山賀進のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は,自分から読もうと思って手に入れたわけではなく,メルカリで買ったときに,欲しかった一冊(『「地球システム」を科学する』)とセットになって販売していて(しかも安かったので),手に入れたものです。
出版社も『地球システム』と同じベレ出版。内容も,『地球システム』とかぶるところもあります。ただ,本書が言いたいことは「科学じゃ分かっていないこともまだあるよ」「人類は,それを踏まえた上で前進しないとね」というメッセージです。
著者は,科学で分かったことを紹介している教科書ばかり読んでいることの欠点を指摘しています。
(学校の教科書だけ読んでいると…)子供達は自然のことはもう解明できていると -
Posted by ブクログ
多くの書籍がわかったことをメインに書かれている中、
この本は何がわかっていないことかを中心に書かれています。
なので、一般向けの優しい地球科学の本ではありますが、
入門編ではありません。
章末には、その章で扱ったテーマの「わかっていないこと」が
簡潔にまとめられていて、頭を整理するのに役立ちますね。
学校の教科書はほとんどわかったことしか書かれていません。
もちろんそれが最優先ではあるのでしょうが、
過程をすっぽかして結果だけ書いたのでは科学ではありません。
それに、科学万能思想に陥りがちです。
もう未解決なことなどないと。
それは自然に対する謙虚な心さえも失わせてしまいがちです。
一方、 -
Posted by ブクログ
地球について、科学的にわかっている事を具体的に説明する手法で、わからない事を明確に、明快に解説している、わかりやすい良い本だと思います。日本政府や原子力ムラが今までとってきた、わからないものは安全という、わけのわからない理論に対する、強烈な皮肉にもなっていると思います。
面白かった節を幾つか抜き出すと、地震予知はできない、二酸化炭素の増加と温暖化の関係、石油の採掘可能年数
、継続的な低線量被曝の影響、原発は地球温暖化防止に役立っているのか?、放射線廃棄物をどうするか?地球に定員はあるのか?などなど、かなり盛り沢山な入門書だと思います。麻布中学・高校の先生。なるほど。 -
Posted by ブクログ
著者は麻布中高の理科教諭。地球科学の話題を広く紹介。月の起源,海水の起源,生命の誕生と進化,大量絶滅,プレートテクトニクス,地震,気候変動などなど。
それにしても第12章の「原子力の諸問題について」は異色。「地球について」からはだいぶ離れてるようだけど,一番熱っぽく語ってる。低線量被曝の影響とか,放射性廃棄物をどうすればよいか,原発のコストは?とか「まだわかっていないこと」をいろいろ挙げてる。
まあ,人間と地球の関係を考えると,確かに原子力の話題は避けて通れない問題。続く第13章の「地球の定員について」では,太陽定数や耕地面積から地球が支えられる人口がどれほどか,大雑把に試算している。結