藤井清孝のレビュー一覧
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外資系日本法人社長を歴任した日本人による日本人への提言。キーワードは「正解への呪縛」からの解放。日本人は、正解にいかに早くたどりつくかについて義務教育で教え込まれる。ゆえに、正解が分かる時(例えば、高度経済成長期)には力を発揮できるが、選択肢のどれもがメリデメを抱えているような時は判断ができない。正解への固執から判断することすらしない。この思考の弊害が最も出ているのが、日本人の英語能力で、英語など習うより慣れよなのに、日本人は間違いを恐れ、能力向上の機会を逃している。
何事も正確に、時間通りに行う能力については日本人は世界一であるが、それを上手く生かすための判断をし、リードする能力を有した日本 -
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◆概要
東大法学部から、三菱商事の内定をとりながらも当時日本では無名のコンサルティング会社マッキンゼーに飛び込んだ著者。その後ハーバード大学でMBAを取得し、様々な会社で社長として活躍。この本では、世界中の一流のビジネスパーソンに接する中で、見えてきた日本人の課題、日本人が今後進むべき方向性を明確に記しています。
◆仕事に活かせる点
・新しいことを素早く学ぶ勉強法(第4章より)
以下の4点を押さえることで、著者は様々な会社の社長として半年で、業界・会社のことを深く理解していたようです。
●「コンテキスト」
→物事の背景
●「ドライバー」
→牽引車(物事の流れを根本的に支えたり、変えてい -
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東大法学部卒マッキンゼー入社、ハーバードMBA、ウォール街、SAPジャパン社長、ルイ・ヴィトン・ジャパン社長、という輝かしい経歴の著者が語る自伝と、日本と世界、です。
1章から6章までが自身の経歴をほぼ時系列で振り返る形になっています。マッキンゼーに入社を決めるくだりから他の人と違ってます。自分の学生時代や入社後の新米社員時代のことを振り返って、その発想の違いに甘かったと後悔。現在において過去の自分を位置付けるというところで多少の脚色はあるのかもしれませんが、考えと行動は立派です。
7章以降は少し色合いが変わって、日本人が最近世界で成功できていないということについて語っています。さんざ -
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東大卒、マッキンゼー、ハーバードMBAの経歴は否が応でも、エリートの自慢話といった穿った見方をされてしまうであろう。実際、キャリアに関する最初の章は、本人は意図していないかもしれないが、そのように感じてしまう。しかし、やはりというか、華麗なキャリアの中で確固たる実績を積んできている著者である。読み進むにつれて、彼の経験談や知見の奥深さに感銘を受けるのである。日本人として、グローバルな環境でどう戦っていけばよいのかといったトピックは大いに参考になる。
メモ
- ミシュランのガイドは決して答えを提示しているのではなく、あくまでも意見である。それを、あそこが入っていないなどと批判する日本人は論点が -
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ネタバレ・新しいことを学ぶ勉強法
「コンテキスト」=物語の背景、大きな流れを理解する。
「ドライバー」=牽引車、SAPのビジネスでは「業務標準化」「全体最適」
「トライアンギュレート」=三角観測する。ある意見に賛成、反対、中立の立場で事象を立体的に捉える。
「トレードオフ」=「トレードオフ」になっているポイントを早く分析する力は重要、日本の教育はトレードオフの概念を重視せず、一つの正解ばかりつめこもうとするので、トレードオフ点を見極めるバランス感覚はおろそかになる。
・問題自体を定義し、リスクを恐れない骨太な人材育成が急務。
・「個別解」の発見こそが教育の真の目的
・日本は八百万の神の国であり、 -
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ネタバレ◎勉強法
コンテキスト -物事の背景
ドライバー -物事の流れを根本的に支えたり変えている力
トライアンギュレート -三角推量で事象を立体的に捉える
トレードオフ -誰が見ても優位な選択肢が存在するときは、意思決定者は不要。
◎名古屋化する日本
近年世界のGDPに占める日本の割合は、10%。国内では名古屋に値する。
名古屋は大きすぎも小さすぎもなく、「こじんまりまとまった市場」と見られ、中にいる人たちにとっては居心地のよい市場だが、東京・大阪間の出張では素通りされてしまう。
世界の中の日本の位置づけに似ており、面白くない市場に成り下がっている。
◎日本人の持つガバナンス変化へのアレル -
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米MBA、ウォール街、シリコンバレー、外資日本法人を歴任した著者が、海外での日本人のプレゼンス低下に対する問題意識を記す。
【あらすじ】
1~7章
筆者のマッキンゼー、ハーバードMBA、ファーストボストン、ケイデンス、SAP、ルイヴィトンでの出来事について。
8~9章
日本人の世界でのプレゼンス低下に関する問題意識、その解決の道筋について。
【感想】
様々な視点から日本という国をみてきた著者の持つ問題意識を共有できたことは、海外でのキャリアを志向する自分にとって非常に有益だった。
重要だと思ったこと、同意したことは下記。
・「グローバルマインド」とは、魔法の杖のような「正解」を求める