著者は元マッキンゼーでSWIFTのCEOも努めたゴットフリート・レイブラント氏と、ジャーナリストのナターシャ・デ・テラン氏。
詳しくない分野ですが、たまには、と思って読んでみました。
感想。重厚感あり。一つ一つしっかり解説してくれています。帯の通り「世界を動かすお金の裏側」「支払の歴史・仕組・
...続きを読む未来」に400ページほど。
特に、
①便利な決済方法を消費者側は無料で使えていると思っているかもしれないけど、巡り巡って商品価格に転嫁されて、しっかり負担してるよという指摘や、
②クレジットカードビジネスの奥深さ、
は面白かったです。
文量多くてだいぶ読み飛ばしました。
備忘録。
・決済とは「負債を免除する方法」。
・リスク、流動性、慣習。この3つが決済を取り巻く状況に大いに影響する。
・決済は国や文化によって大きな違いがある。例えば買い物全体に占める現金の割合は、スウェーデンは13%、アルバニアは96%とか。米国では小切手がいまだに使われるとか。
クレジットカードについて。
・当たり前だけど驚き、クレジットカードのサイズは世界共通。しかも、キャッシュカードやデビットカードも。
・手数料がどこで発生しているかの4コーナーモデルはわかりやすい。
・カード決済は遠隔決済と高相性。そのぶん、詐欺や不正のリスクがつきまとう。
・「単一通貨ユーロ経済圏」と言いつつも、それを実現してるのはVISAや MasterCardといった米国企業のカード決済が席巻している。中国はアリペイやウィーチャットペイなどのQR決済。
・APIを使うことで決済に革命が起きた。
・アメリカでは「決済は手数料がかかるもの」、欧州では「決済は公共事業で無料で然るべき」と考えられている。欧州では、実際に手数料無料の決済が主流だが、何らかの形で、しっかりビジネスにされている。
・フィンテックは、なぜいまだに銀行を廃業に追い込んでいないのか。①まだ始まったばかり、②新興勢は低い手数料による差別化から入ることぎ多いが、銀行よりコストが低いからそれご出来るとしても、薄利過ぎているケースが多い、③銀行のスイッチングコストは高い(「人は銀行より配偶を帰ることの方が多い」ということわざあり)。
・銀行を脅かし始めているのはむしろクレジットカード会社では。と著者。
・クレジットカードによる支払や借入リスクの研究はたくさんあり、知らず知らずに借金を増やしてしまう人を守るように政府や規制当局は動いている。最近ではカード融資に変わって「今買ってあとで払うBNPL」を提供し始めた企業が増えてきた。クラーナわ、クリアペイ、レイバイなど