宮本太郎のレビュー一覧
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アンダークラスとは、不安定な雇用、際立つ低賃金、結婚・家族形成の困難という特徴を持つ一群であり、従来の労働者階級とも異質なひとつの下層階級を構成する社会階層である。
(引用)アンダークラス化する若者たち ー生活保障をどう立て直すか、編著者:宮本みち子・佐藤洋作・宮本太郎、発行所:株式会社明石書店、2021年、15
我が国は、少子高齢化が叫ばれて久しい。内閣府の「少子化対策白書」による「令和2年度 少子化の状況及び少子化への対処施策の概況」によれば、2019年の出生数は、86万5,234人となり、過去最小(「86万ショック」)となった。また、同年の合計特殊出生率は、1.36と、前年より0.06 -
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[ 内容 ]
日本型生活保障のしくみが解体する中、足元が崩れるような不安が広がり、社会保障や雇用は政治的争点の中心にせりあがっている。
にもかかわらず日本政治は、「構造改革」の徹底にも大胆な格差是正にも踏み出せない、膠着状況にある。
このような状況は、なぜ、どのようにして生み出されたのか。
社会保障や雇用をめぐる政治すなわち福祉政治は、何をなしうるのか。
本書は、福祉国家の構造を示す福祉レジーム論や「劇場政治」のしかけに迫る言説政治論などを駆使して、今日の福祉政治を立体的にとらえる。
そして、こうした新しい視点から、戦後日本の福祉政治の展開を解き明かし、膠着状況を超える展望を示す。
[ 目次 -
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これからの社会民主主義がどのような普遍主義を実現するのか、人々に何を保障していくことを目指すのかと考えたとき、「ベーシックアセット」は有力な回答の一つとなる。
(引用)貧困・介護・育児の政治 ベーシックアセットの福祉国家へ、著者:宮本太郎、発行所:朝日新聞出版、2021年、299
我が国においては、多様な福祉課題が存在する。その中においても、「貧困」「介護」「育児」といった3つの課題は、我が国において喫緊であり、最重要の課題として位置付けられるものであろう。
先日、「アンダークラス化する若者たち(明石出版、2021年)」を拝読した。本書では、主として貧困家庭に育ち、まともな学校教育が受けら -
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・「例外状況の社会民主主義」
→介護保険導入時、子ども子育て新制度 社会保障の機能強化と消費増税と結びつき 財務省
・「磁力としての新自由主義」
→国と地方の長期債務、有権者・納税者の不信、自治体の制度構造
・「日常的現実としての保守主義」
→十分な公的負担が得られず、結果として家族に頼る以外にない状況
・ベーシックアセット
(貧困)
・日本型生活保障の三重構造の破壊
→行政・会社・家族
・新しい生活困難層⇔福祉受給層
・トリクルダウンは起きない 生産拠点の海外移転、国際金融・知的サービス分野で稼ぐしかない
→二極化
・北欧型の福祉政策は、福祉受給層などにならないための予防的施策 よって、その