野々村馨のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
デザイン事務所でのサラリーマン勤務に倦んだ著者は30歳にして出家を決意。両親・恋人に別れを告げ、単身、永平寺の門を叩く。
道元の思想に基づいて、食器の上げ下げまでも厳しく定められたルールのもとでの一年間の生活。精神の淀みを払い落としていく著者。
◯ようするに道元の示す修業とは、超能力や特殊な瞑想でもなく、また難行や苦行でもなく、日々の行いそのものの中に見出されるものなのである。そして、目的と手段を二分しない。悟るための修行ではなく、そのひたすら修業していく姿が
すなわち悟りだと考えた。したがってそれは何者かに委ねるものではなく、自分自身の心と体で成し遂げなくてはならないのである。 -
Posted by ブクログ
永平寺に行くにあたって読みました。
だいぶ昔にNHKのドキュメンタリーを見たし、岡野玲子さんの「ファンシィダンス」を読んで映画も見ていたので、内容的に「全く知らなかった!」という感じではないのですが、実際の修行者の目から見た手記は興味深く、実際永平寺でもすべてを感慨深く拝見できました。この本を読んで行くと雲水の新到と古参の区別がつきます(笑)
とはいえ、読み物としては不満も残りました。
本人の失敗談が少なく、永平寺に対して少し批判的になったかと思うと「それはでも意味のあることで」的なフォローが入り、お世話になった方への遠慮があったりするのだろうと思いますが、何となく「いい子ちゃん」な印象がぬぐ