金坂清則のレビュー一覧

  • 完訳 日本奥地紀行 1

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    約150年ほど前、開国してまもない日本の、しかも内地を旅したイザベラ・バードの手記。

    とっても面白かった。内容は妹ヘンリエッタへの手紙の形式を取っているので、堅苦しすぎずエッセイ感覚で読める。それでいて、終始鋭い観察と考察、詳細な描写で書き出されているので、約150年前の日本の風景がありありと目の前に浮かぶ。英国人であるイザベラ・バードの視点は現代人の私たちに近いところがあって、旅の中で抱いた感情にも共感でき追体験できる。
    旅の中で見た日本のあれこれについて褒めることもあればかなり辛辣に書いているところもあり、その正直な感じにも好感が持てた。現代の感覚からするとちょっと上から目線に感じる所も

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    2022年04月24日
  • 完訳 日本奥地紀行 2

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    明治時代の日本人の生活・文化がよく分かる。描写が実に具体的で面白い。1巻と比べて比較文化的な記述も増え深みがましてきたような気がする。

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    2025年05月26日
  • 完訳 日本奥地紀行 2

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    先日、秋田全地域を1週間かけて廻り、得た感想は「日本昔ばなしの世界」ということ。言い過ぎかとも思うが、どうしてもその思いは離れず、であれば、本当の昔はどうだったんだろうと思い、以前挫折したイザベラバードの日本奥地紀行の東北エリア版を読んでみた。1800年代の東北地方について、細かく、風景、風俗、風習を若干の差別意識とそれ以上の感動を元に北海道に渡るまでを書き留めている。リアリティのある描写は目の前にバードが見ている景色を想像させ、当時の苦難の道のりを一緒に旅している気分にさせるいい本。肝心の秋田は意外に都会であった部分もあり驚く。このままの勢いで北海道編も読破したい。それにしてもあまりに過酷な

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    2018年05月31日
  • 完訳 日本奥地紀行 2

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    注釈をきちんとひろって読むのも結構重要かも。
    初読の時は、単に地域格差が大きいという印象で終わっていたが
    戊辰戦争で痛めつけられた土地で回復していない場所もあったんだ
    と今回気付いた。
    あと、今でも田舎ではありがちなんだけど、既に居住していない人の
    名前も表札に残っている場合がある事。
    これ表面だけみてると凄い大家族のように見えるんだよね(苦笑)
    この本だけでも面白いけど、関連書も読むとまた違った風景が見えてくる。

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    2014年01月04日
  • 新訳 日本奥地紀行

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    面白かった。とても。
    ただ、著者が当時の価値観(西洋人としての常識)を基準に
    当時の日本の在り様を見てる、というフィルター部分を忘れず
    この本を読むべきかな?とも思った。当然か。
    今の日本の無宗教さと、この本でいっている無宗教さはちょっと違うでしょ。
    見えているのに見ていないな(感じないんだな)と思える部分もあり…。
    でも面白かった。うん。他の関連書も読んでみようと思う。

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    2013年12月06日
  • 完訳 日本奥地紀行 1

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    これは130年以上前の明治時代の日本を、日本人従者ひとりだけ連れて旅した英国のおばさん探検家が妹に書き送った日記である。
    概略を一言で言ってしまえば、終始歯に衣着せぬ物言いで日本を誉めまくっては貶しまくる大変正直で実用的な日本探検ガイドブックだ。
    日本の景色・日本人の気質・日本の建物や風物などは非常に高く評価していて誉めまくっている。逆に日本の衛生面・道路事情・迷信的習慣については悪態をついてつきまくる。しかしこの本からは先入観や差別感情は排除されているし、そうするように努めたとの記述もある。それは彼女の旅行が学術的な使命を帯びたものであることを彼女自身が自負していたからであろうし、また彼女が

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    2012年07月15日
  • 完訳 日本奥地紀行 1

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     帝国主義真っ只中の大英帝国の女性らしく、英国が絶対の価値観といわんばかりで、蛮人の国としての日本に対する上から目線を感じる。多様性が一般的になってきた現代の価値観から見れば違和感を感じるが、利益や損得ない描写的な分析は、当時の日本を正確に分析していると思われる。
     一部ネットで言われているように、日本賛美の一冊というよりは、日本を9貶して1褒める内容で、褒める対象は日本民族よりも日本の自然が多いという印象。
     英国絶対のバイアスはかかっているが、当時の日本の現実が具体的に見えてくる描写は参考になる。

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    2023年11月08日
  • 完訳 日本奥地紀行 2

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    訳の金坂さんは、沢庵を大根と訳した他の訳者のことが、許せないということがとてもよく伝わってきました。

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    2023年04月21日
  • 完訳 日本奥地紀行 1

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    明治の始めのイギリス人女性から見ても日本は既に礼儀正しく、治安もよかったのね。妹への書簡の形をとった本書は、やや上から目線に感じるものの、文化や習慣(特に衣食住と生活行動)の違いを良悪あわせて的確に描写したように感じた。

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    2012年09月11日