大久保彩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
決済に関する見識を広げることができる。
朧げながら決済の世界の広さ、深さ、複雑さが垣間見え、その過程でいろいろな気づきがあった。
・ビットコインは世界の通貨になり得ない。なぜなら世界に通用する決済が直面する「善悪に基づいた締め出し」にビットコインは無力だから。
・決済の世界が対峙する課題は大きく分けて二つではなかろうか。
一つはマネロン、賄賂、租税回避といった善悪の悪を懲らしめる(決済させない、してもバレる )こと。
もう一つは決済金額、決済スピード、決済頻度、地理的スケールの拡大という難題を叶えながら決済システムの靱性、回復力をも含めて安定させること。
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・ビットコインのよ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ著者は元マッキンゼーでSWIFTのCEOも努めたゴットフリート・レイブラント氏と、ジャーナリストのナターシャ・デ・テラン氏。
詳しくない分野ですが、たまには、と思って読んでみました。
感想。重厚感あり。一つ一つしっかり解説してくれています。帯の通り「世界を動かすお金の裏側」「支払の歴史・仕組・未来」に400ページほど。
特に、
①便利な決済方法を消費者側は無料で使えていると思っているかもしれないけど、巡り巡って商品価格に転嫁されて、しっかり負担してるよという指摘や、
②クレジットカードビジネスの奥深さ、
は面白かったです。
文量多くてだいぶ読み飛ばしました。
備忘録。
・決済と -
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Posted by ブクログ
日々行われている決済の裏側は壮大な世界と様々な思惑があることがわかった。
仕事で海外送金することがあるのでSWIFTの成立ちや信用状の面倒さは納得。
支払方法は国ごとに好みが異なることは興味深い。
そもそも決済とは、
負債を免除する方法。
決済の特性は、
リスク、流動性、慣習により影響を受ける。
非接触型、無摩擦決済は支払の心理的ハードルを下げるもしくは無くしてしまう。
決済の意味するもの、
現金という現物からデータへ移行することで勝者総取りの可能性がでてきた。
決済データ、技術は安全保障上武器にもなる。
決済方法の進化を見ると決済データが巨大テック企業に一極集中することは危うい。
他 -
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強烈な内容量を持った本である。貨幣の起源に始まり、1950年代アメリカに始まる決済方法変遷の歴史とその仕組み、国ごとの決済習慣とそれらをネットワークする国際決済の仕組み、デジタル通貨をめぐる巨大テック企業や中央銀行の野望…あまりにトピックが豊富すぎて、一度で全てを消化するのが難しい。一番効率の良いのは、日常で疑問が生じた都度、当該部分を参照するという読み方になろうが、索引がついていないのと、書き振りが冗長なので辞書的な使用がしにくいのが残念。
ともあれ本書を読むにつけ感じるのは「国家のような権力主体が決済システム(≒通貨、金融)を成立させるのではなく、決済システムこそがそれを持つ主体に権 -
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決済市場は二百ヵ国以上で2.5万の銀行が携わるが、国際取引は15の銀行だという。
「決済とは法律上負債を免除する方法」
冒頭の定義紹介で、まず止まる。自分のペースで言葉を噛み締め、物理的にその文章を行ったり来たり。それこそ読書の醍醐味。そんな感情を改めて感じながら、よくよく考える。
なるほど、お金は負債。商品やサービスの対価であり、お金を持つ事で他者の労力を購入する権利を持つのだから。で、先に商品やサービスを受ければ負債が生じるが、お金を払い決済される事で債務は免除されると。で、いつもの癖で思考を広げる。この負債の免除という考えは面白い。お金とは、労働の負債。今あるお金は全て「負債貨幣」で -
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Posted by ブクログ
ネタバレ決済とは、法律上の表現によると「負債を免除する方法」ということになる。それは基本的にリスキーで、誰かがお金や商品を受け取れないかもしれないというリスクをはらんでおり、それ故、手数料は正当化される。
我々の身近にあるものとしてはクレジットカードで、日本と米国では若干事情が異なっているのだろうけど、4コーナーモデルというものが買いせるされる。
クレジットカードの利点は決済の痛みを軽減することである。実験によるとクレジットカードで1ドルを支払う心理的コストは50セントに過ぎない。
ウーバーのアプリはさらにすごくてタクシーを降りた瞬間に支払いが完了している。このようにフィンテックにはフィンテックの -
Posted by ブクログ
決済ビジネスのテクノロジー方面の今後を知りたかったのだけど、読んでみてわかったのは、結局、決済テクノロジーとは、銀行やカード会社がやってたことをデジタルで早く即時にグローバルにやってるだけ(とはいえ、取引処理やクラウドなど技術の発展あってこそだろうけど)で、ビジネス自体は規制のあるなしとネットワーク効果が重要ってことくらいなんだな。現金がなくなることも、多分、当面はない。あと、暗号通貨のテクノロジーも多分いらない。
ヨーロッパはクレジットカードの手数料が規制があって安いというのもへーという感じ。
「決済が武器になるとき 金融制裁と地政学」の章がおもしろかった。国際貿易でも世界の準備通貨とし -
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Posted by ブクログ
決済ってのは要はどういう商売なのよっていう主に銀行を中心とした話とか、種類とか、歴史とか、犯罪とか、もろもろまつわる話を詰め込んだ本という印象。
SwiftとかB2Bの話はあんまり興味持てなかったけど、クレジットカード、デビットカード、QR決済、現金決済、電子マネーとかのリテールの話は少し興味を持った。一見手数料がかかってないように見えても、どこかで手数料が発生して決済というビジネスは成り立っているのだということを意識してみるとよいのかも。
クレジットカードは加盟店手数料取るうえに、入会金・年会費取るとかなかなかなやつなんだなと認識を新たにした。