廣瀬涼のレビュー一覧
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「タイパ」=時間の効率化、と聞けば誰でも思い当たる事柄はあると思います。
そもそも家電などは主婦の手間をいかに省くかを主眼に置かれています。
「近道」だって、ある意味タイパでしょう。
それが今、新書の主題になるほど若者の「タイパ」的姿勢が問題視されていますが、本当にそんなに問題な事柄なのでしょうか。上記の例のように誰でも
タイパに無関心ではいられないはずです。
しかし問題視されている要因の一つとして「ファスト映画」を観る人たちの存在が大きいと思われます。
映画を早送りして、ざっくりとした粗筋と「それを観た」という優越感だけの「承認欲求人」に対する批判が前提にあるが故の反応と思われます -
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コスパの中にタイパがあるのはなんとなくわかるし、全て良かったらそれがいい、ならオタ活にコスパとタイパは求めたいですか?
レジーの「ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち」と稲田豊史「映画を早送りで観る人たち」からも学ぶタイパについてをまとめた新書。前作2つのエッセンスも交えながら消費者の求めタイパについてを言及した本作はまさにタイパが良いものと言えるのでしょう。
ただ消費者像を見る限り皆が受動的な価値を欲しているあまり能動的に価値を見出す能力に欠けていると感じました。
前作2つも読みましたが、やはりそこからも学ぶのは受動的に消費したい、つまり「頑張りたくない」がやはり根底にあるんだなと感じ -
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『タイパの経済学』
時間効率の経済学。コスパとの違いを理解し、ビジネスに活かす。
【購読動機】
タイパ。タイムパフォーマンスの略称です。わたくしは、タイパを「言語」として使う頻度は少ないです。しかしながら、日常生活を送るうえで、タイパを意識することがあります。わたくしは、どんなときにタイパをしているのでしょうか?まったく考えたことがなかった領域の疑問です。
【本書の読みどころ】
著者は大学で教鞭もとっています。その著者が執筆した目的は、バズワード化している「タイパ」という言葉を定義することです。また、なぜ消費者がタイパを意識するのか?の行動、心理を読み解くということです。
このことに -
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オタクという言葉がネガティブな呼称ではなくなったことは知っていたが、今ではオタクになりたい、それも手っ取り早くなりたい。しかもオタクというものが自分の存在証明(レゾンデートル)ではなく、タグのように付け外しができるものになっているという。今まで考えたこともない現象を言語化したこの本から、学ぶことは多かった。
他人の投稿は、消費に対する疑似体験としての側面を持つ→自分で消費する必要があるか、、、と検討する過程もZ世代の消費行動の一環 p.80
投稿しない=消費がない→他人を意識して消費がなされるという文化が深く根付いている
·コンテンツは鑑賞ではなく消費
·感情が揺さぶられること自体スト -
Posted by ブクログ
ファスト映画などに見られるタイパという概念について、行動経済学の観点から紐解いた本。
現代消費社会における「必要不可欠ではない消費」は、「外部刺激を受けて必要に駆られる消費」と「消費した使用価値によって精神的充足につながる消費」があるとしたうえで、前者でタイプが追求される傾向にあると背景含め説明されている。筆者も触れている通り、最近では後者にあたるような、自身の唯一無二の価値である精神的充足につながる消費や、大切な人との消費、大事なライフイベントなどもタイパ志向になりがちであり、自身の消費行動の真の目的を見失わないことが大事だと改めて考えさせられる。 -
Posted by ブクログ
タイパ主義現象の分析がほとんどだが、中でも著者が特に強調している「手っ取り早く何者かになりたい」というの根本的な理由であるという主張には、目から鱗であり納得感も強い。
手にすることのできる情報が増え、オンラインで世界中と繋がれる社会では、常にライバルが無数にいる。
そして皆があらゆる形で、自分を売り出している。
そんな中で、自身を埋没させず、認知してもらったり、頭角を表そうとすると、修羅の道の先にあるナンバーワンを目指すか、限りなく狭いニッチなオンリーワンかを目指すことになる。
自分が一体何に向いているのか。
自分は何に熱中できるのか。
試食を繰り返して、その自分探しにも似た発見を胸に -
Posted by ブクログ
他の方の感想にもあるが経済学ではなく、筆者の専門分野である社会学や文化論といった類の本であり「経済について知りたい!」とタイトルだけ見て購入すると失敗するだろう。自分もZ世代ではあるが小学生の頃から深夜アニメを見るようなヲタクであり、周りから負のレッテルを貼られ親からも既に当時しっかりとしたアニメやボカロ文化などのヲタクではあったげ「アニメヲタクにはならんといて」と言われることもあった。それがインターネットやスマホの普及により多くの人が『オタ活』『推し活』と呼ばれるものを始めオタクがレッテルからラベル化したという表現がしっくり来た。ヲタクは古からのアニメヲタクなどを表し、昨今の流行りをオタクと