ささめやゆきのレビュー一覧
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ネタバレ児童書と侮るなかれ。なかなか重ーく、深ーく、切ない話です。
ある朝、お父さんが牛になっていた!家族でエサをあげたりフンの掃除をしたり、近所にバレないように物置に閉じ込めたりする。牛になる前は、中学生のお姉ちゃんにとってはゴキブリのような存在。小学生のぼくは「避ける」、お母さんは「あしらう」。そんな存在感のないお父さんがある日突然やけに存在感のある牛に変身する。思春期の子どもたちや妻に邪魔にされて牛になってしまったのか?
一方で、お父さんの部下の「むずかしいことなんて全部わすれて食べたいときに食べて、寝たいときに寝たい」という言葉を聞いて、ぼくはまるで今のお父さんじゃないか、と思う。そしてお父さ -
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ある朝突然、お父さんが牛になってしまった物語。
思春期を迎え、子供たちと距離ができてしまったお父さん。牛になったお父さんはいっそう厄介者扱いされるが、お父さんの秘密を知ったり、昔のことを思い出したりしながら、もう一度お父さんの大切さを
家族が思い出していく。
子供が少し泣いたと言うので読んでみました。
もっとギャグみたいな本だと思って読み始めましたが、本格的な牛でした。
父さんが読むにはとっても切ない話です。お父さんにはもしかしたらこれがハッピーエンドなのかもしれないけど、父さんである自分の立場からすると、もっと普通に終わってほしかったかな。 -
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ネタバレ子どもたちへのエールの絵本。
だけど、私はモヤっとしてしまった。
悪い事が書いてあるわけではない。でもね。でも……と思う。
『げんきいっぱい やってください』
という言葉が繰り返されていて、これが子どもたちへのエールという事はわかる。
子どもたちの幸せをみんなが……地球が宇宙が望んでいるという壮大な言葉はわくわくもした。
その後に戦争や絶滅していく動植物の話になり
『いまの おとなの ちからでは それらを なおしきれないのです。せかいじゅうの みなさんのような こどもたちが はやく おとなになって こうしたことを なおして ほしいのです。』
この辺りはちょっとなと思う。『いまの おとな -
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ネタバレお父さんが牛になる、その世話の仕方の描写がリアルでちょっと気持ち悪くなった。
けど、お父さんが牛になるって、病気になったり、痴呆症になったりした時の例えなのかな、と思えた。
相手とコミュニケーションとれなくなって初めて相手のことを考えること。
思い切って牛にしてるところがすごいけど。
そして、ラスト、なんとお父さん人間に戻らず…!!この先戻るんだろうか。。
疲れ過ぎて、相手にされなすぎて、さみしくて牛になってしまったんだとしたら、本当に悲しい。
実の親のおばあちゃんがお父さんだとわかってくれて救われたところはあるけれど、牛になりたいくらいの世の中なんてな…。
わからなくもないから、切ない話だ