岡野友彦のレビュー一覧

  • 院政とは何だったか 「権門体制論」を見直す
    研究史が面白い。石母田正の『中世的世界の形成』の呪縛と、それを解き放つ新たな枠組みを提示した黒田俊雄の「権門体制論」。批判される点が多いが未だに生きながらえている権門体制論。これを壊して新たな理論を提示するのは、説明出来ない実証を積み上げるしかないのだろうが、まだ、本質的な反証は出来ていないらしい。...続きを読む
  • 院政とは何だったか 「権門体制論」を見直す
    ≪目次≫
    はしがき
    序章   院政とは何か
    第1章  日本の荘園はなぜわかりにくいのか
    第2章  「権門体制論」とは何か
    第3章  さまざまな権門
    第4章  院政はなぜ続いたか
    終章    中世はいつ始まったか

    ≪内容≫
    タイトルは「院政」ではあるが、第1章の「荘園制」のところのまとめが分かりやす...続きを読む
  • 院政とは何だったか 「権門体制論」を見直す
    かなり面白かった。
    わかりにくい荘園について、権門体制論について、王家という用語について、など。
    荘園という経済基盤を持つことで院政が可能となり、承久の乱を経て、再び莫大な荘園を持たせないように二つに分かれさせたのが南北朝へつながる…とか、
    足利義満が『院政』を行っていたことについてとか。