)はじめに連載されたものをまとめて本にしたものです。
あの面はホントに中身が濃いです。
というか日経も、あの面以外そんなに熟読する価値のあるところないかも…。 -
Posted by ブクログ
2022年57冊目。250ページ、累計15,617ページ。満足度★★★☆☆
著者が4年4ヵ月ぶりに出した11冊目の単著(2018年4月発刊)
景気循環論の世界の権威・篠原三代平とハイエク理論やマネタリズムに造詣深い西山千明氏に師事した著者の本は初期の著作から何冊読んでいるが、本書が最新作
2019年に購入後、寝かしている間に、東京オリンピックが延期されて開催され、大阪万博の開催が決定、さらには新型コロナが発生するなどの情勢変化がある
短期(キッチン・サイクル)・中期(ジュグラー・サイクル)・長期(クズネッツ・サイクル)・超長期(コンドラチェフ・サイクル)のうち、クズネッツとコンドラチェフが重なって上昇部分の2012年から2025年までを著者は「第3の超景気」と命名
いわゆる「アベノミクス」による好景気もこの景気循環の影響を受けているとしている
なお、中国は2010年あたりに既にピークをつけているとの見立て -
Posted by ブクログ
景気が循環することは知られているが、短期から長期にいたる様々な分野のサイクルが、すべて底を打って上昇を始めるゴールデンクロスを迎えているのが今の日本の状況であることを説明している。そのサイクルとは、①キッチン(短期、在庫投資) ②ジュグラー(中期、設備投資) ③グスネック(長期、建設投資) ④コンドラチェフ(超長期、インフラ・技術革新)である。その他、ソロス・チャートやマッカラム・ルールなど、経済をテクニカルに見て、解説している。細部まで理解はしていないが、説得力ある内容となっている。
「少しショッキングな話をしますと、2013~2020年度の日本の実質GDP成長率が年率平均2.0%、名目成長率が同3.2%とゴールデン・サイクルのシナリオで行っても、中国との差は開くばかりなのです」p287 -
Posted by ブクログ
ジェグラー「恐慌に先行する兆候は大繁栄というシグナルである」。
複合循環 超長期=コンドラチェフ=社会資本投資による 長期=グズネッツ=建設投資による 中期=ジェグラー=設備投資による 短期=キッチンサイクル=在庫投資による。
季節変動は12か月移動平均によって予測する。これを除いたものが季節調整値。
先行・一致・遅行のDI。それを基にしたCI。
OECD総合(景気先行指数)は日本の輸出数量に先行する。
ユーロ圏は米国景気を後追いする傾向が強い。景気回復の先導はドイツの輸出産業。
過少消費説と過剰投資説。
景気の山では過剰投資説、景気の谷では過少消費説が説得力がある。
乗数効果と加速度原理を組み合わせたモデル=サミュエルソン
玉突き台の理論=完全雇用による所得水準の限界を上限とし、と独立投資の増大を下限として、国民所得が両方の間を動くという理論。
円安は穏やか、円高は急激。輸出企業のドル売りがさらなるドル売りを呼ぶ。
ケインズと対極のシュンペーターとハイエクは、景気循環の制御に反対。フリードマンは、認知、実施、効果のラグがあるため、政策によって増大するおそれがあるとした。
景気の山では