花田一三六のレビュー一覧

  • 戦塵外史 五 戦士の法

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    剣術指南の家の娘が、両親を殺されて、引継ぎ任務の旅に出て、雇った用心棒と旅の間に絆を育むというお話。

    シチュエーション的にも、キャラクター的にも、おおよそどこかでは見たようなお話。とはいえ、メインキャラ3人で、一人が全くしゃべらないというのは、少し新しいところか。
    無言の行を自ら課しているわけでもなさそうだし、頭目時代はいったいどうしていたのだろうか、とかは思うところだ。
    文章もそれほど上手ではない。体言止めを多用するが、スピード感が出ているかというと微妙なところで、もうすこしレトリックを使えた方が、殺陣の流れの良さは出せる気がする。

    それでも読み終わってみると結構楽しめているというのは、

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    2010年08月14日
  • 曙光の誓い

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     少年主人公の冒険譚。
     突然の父との別れ、曙光に交わされた約束。少年は父との約束を守るために”笑う”。
     自分が原因で兄を亡くしてしまった遊牧民の少女。笑えなくなった少女は少年に問う、「どうして笑っていられるの───?」

     (;Д;)

     境遇は違えど、同じように肉親を亡くした少年と少女の違いに心が揺さぶられます。そして少年と旅を続けるにつれ、目に見えて元気になっていく少女が大変愛らしい。え、最後はこの二人くっつくんだよね?そうだよね?後日譚はどこで読めますかー!?アンソロジー買うしかないのですかー!!?
     +忘れちゃいけないのが、少年が”入隊”することになる馬賊。くっ、イイ男を書かせたら

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    2010年06月23日
  • 黎明の双星3

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    最終巻。この話はね~、なんとも言えないよホント。
    切ない。自分の命を賭して世の中を変えようとしり若者。とも言えるし、無謀な若者達の反乱とも取れるし・・・。
    最終的に納得いかなかったのはリィーンが最後に暴力に訴えたことかな~。青年シャムロックのときには非暴力を謳っていたのにさ。
    結局そうなんかい。というか・・・。そうするしか方法がなかったのか・・・。とにもかくにもこれは「教会派」が自由を手にする話ではなく、それまでに言い方は悪いけど捨て駒になった人たちのお話って感じでした。そういう意味でやるせなく、切ない。
    そんなある歴史書を垣間見るような小説ですね。

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    2010年04月29日
  • 黎明の双星2

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    2巻。全盛期から活動が下火になるまでのお話。
    まさに青年期の頃。リィーンは教師になり、ダグラスは税理士になり結婚。そんな中リィーンを慕う小作人も多く、いつしか反政府活動の旗印に。同盟とは違って非暴力で、現在の法律を逆手にとって戦う手法を取る。次第に増えていく支援者たち。
    しかしリィーンの不貞を新聞に報じられたことによって風向きが変わり・・・
    その場で歴史書を書いたもの・・・のような本です。普通の小説を読んでるのとはちょっと違った趣があります。
    そして元ネタはアイルランドの史実のようです。

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    2010年04月28日
  • 黎明の双星1

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    文体が歴史書のような・・・なんて言ったらいいのかわかんないけど、俯瞰で書かれてる感じです。なので慣れるまでは小説読んでる感じがちょっとしなかったんだけど、そのうち気にならなくなりました。
    お話は宗教と政治が絡み合ってて、聖典派と教会派の歴史。みたいな感じ。その中で違う宗派の中でも友情が芽生えたり・・・というお話。おそらくこれからメイン二人が歴史を変えていくというトコロなんだと思うんだけど~~~
    特別に面白い!!という感じではなく淡々としていると思います。ちょっと小難しいようにも感じるけれど、先が気になるお話。

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    2010年04月26日
  • ホラーセレクション 暗闇

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    農家を営む主人公が手がけることになったある仕事【闇仕事】、築き上げてきたエリートの経歴は、その「指」のなせるものだった【ブラインドタッチ】、近江安土城城下の村、家族等二十余名を斬殺した男。信長がその男の口から聞いた話とは【戦場にて】など、“闇”をテーマとした短編7編と、監修者と井上雅彦氏(作品でも参加)の対談を収録したアンソロジー。

    正直「異形コレ」の二番煎じという感がしなくもないが、そちらの監修者が参加し、しかも対談までやっているんだから、ある意味じゃシリーズの一環と言えなくもないか……。作品自体はなかなか楽しめるし、水準も高いと思う。

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    2010年04月14日
  • 曙光の誓い

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    結構めずらしい舞台設定ではないかと。戦時中のモンゴルだし。
    お話は遺跡関連だし。
    父に呼ばれてやってきたモンゴル。しかしそこで父はある者に殺され、「珠」を勝太郎に託した。父が世話になった遊牧民のゲルまで辿り着いた勝太郎は娘のサランと軍までそれを届けに行くが、どうやらその軍も味方ではないようで・・・。
    そんなとき出会った遊牧民の一派と旅を共にすることに。
    基本少年少女の成長物語的な感じかなぁ~。自分的にはそんなにツボではなかったけど・・・。竜とかそういうのが出てくる系のお話です。

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    2010年04月11日
  • 創世の契約1 龍族

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    初めてこの方の本を読みましたが、思いがけず面白かったかも。
    短編連作風で、最初はマルセルが主人公かと思いきやどんどん話が転がって行って新聞記者の彼にスポットがあたりましたね。
    主人公としてどうか・・・というとちょっとキャラ立たなすぎな気もしますが。
    人族、龍族、鳥族、猫族、犬族の暮らす世界のお話。とはいえまぁ普通の人間のお話にも置き換えられるようなところはあるけど。
    神秘的な龍族の本質・目的が何なのか・・・?というところで先が気になる展開です。

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    2010年04月08日
  • 創世の契約4 巡歴者ゲイザーシャフト

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    シリーズ第4弾『巡礼者:ゲイザーシャフト』。

    人族と混血の国を認め、宗教的に改革を行おうとした教皇が龍族のたくらみ(?)で暗殺され、傭兵王が夢見た新しい国も短期間で潰えた。
    ベルネ=レスティは暗殺された教皇の聖騎士団団長とともに、龍族の元へ新たな旅に出る。

    猫らしくない元・騎士団長ブロンデルさん(←さん付けしたくなる人)のキャラが良い!隻腕&ストイックな男前(猫顔ですが)
    それから犬・鳥…と旅の道連れが増えていき、懐かしい再会が2度も!!1巻読み直さなきゃ思い出せない人だよ、アレ。
    異色・桃太郎一行を付けねらう黒い一団の正体も判明!
    断章でだけ登場の傭兵王ライゲンベックは次巻で

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    2009年10月04日
  • 創世の契約3 傭兵王

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    シリーズ第3弾。

    念願の人族と混血の「国」の誕生に人々は沸いた。しかし傭兵王を称える歓呼の叫びが響く中、ライゲンベックが凶弾に倒れる。そして教皇もまた——。陰謀の背後に「調停者」たる龍族が?

    犬、猫、鳥、そして龍が世界の中心で、人間や人と別種族の混血は蔑まれる存在であるという世界。
    相変わらず短編で進行していき、副主人公とも言える存在はころころ変わるが、本当に話の進め方、背景の書き方が上手な作家さんです。
    先の想像がつきません。

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    2009年10月04日