人類が居住可能な惑星を探して入植していく未来が舞台。
とある氷の惑星に降り立った200人ほどのグループのなか、死を伴う危険な作業を専門に行う“使い捨て人間(エクスペンタブル)“と呼ばれるミッキーが主人公。
エクスペンダブルは、いわゆるクローン人間で、もし死んでしまったら直前のバックアップから同じ記憶
...続きを読むをもった人間が再生される。
ミッキーは、過去6回死んで7人目のミッキー7。
いつもと同様に危険な業務に就き、氷の惑星に住む巨大ムカデに殺されてしまったと思われ、基地では新しい“ミッキー8”が生み出されたのだが、実はミッキー7は死なずに命からがら基地に戻る。
自分の部屋に戻ったミッキー7がミッキー8に出会い困惑。このことが周りにばれたら二人とも処分されてしまうということで、ミッキーが2人いるということがばれないように行動していくが・・・ということから始まり、物語は徐々に大きくなり最後は先住生物である巨大ムカデとの対峙に至る。
最近読んでいるものと同様設定はわかりやすく、宇宙モノのSF冒険譚として楽しめた。
ある人間が死んで、直前の記憶をもった人間が再生されたら、それは同じ人間と言えるのか。それが同時に2人存在してしまったらそれらは同じ人間なのか。
SFにはありがちだけども、この手の哲学的な問いをわくわくする物語の中にうまく埋め込んでいる。
映画化が進んでいるようだけれども、確かに映像向きの物語。公開されたらきっと観に行くなー。
というわけで万人にお勧めできるSF。