岡田知子のレビュー一覧

  • 泣き虫ハァちゃん
    この小説は、世界文化社発刊の「家庭画報」に連載されていたが、著者が脳梗塞で倒れ、帰らぬ人となったため、それまで書き溜めていた執筆分を新潮社が受け出版された。

     あとがきの妻の河合嘉代子さんによると、「この本の舞台は自身の出身地、兵庫県・丹波篠山です。話はフィクションですが、夫の少年時代のイメージそ...続きを読む
  • 泣き虫ハァちゃん
    河合先生の遺作となった作品。
    小学校4年生までの思い出が、昭和時代の自然豊かな風景とともに、まざまざと浮かんできます。最終話の「夜が怖い」は含蓄のある、示唆的な憂いに満ちていてとても印象的でした。小学生は3・4年生の頃が最も難しいというのを聞いていたので、こういうことなんかなと推察しながら読み進めま...続きを読む
  • 泣き虫ハァちゃん
    尊敬する河合隼雄さんの自伝的小説。
    あの素晴らしい人格はこんな子ども時代を過ごすことによって形成されたんだなあ、と腑に落ちました。舞台となる篠山(現在の丹波篠山市)の自然を思い浮かべると故郷に帰ったような懐かしい気持ちになりました。
  • 泣き虫ハァちゃん
    河合隼雄先生はこんな素敵な環境で両親、兄弟に愛されて育ったんだなぁと読みながら気持ちが温かくなった。サンタクロースをみんなで捕まえる作戦がとても好き。挿絵がまたとても素敵で何度も本をめくりたくなる。
  • 泣き虫ハァちゃん
    河合隼雄さんの自伝的お話。なんで六人兄弟の中で僕だけ泣き虫なの?って聞いたらお母さんの意外な答え…どんぐりコロコロの歌でも泣いちゃう優しい子。(考えた事もなかった…)。お母さんの珠玉の言葉の数々… なんとこの作品連載中に倒れられたのだとか。もっと色々読みたかった。谷川俊太郎さんのステキな詩が捧げられ...続きを読む
  • 泣き虫ハァちゃん
    大好きな河合さんの最後の本。自分の幼少時代をもとにして書かれた物語です。
    今まで、私の知らない世界の知りたい事を教えてくれた本の中の先生。どんな著書でも読みやすく書かれていると思いますが、この本は本当にどんな人にも勧めることのできる読みやすくて優しい気持ちになれる本だと思います。
    あー私も子供の時こ...続きを読む
  • 泣き虫ハァちゃん
    時代も国も違うけど、リンドグレーンのやかましむらの世界と同じ。幸福感に満たされる。谷川さんの詩もよい。
  • 泣き虫ハァちゃん
    河合隼雄自身の少年時代の出来事をモチーフに書かれた12話。著者本人であるハァちゃんは感受性が豊かで、とっても優しい子。何かにつけて、すぐに泣いてしまう。優しい両親と頼りになる兄弟に囲まれ、逞しく成長してゆく。私自身が親になる前に、この本に出会えていたら、子育ての方法も変わっていたに違いないと思えた。...続きを読む
  • 泣き虫ハァちゃん
    泣き虫ハァちゃん、かわいいなぁ。どんぐりころころの歌に泣き、大好きな幼稚園の先生とのお別れに泣き、日々の小さな出来事に心を響かせて泣く。素直で純粋でかわいい。
    泣き虫な小さいハァちゃんを見守り、小学校4年生の思春期のちょっと手前の難しくなりかけたハァちゃんを厳しくしっかり受け止めた、お母さんがとって...続きを読む
  • 泣き虫ハァちゃん
    ハァちゃんと呼ばれている泣き虫の姪っ子がいるのでつい購入。具体的な出来事などはフィクションだそうですが、河合隼雄さんが少年時代の思い出をもとに書かれた小説。両親と兄たちに囲まれ好奇心いっぱいの少年がせいいっぱい自分なりに生きる姿が清々しいです。童話のような感じですぐ読み終わってしまいましたがとても良...続きを読む
  • 泣き虫ハァちゃん
    古き良き昭和初期の温かな日常を、小学生低学年の男の子目線で書かれたお話。
    兄弟、両親との愛情いっぱいの生活や、昔のこどもは小さなうちから両親や先生に対してきちんと敬語を使えていたんだな、ということに感心するのと同時に、人を敬う気持ちが現代では失われつつあることに寂しさを感じた。
    それにしても幼き頃の...続きを読む
  • 泣き虫ハァちゃん
    とても優しい物語。

    兄弟が多くて、
    お父さんが家族の長で、
    令和にない絆や愛や優しさがある気がした。

    こんな時代もあったんだなーと感じた。


    谷川俊太郎さんの後書きも
    孤独のなかに立ってるけど、
    孤独じゃない感じも良かった。



  • 泣き虫ハァちゃん
    環境だけでなく行動も昔の子と随分違ってきているなと思う。一つは兄弟の数だろう。兄弟が多いと喧嘩もするけど思いやりも育つ。いつまでも口をきかないなんてことにはならない。
    さて、河合隼雄さんがこの本を世に出そうとした意図は何だったのだろう。読者の対象はどういう層を想定したのか、そのあたりは訊いてみたかっ...続きを読む
  • 泣き虫ハァちゃん
    ノンフィクションのような暖かいフィクション。
    大きな小4という壁を抜けてはぁちゃんがどうかわっていくのか、
    どう変わって行くように書くのかを見たかった、
    残念。
    心が温まる、まさにそんなお話。はぁちゃんの素直な涙は複雑に入り組んでしまった大人の感情がちょっとバカバカしいのを思い出させてくれる感じ。