淀川長治のレビュー一覧

  • 私の映画の部屋

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    映画を見るより面白かった、は言いすぎか。
    関西で映画解説と言えば浜村氏ですが、彼は筋をほとんどすべて言ってしまう。淀川さんの場合、役者の経歴とか概要も話すんだけど、自分が感じた部分に熱心だから自然感心する。語りかける口調と呼び込む口調が渾然となってバランスもいい。
    話しかけられてるのに、聞いてもらってる気分になる。続編買います。

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    2010年04月27日
  • 私の映画教室

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    はい、みなさん今晩は。

    1行目からもう、淀川さんのあのやわらかな声で響いてきた。
    ちょっとした裏話、体験談から映画の見方まで、○○なんですね、○○なんですよ、とそばにいるかのように語りかけてくれる。
    ああ、あの映画もこの映画も気になってしょうがない。
    淀川さんが語ると、見ていないワンシーンワンシーンが脳内に広がってくるのだ。
    映画の語り部。――改めてこの方なしではありえないんじゃないかと思った。

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    2023年03月06日
  • 淀川長治映画ベスト10+α

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    ネタバレ

    p95
    「博士の異常な愛情」はドイツのモダン・ダンスであった。つづく一九六八年の「2001年宇宙の旅」はアメリカのモダン・バレエ。一九七一年の「時計じかけのオレンジ」はイギリスのモダン・バレエ。

    p107
     プリティ・ベビー
     これが当らなかったのでこれを輸入配給した罪もなきCICに私は半年間も口をきかなかった。これはCICの罪ではない。日本の映画ファン大衆の冷酷なる罪であった。

    p215
    蓮實『プラトーン』を見た時、映画もずいぶん馬鹿にされたもんだなと思いました。ジャーナリスティックな野心が見え見えで、まともな演出ができないんですね。



    プリティ・ベビーの論評は文章うますぎて読む者す

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    2023年02月11日
  • 私の映画の部屋

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    長年にわたり『日曜洋画劇場』の解説をつとめた著者が、ラジオで語った解説をまとめた本です。チャップリンやジェイムズ・ディーン、ゲイリー・クーパー、黒沢明などが、著者の温かみのある語り口で解説されています。

    たしか蓮實重彦だったと思うのですが、文学が衰退したのは映画における淀川長治のような存在がいなかったからだ、という趣旨のことを述べていた記憶があります。本書の解説は、「映画評論」である以上に「映画への案内」というべき内容で、肩ひじを張らずに読むことができて、映画の魅力を読者に伝えてくれているように感じました。

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    2019年05月09日