岡野友彦のレビュー一覧

  • 院政とは何だったか 「権門体制論」を見直す

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    研究史が面白い。石母田正の『中世的世界の形成』の呪縛と、それを解き放つ新たな枠組みを提示した黒田俊雄の「権門体制論」。批判される点が多いが未だに生きながらえている権門体制論。これを壊して新たな理論を提示するのは、説明出来ない実証を積み上げるしかないのだろうが、まだ、本質的な反証は出来ていないらしい。
    院政は荘園制。荘園制は権門勢家による国土領有権の分割的支配体制。もう少し詳しくいうと最大の荘園領主の天皇一族の家長•治天の君、摂関家の家長•氏の長者、源氏の氏の長者、叡山を始めとする寺社。さらに武家。天皇を筆頭とする太政官制を結束点として権門勢家が領有権を分割して統治する支配体制。院政の力の根元は

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    2013年03月28日
  • 院政とは何だったか 「権門体制論」を見直す

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    ≪目次≫
    はしがき
    序章   院政とは何か
    第1章  日本の荘園はなぜわかりにくいのか
    第2章  「権門体制論」とは何か
    第3章  さまざまな権門
    第4章  院政はなぜ続いたか
    終章    中世はいつ始まったか

    ≪内容≫
    タイトルは「院政」ではあるが、第1章の「荘園制」のところのまとめが分かりやすい。そして、著者の意図は「荘園制」こそが『中世』のキーワードである、言いかえれば「院政」を造った目的は「荘園制」にあり、経済的に朝廷を牛耳る必要があったからだ、とする。(現在の歴史学の主説であるが、高校教科書などには反映されていない)大変分かりやすい論旨で、納得できた。
    第2章の「権門体制論」はやや

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    2013年03月20日
  • 院政とは何だったか 「権門体制論」を見直す

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    かなり面白かった。
    わかりにくい荘園について、権門体制論について、王家という用語について、など。
    荘園という経済基盤を持つことで院政が可能となり、承久の乱を経て、再び莫大な荘園を持たせないように二つに分かれさせたのが南北朝へつながる…とか、
    足利義満が『院政』を行っていたことについてとか。

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    2013年12月24日