武藤浩史のレビュー一覧

  • エレホン

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    NOWHERE↔EREWHON。どこでもない場所をイメージされた題名なのだと思いますが、どこでもない場所の反対語はどこか特定の場所でもあり、その特定の場所として2021年現在の世界が重なりあうことに驚きます。そしてNOWHEREがユートピアさとしたら、その反対はディストピアであり、それは今の社会なのか…1872年出版の本が2020年に翻訳出版されたのは翻訳者の今、再び読まれるべき本としての熱い想いがあったからなのかもしれません。あとがき、ではなく解題、として翻訳者自ら補助線をひいて解き明かすシンギュラリティ、格差社会、宗教の位置づけ、子どもの教育、という現代的テーマの150年前の予言も、このタ

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    2021年01月17日
  • エレホン

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    未開の地を求めて探索を始めた青年が辿り着いた国家での体験記を描いた作品。国家の滅茶苦茶な論理ができる成り立ちを知った途端、戸惑いを隠せなかった。時代を超えた警告に我が身を正さざるを得なかった。

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    2020年11月13日
  • エレホン

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    ディストピア小説の源流とされる本の新訳版が出版されたので読んでみた。
    ものすごく興味深い本だった。

    1872年(明治5年)に書かれた本書は後の多くのユートピア、ディストピア小説の元となった。
    オルダス・ハクスリーは、自身のディストピア小説『すばらしい新世界』がこの『エレホン』の影響を受けていることを公式に認めているという。『すばらしき新世界』は 1932年に出版だ。
    ちなみにディストピア小説の傑作のひとつであるジョージ・オーウェルの『1984年』は1949年に刊行である。

    本書『エレホン』が出版された1872年といえば、この前年の1871年にドストエフスキーの5大傑作長編の一つ『悪霊』が出

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    2020年09月12日
  • エレホン

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    エレホンはどこにもない国。
    主人公は金儲けのために旅をする。
    現代社会とかけ離れたような価値観がつぎつぎにでてくるけど、比喩って考えれないこともない。
    発想がいろいろ考えさせられるSFなんかな?

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    2022年11月16日
  • エレホン

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    全く古さを感じさせない。翻訳は定期的にやり直すべきと改めて感じる。どこか藤子不二雄的な的なSF感があり面白い

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    2021年01月17日
  • エレホン

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    1872年に出版されたユートピア・ディストピア小説の新訳版です。
    イギリス植民地で羊飼いをする主人公は、文明社会に知られていないエレホン国を発見します。
    そこの常識は我々のそれと正反対で、病気は罰せられて犯罪は治療される世界でした。
    又、機械を極度に拒絶するのですが、それにはなかなか深い意味があります。
    人間は長い時間を掛けて進化してきましたが、機械の進歩・進化は驚異的な速度のために人間を瞬く間に超越して支配するようになると考えられているためなのでした。
    未知の病気が流行し感染者は白い目で見られ、AIが人間を凌駕することが現実味を帯びてきた現在、エレホンの思想は決して夢物語ではないように思える

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    2020年10月29日
  • 昏い水

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    老人施設の調査研究を仕事にするフランチェスカ、とその息子で今はカナリア諸島に滞在中のクリストファーという二人の人物を軸にして、二人をめぐる家族、友人、知人が多彩に出入り、交錯する。短い章ごとに視点人物が入れ替わり、それぞれの視点で語られる挿話は、人物の内省やさりげない日常の断片であったり過去の回想であったりと様々だが、ひとまずは老いを主題にしていると言っていいだろう。

    とうに七十の坂を越えながら、見知らぬ他人と何時間も一緒に過ごすのが苦痛という理由で、一人プジョーを駆ってイングランド中を駆け巡るフランが出会うのは、老人がその大半。迫りくる死期、弱りつつある身体能力、病からくる痛みと向き合いな

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    2018年04月24日
  • エレホン

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    大学のヴィクトリア文学の授業で登場したユートピア文学作品。nowhere(どこでもない場所)を逆から読んでerehwon(エレホン)という名称になっているのは面白いと思った。

    イギリスの有名なユートピア作品といえば、モアの『ユートピア』とスウィフトの『ガリバー旅行記』であり、その数百年後に書かれたのがこの『エレホン』である。エレホン人の価値観は確かに新しいのだが、若干の二番煎じ感はあった。

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    2023年09月12日
  • エレホン

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    「人の目を気にした結果の国」という印象。人が人を干渉しきって監視をする現代(SNS)にも、きちんと繋がる糸がある。保守的である。

    一種の思考実験のようでもある。
    どの時代で読んでも、きっと、近い未来の話と捉えることが出来る本だ。それほど人間の芯は時代で跨ぐことの出来ない堂々巡りなのかもしれない。

    1回の入国では理解できない部分が多かったので、また読みたい。次は旅行気分で。

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    2023年07月05日
  • エレホン

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    イギリス人が未開の土地を開拓している最中にエレホン国に迷い込んでしまう。表面的には良い感じの人々だったが、そこで生活するにあたって大きな違和感を感じてしまう、というあらすじ。「おとぎ話」なら抵抗ないのに「SF」ってなると急に難解に感じるが、それはもしかして作者の力量ゆえだったのだろうか?登場人物に血肉が通った印象を受けるとおとぎ話に感じる。失敗作がSF?この作品に関しては、ウルトラマンを見ている感覚になった。現代現実とは違う、しかしどこかで起こっているんだろうという、血肉感があった。

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    2022年12月24日
  • エレホン

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    エレホン国、美しい人々が暮らす国。
    ただ、価値観などが違う。
    何が罪になるのかも違ったりするが、そこの国民は満ち足りている。
    信じることは簡単だが、どんどん引き返せなくなる怖さを感じた。

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    2021年01月13日
  • 昏い水

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    ちょっと波長が合わないというか、期待はずれだった。70歳のエネルギッシュな女性と、その周りの人々、それぞれの視点から書かれている。碾臼は共感できる部分は合ったけど。


    やっぱり生々しく、あからさますぎるんだな。自分語りのエゴの出方が自分は苦手だった。皮肉な感じも、スパイスとして素材の良さを引き立ててる訳でもなく、自分には不愉快に感じた。

    結構疲れたなあ。トラブルを褒めないといけないような雰囲気があり非常にうっとおしいが、自分はこの本には惹かれなかった。

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    2018年09月15日