阿部直美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
もともと著者夫妻の「おべんとうの時間」のファンで、こちらのエッセイも素敵に違いないと思って手に取った。
幼少期〜おべんとうの連載が軌道に乗るまでの著者の半生が語られている。両親の話、留学の話、夫と娘の話、、どれも淡々と語られているけど、すごく刺激的で、なぜか心に刺さりまくった。そして、決して飾らず、すべて「いい話」にきてしまわない姿勢が、より私に感情移入させてくれた。読めてよかった。
・想像以上にアグレッシブな生き方で素敵だった。家庭環境や生い立ちを言い訳にせずに、留学に、転職に、今の仕事に…と自分の手でチャンスを掴みにいっているのがかっこいい。
・留学による収穫がなんと大きいことか、、そ -
Posted by ブクログ
「手作りは愛情」「お弁当箱には愛がつまっている」という安易でのんきな方向に行かないところが信頼できた。
自分の境遇や気持ちと似た部分が多くて(下で引用した部分はわたしの実感と全く同じ)、トラウマ再放送で読んでいて苦しかった。苦しいけどもなんだか泣けた。
"あの父と母のもとに生まれたから、今の私がいる。(p.230)"
といえるところにまでわたしはまだ到達できていないが、いろいろ経て年齢も重ねてだいぶ近づいてきている。これを読んでいろいろ思い出して、考えさせられて、また少し何かわかりそうな気がした。読めてよかった。
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Posted by ブクログ
ANA機内誌の人気連載「おべんとうの時間」
の著者です。
最近はお弁当ブームであり、関連本も花盛り
ですが、連載当初は全くマイナーな企画であ
ったそうです。
その著者自身が体験してきた「おべんとうの
時間」はさぞかし華やかで楽しいものであっ
たと思いきや、全く違うそうなのです。
米国留学時代のランチタイムも含めて、苦い
思い出しかないが故に、他人の「お弁当」に
対して真正面に向き合って、深く優しい目で
その背景を文章にすることができる理由が、
この本から読み取れます。
単なるエッセイではなく、一人の女性の波乱
万丈の人生が詰まった一冊です。 -
Posted by ブクログ
「おべんとうの時間」という連載は知らなかったけれど、サラメシは好きで、たまに観ている。
阿部直美さんの子供時代から現在までを詳細に綴ってあるのだけれど、子供時代について記した前半部分は読んでいるだけでつらくて、胸がぎゅーっと縮こまるような気分だった。
怒ると手がつけられず、家族にも周りにも怒鳴り散らす父親と、不満を抱えながらも父の言いなりで、かといって娘に寄り添ってくれることもない母親。
家庭内には、本来あるはずの安らぎがなく、絶えず重苦しい。そんな著者にとっては、お弁当の時間が何よりも苦痛で、家族の重苦しい気がそのまま詰まったような茶色い弁当が嫌で嫌でたまらない。
正直、阿部さんがよ -
Posted by ブクログ
ANA派なので何度も読んだことがある「おべんとうの時間」。
その連載を書いている著者の子供時代から現在に至るまでの軌跡が記されたエッセイ。
見映えのよくないお弁当を持たされ、それが恥ずかしくてたまらない上に、あまり好きではない自分の家庭環境を思い出さざるを得ない、そんなお弁当の時間が嫌いだった中学時代。
著者の根っこには、どんなに大人になっても、その時代のあらゆる記憶があって、家族と食卓、というものが自然と自身の人生のテーマみたいになっていたのだと思います。
とは言え、家族とはかくあるべき、とか家庭料理やお弁当はこうあるべき、とかそういうお説教じみた結論に帰するのではなく、
ただ淡々と -
Posted by ブクログ
エッセイ風ストーリーなので久々にサクッと読めた。
中学時代のおべんとうが、カレーだったり、鍋だったりと…つまりは昨晩の残りを詰め込んでいたという。
なんと、、衝撃的すぎる。
確かに余りものを詰めて…というのはたびたびあった。
全体的に茶色いおべんとうもあるあるな感じで気にもならずに食べていたが。
…というか中学時代は給食で高校時代のみおべんとうだったが。
それを超えて上をいくのには正直驚いた。
そしてこうと決めたら曲げない父親と言いなりの母親。
アメリカのファミリーに憧れて高校時代に留学するが、馴染めずお昼には一人になることも…。
ただ、タイトルが「おべんとうの時間がきらいだった」なの -
Posted by ブクログ
ネタバレ「茶色弁当」。みんな自分のお弁当は、そう思っていたんですね。私もそうでした。母に良く文句を言ったものです。
自分が母になり、お弁当というものは最も高度な料理ではないかと思うようになりました。手短かに作る必要があり、かつ栄養のバランスを考え、さらに数時間後に食べる、もっといえば食材同士が混ざって変な味にならない、という配慮が必要です。
それはそうと。
本書は、構成が素晴らしい。面白くできていると思いました。
自分の中学時の弁当→家族のこと→食事→米国留学時のホームステイ先→留学で変わった価値観→若い頃のフットワーク→結婚→新しい家族(ここから3つに分割)1)父の死、2)ヨウ 3)サトル君 -
Posted by ブクログ
「おべんとうの時間」は大好きなシリーズ。いろんな人の、特別ではないいつものお弁当から見えてくる「その人らしさ」にしみじみ胸を打たれる。阿部了氏の写真がいいのはもちろんだけど、私は直美さんの文章が本当に好きで、折に触れて読みたくなる。
その直美さんが、「おべんとう」というものにこんなに複雑な思いを抱いていたとは…。確かに、お弁当には家庭や家族のありようが如実に表れるもので、みんながみんな温かい思い出ばかりというわけにはいかないというのは、考えてみれば当たり前なのだった。家族との葛藤を抱えながら、書くことで自分の道を開いていく著者の姿は、一人の働く女性として胸に迫ってくるものがある。
一方夫の -
Posted by ブクログ
食を通して考える、家族、夫婦と子を語る、自伝的エッセイ。
I 父と母
おべんとうの時間 音の番人 『E.T.』のピザ
II アメリカの家族
トイレでかじるドーナツ ハーリー家のごはん
III 夫と娘
ニッポン チャチャチャ 家族巡業のはじまり 父の弁当
夫婦での作品「おべんとうの時間」の文を担当する、著者のエッセイ。
家族への葛藤の悩みを語り、家族とは何かを読者に問いかける。
中学生時代のお弁当と家族との葛藤。
高校生時代のアメリカ留学先でのランチと人間関係の悩み。
“弁当の人”との出会いと結婚で得た“料理は心”と食べることの
楽しみ。“弁当を食べる人”撮影に揺れる