落合淳思のレビュー一覧

  • 殷 ―中国史最古の王朝

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    学校で習いはするが,「殷」は謎である.その殷について現在わかっている範囲で詳しく解説してくれる.
    そもそも,我々が知識として持っている殷についての情報は,それ以降の王朝による誹謗が多いらしい.とはいえ,殷の時代は甲骨文字の時代,すなわち漢字の勃興期であり,殷の途中まではほとんど記録はなく,残っている記録も占いの記録である.
    そう,殷は占いに基づく神権政治だとされているが,さにあらず,その占いも細工によって「欲しい結果」を操作で得たものであり,また,記録の改竄もされていたということで,「神の名を騙った支配」と呼ぶのが適切.
    このような甲骨文字から浮かんできたのは,ゆるい連合体としての殷王朝であり

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    2024年11月30日
  • 漢字の構造 古代中国の社会と文化

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    ●漢字は古代中国において作られたものであり、当時の生活や風習、あるいは祭祀儀礼や社会制度などを表している文字も少なくない、と筆者は言う。漢字の構造が見せる古代中国の社会と文化を解説している。

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    2021年07月05日
  • 漢字の字形 甲骨文字から篆書、楷書へ

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    ●どういう成り立ちで、どのような過程を経て今の漢字になったのかという視点で見るとなるほどと思うことが多くあった。

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    2021年06月21日
  • 古代中国の虚像と実像

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    古書店にて購入。四千年の歴史を誇る中国の先史時代~三国時代の虚像を暴く、謂わば古代中国の暴露本である。こう書くと下世話な感じがする上、言葉の誤用なんかを嬉々として指摘したがるクチと大差ない気がしないでもないが、取り敢えず知っておいて損はない。最新の学説が定説を覆すのは、とかく時間がかかるようだし。ただ、「こんな記述が後世に残るはずがない」っていう極めて主観的な理由だけで信憑性を疑いまくる辺り、まあ新書の限界ではあるかな。

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    2017年02月17日
  • 古代中国の虚像と実像

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    ネタバレ

    古代中国の歴史書に書かれ、故事成語のもとにもなっている出来事に学問的な視点からツッコミを入れていく。
    確かに、誰と誰が密談したとか資料に残っている訳ないから、後に作られた歴史書のそういう場面は殆ど創作と考えた方が良いわけで…。
    ロマンはないが、三国志を番外編ではなくもっとガッツリ扱ってくれれば、もっと読み応えがあったかも。

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    2015年05月28日
  • 殷 ―中国史最古の王朝

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    立命館生え抜きで、学生時代から甲骨文を専門にしてきた著者による古代史の再整理。

    従来、後代に成立した『史記』などの文献重視で語られてきた殷王朝について、同時代資料の甲骨文を用いて事実関係の整理を試みられております。

    王朝が存続した期間に比して王の数が多いところから、従来、「殷は兄弟相続であった」などとされていましたが、著者はこれを否定。甲骨文に見られる祭祀のグループ分けを行い、王統の分立と、後世それが統合された可能性を示唆。

    日本史でいうならば、南北朝時代が100年続いて、のちに両方の皇統を一つの系図にまとめたようなものなので、そりゃあ『史記』の記述にも矛盾が起きるってもんです。

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    2015年02月08日
  • 古代中国の虚像と実像

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    夏王朝は無かった!
    ショッキングな実像。
    ただ史書で2人っきりの会話でこれ誰が知ってるんだよみたいなことを仰っておりました。その観点でいえば司馬遷の功績は塵になってしまいますが…

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    2014年09月23日
  • 古代中国の虚像と実像

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    [ 内容 ]
    最新研究でわかった4000年前の歴史!
    「夏王朝」の真実、作られた「酒池肉林」、始皇帝伝説の誤謬、「赤壁の戦い」の真相。

    [ 目次 ]
    中国には多様な新石器文化があった
    「夏王朝」はなかった
    政治手段としての甲骨占卜
    紂王は酒池肉林をしなかった
    「共和」の時代は共和制ではなかった
    『春秋左氏伝』の虚実
    覇者は何人か
    戦国時代のはじまり
    『孫子』は孫子が作っていない
    『論語』の理想論
    中国の統一は始皇帝の力ではなかった
    泰王堂のスキャンダルの真相
    作られた始皇帝伝説
    泰末の反乱と説話
    楚漢戦争と項羽の伝説
    三国志の英雄たちと赤壁の戦い

    [ POP ]


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    2010年11月26日
  • 古代中国の虚像と実像

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    古代中国に関する教科書にのっている話は古くて真実とは違うことを話している本
    なぜかというと教科書というのは所詮は試験用のテキストにすぎないことと、中国の最近まではお金の問題で歴史への研究が活発ではなかったことがある。
    代表的な話で、黄河文明でよくいわれるが、実は長江からも同じく文明があること。
    まあ、歴史は自分の国の歴史は詳しくでも他国の歴史には無関心であることはよくある話ではある。
    頭にのこているものだけピックアップすると
    ・占いは政権をもっている人のために結果を変えていた。
    ・夏王朝は実は存在しない。
    ・酒池肉林としられる人物はじつは政治ですごく忙しかった(ので、そんなことを行えるはずがな

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    2010年09月02日
  • 古代中国の虚像と実像

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    説得力が弱いよね。
    なんというか著者の主観で押し通している部分もあって納得できない部分が結構あった。

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    2010年03月07日
  • 古代中国の虚像と実像

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    史実をもとに、古代中国の歴史の矛盾点を突いていく、というスタイルで記述されている。

    著者の論は確かに正しい部分もあるが、それと同時に著者の主観による「決めつけ」も多く感じた。

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    2010年01月09日
  • 甲骨文字の読み方

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    何でもこういう形で入門一冊というのはあんまりなかったんだそうだ。

    専門にしない、というかほとんど考えたことも無いだけに、こういう「新書」系の文字論の本は楽しく読める。

    まだまだ始めの方だけど、これはなかなかにおもしろい。これ、おもしろいだろ!?って書いてない部分におもしろネタというか、知ってよかったな、というのがあるという本。

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    2009年10月04日
  • 甲骨文字の読み方

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    著者は日本における殷代史研究の若手のホープで立命館大学の落合先生です。立命館大学といえば白川静御大以来の漢字学研究の蓄積があります。しかし彼の本の内容は「学閥」にありがちな、自分のところの大先生の意見を無批判に受け入れるということはなく、白川文字学を参考にしながらも決して盲信しているわけではありません。また、今まで甲骨文字を解説した本は白川先生をはじめとして「漢字の字源」としてか「殷代史研究」の前提として語られたものに限られ、「甲骨文字の読み方」について初学者にもわかりやすく解説した本はありませんでした(この本が出るまでは白川静『甲骨文字の世界』(平凡社東洋文庫)が一番それに近かったが、あくま

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    2009年10月04日