カール・ポラニーのレビュー一覧

  • [新訳]大転換―市場社会の形成と崩壊
    経済人類学の始祖カール・ポランニーの名前を知ったのは25年以上前、栗本慎一郎を通じてだが、その代表作である本書を読んだのはつい数年前のことである。労働、土地、貨幣という本来商品化に馴染まない生産要素の商品化が社会の存立基盤を掘り崩し、社会の自己防衛としての対抗運動を生み出す。それがファシズム、社会主...続きを読む
  • [新訳]大転換―市場社会の形成と崩壊
    歴史的名著だが、難しいです。
    でもなかなか面白い。19世紀の長い平和から一気に対立と混迷を深めていく20世紀以降の世界についての考察が明快で引きこまれる。
  • [新訳]大転換―市場社会の形成と崩壊
    星5つでも足りない、歴史的な名著。
    19世紀100年の平和がなぜ破られ、2つの破滅的な世界大戦が起きたのか。
    それはふたつの大転換によるのだとポランニーは言う。
    ひとつは産業革命と資本主義の運動により、これまで社会の中に埋め込まれてあくまで社会活動の一部であった経済が自立化し、本来商品として存在して...続きを読む
  • [新訳]大転換―市場社会の形成と崩壊
    歴史的名著をようやく読み終わった。経済社会をとらえる視点が斬新かつ明晰で、現代文明を批判する視点は極めて貴重である。
  • [新訳]大転換―市場社会の形成と崩壊
    院生時代から積読本。やっと読んだ。
    市場と国家の関係について深い洞察がされている。
    また読みたい(∵難解だったので…)。
  • [新訳]大転換―市場社会の形成と崩壊
    大転換は、経済の大転換、経済学の大転換、環境問題の大転換のさまざまな意味がある。
    ポランニーは、社会経済学の先駆けで、玉野井芳郎が取り上げてきた。

    槌田敦の資源経済学とともに、エントロピー学会の理論的な源泉の一つ。
  • [新訳]大転換―市場社会の形成と崩壊
    現代資本主義がどのように生まれてきたかを述べる、ポラニーの大著。
    A・スミスなど古典派は、「人間には交換性向がある」としたが、ポラニーは未開人の「互酬・再配分・家政」などの文化から、人間の交換性向は、後付に依るものだと結論づける。

    ポラニーはマルクスの唯物史観を一定程度評価しているようだが、マ...続きを読む
  • [新訳]大転換―市場社会の形成と崩壊
    本書は、「19世紀に全盛となった市場経済というひとつの特殊な経済システムのもつ社会的な意味をあきらかにすること」(マッキーバー) にある。その結論は、近代の市場経済的資本主義は、人間の本源的要素である土地・労働・貨幣を商品にすることによって、市場に従属させた。それは、人間関係を解体し、自然を破滅させ...続きを読む
  • [新訳]大転換―市場社会の形成と崩壊
    新訳、ですって。はたして、それに価値があるものなのかどうか?栗本慎一郎にそそのかされて、経済人類学なるものに手を染めたのは、若気の至りというのは、少し言い過ぎかもしれませんが、結局は経済学なんて無能で、何の役にも立たないんだと諦観してしまったのは、あまりにも性急だったかもしれません。マルクス主義経済...続きを読む
  • [新訳]大転換―市場社会の形成と崩壊



    東洋経済新報社 カールポラニー 「 大転換 」

    自由主義経済(市場主義経済)を批判した国際経済学の本。訳者の解説や註解も充実しているが、かなり重厚な本

    自由主義経済により、人間が市場により処理され、環境が破壊され、貨幣不足から企業が清算し、人間と社会が破壊されるという論調


    自由主義経済...続きを読む
  • [新訳]大転換―市場社会の形成と崩壊
    本書は近現代に至るまでの自由市場を批評した政治経済学本である(但し、ここで言う政治経済学は、経済学の中の一分野である政治経済学ではなく、政治と経済を論じる学問という意味での政治経済学である)。たくさんの歴史的な実証から、筆者は自由市場というものを批判している。
    結構知らない事だらけだったので概ね楽し...続きを読む
  • [新訳]大転換―市場社会の形成と崩壊
    この時期読み返してみました。

    本書は、19世紀文明(自己調整的市場を母体にバランス・オブ・パワー・システム、国際金本位制、自由主義国家)の誕生とその興隆、そして20世紀前半におけるその滅亡の物語です。
    ボリューム/お値段とも半端では有りませんが、内容は「目からウロコ」、編集は「良」です。

    【「目...続きを読む
  • [新訳]大転換―市場社会の形成と崩壊
    グローバル化とともに拡大する自由。しかし、自由の拡大に見合うだけの幸福感を手に入れているか。実感としてはいつも余裕なく急き立。てられ、人と人の関係もぱさぱさな殺伐とした味気ないものになりつつある。

    カールポラニーは、共同体の牧歌的結びつきを解体していく市場経済を「悪魔のひき臼」(イギリス詩人ウィリ...続きを読む
  • [新訳]大転換―市場社会の形成と崩壊
    ●未読
    「週刊東洋経済2009.07.25号」ブックレビューで紹介

    市場は社会に何をしたのか?
    自己調整的市場のユートピア性と破壊性を文明史的に解き明かした政治経済学のモニュメント!
    待望の新訳完成。