武藤浩史のレビュー一覧

  • エレホン
    NOWHERE↔EREWHON。どこでもない場所をイメージされた題名なのだと思いますが、どこでもない場所の反対語はどこか特定の場所でもあり、その特定の場所として2021年現在の世界が重なりあうことに驚きます。そしてNOWHEREがユートピアさとしたら、その反対はディストピアであり、それは今の社会なの...続きを読む
  • エレホン
    未開の地を求めて探索を始めた青年が辿り着いた国家での体験記を描いた作品。国家の滅茶苦茶な論理ができる成り立ちを知った途端、戸惑いを隠せなかった。時代を超えた警告に我が身を正さざるを得なかった。
  • エレホン
    ディストピア小説の源流とされる本の新訳版が出版されたので読んでみた。
    ものすごく興味深い本だった。

    1872年(明治5年)に書かれた本書は後の多くのユートピア、ディストピア小説の元となった。
    オルダス・ハクスリーは、自身のディストピア小説『すばらしい新世界』がこの『エレホン』の影響を受けていること...続きを読む
  • エレホン
    エレホンはどこにもない国。
    主人公は金儲けのために旅をする。
    現代社会とかけ離れたような価値観がつぎつぎにでてくるけど、比喩って考えれないこともない。
    発想がいろいろ考えさせられるSFなんかな?
  • エレホン
    全く古さを感じさせない。翻訳は定期的にやり直すべきと改めて感じる。どこか藤子不二雄的な的なSF感があり面白い
  • エレホン
    1872年に出版されたユートピア・ディストピア小説の新訳版です。
    イギリス植民地で羊飼いをする主人公は、文明社会に知られていないエレホン国を発見します。
    そこの常識は我々のそれと正反対で、病気は罰せられて犯罪は治療される世界でした。
    又、機械を極度に拒絶するのですが、それにはなかなか深い意味がありま...続きを読む
  • 昏い水
    老人施設の調査研究を仕事にするフランチェスカ、とその息子で今はカナリア諸島に滞在中のクリストファーという二人の人物を軸にして、二人をめぐる家族、友人、知人が多彩に出入り、交錯する。短い章ごとに視点人物が入れ替わり、それぞれの視点で語られる挿話は、人物の内省やさりげない日常の断片であったり過去の回想で...続きを読む
  • エレホン
    大学のヴィクトリア文学の授業で登場したユートピア文学作品。nowhere(どこでもない場所)を逆から読んでerehwon(エレホン)という名称になっているのは面白いと思った。

    イギリスの有名なユートピア作品といえば、モアの『ユートピア』とスウィフトの『ガリバー旅行記』であり、その数百年後に書かれた...続きを読む
  • エレホン
    「人の目を気にした結果の国」という印象。人が人を干渉しきって監視をする現代(SNS)にも、きちんと繋がる糸がある。保守的である。

    一種の思考実験のようでもある。
    どの時代で読んでも、きっと、近い未来の話と捉えることが出来る本だ。それほど人間の芯は時代で跨ぐことの出来ない堂々巡りなのかもしれない。
    ...続きを読む
  • エレホン
    イギリス人が未開の土地を開拓している最中にエレホン国に迷い込んでしまう。表面的には良い感じの人々だったが、そこで生活するにあたって大きな違和感を感じてしまう、というあらすじ。「おとぎ話」なら抵抗ないのに「SF」ってなると急に難解に感じるが、それはもしかして作者の力量ゆえだったのだろうか?登場人物に血...続きを読む
  • エレホン
    エレホン国、美しい人々が暮らす国。
    ただ、価値観などが違う。
    何が罪になるのかも違ったりするが、そこの国民は満ち足りている。
    信じることは簡単だが、どんどん引き返せなくなる怖さを感じた。
  • 昏い水
    ちょっと波長が合わないというか、期待はずれだった。70歳のエネルギッシュな女性と、その周りの人々、それぞれの視点から書かれている。碾臼は共感できる部分は合ったけど。


    やっぱり生々しく、あからさますぎるんだな。自分語りのエゴの出方が自分は苦手だった。皮肉な感じも、スパイスとして素材の良さを引き立て...続きを読む