綿貫渉のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この「眠れなくなるほど面白い」シリーズは何冊か読んだけど、本書が一番面白かった。
筆者は学生時代に鉄道会社のアルバイトを始めた。そこから鉄道の魅力にハマり、現在はYoutubeで情報発信しているらしい。
鉄道は我々の生活にとってとても身近だ。もはや社会インフラと化している。特に日本の鉄道は優秀で、分単位で狂いがない。
そんな鉄道だけど、案外知らないことが多い。
地下鉄にどうやって車体を搬入しているのか。新幹線の空いている車両は何両目か。なぜ終電というものがあるのか。
さすがの鉄道のプロ。筆者の説明は面白く、そして分かりやすい。
さらに海外との比較も面白かった。
別に学術書・専門書というわけではないけど、サラッと読めてしまうので非常にオススメ。 -
Posted by ブクログ
バスにそれほど興味があった訳ではなかったが、運行管理者の仕事がめちゃくちゃ具体的に描かれており、興味深かった。
筆者が新卒で最初に勤めた会社の話だから少し前の状況だが、かなりアナログな印象を受けた。車両と運転士のスケジュール作りは確かに複雑で難しそうだが、今ならAIで効率化できる余地がありそうな気もする。一方で、顧客(かどうか分からない)からのクレーム対応は変わらず大変そうだ。
厳しい仕事だが、運行管理者の方も運転士さんも、公共交通を支える使命感を持って従事されていることに改めて感謝したい、と思った。
あと、運転士さんは意外と有休取りやすい、というのが意外だったなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ娘は動いている電車に手を振るのが大好きで、出先でホームに降り立つと、乗ってきた電車が発車するまでじっと待ち、いざ動き出すと「おーい!」と見えなくなるまでずっと手を振り続ける。その姿に気づいた車掌が、そっと手を振り返してくれたり、軽くお辞儀をしてくれたりする場面に何度も出会い、勤務中にもかかわらず気持ちを和ませてくれるその対応に、いつもありがたい気持ちになっていた。
日常的に電車を利用することは多いが、電車が時間どおりに来てくれるおかげで、その後の予定が滞りなく進むことが何度もある。これまでは「電車が正確に来るのは当たり前」とどこかで思い込み、その理由について深く考えることはあまりなかったが、本書を読んで改めてその裏側に思いを巡らせるきっかけとなり、とても興味深かった。
本書を読み終えて強く感じたのは、自動化が進んでいると現代において、鉄道の現場では驚くほど多くの作業が手動で行われているという事実に、驚きと尊敬の念を抱いた。一方で、こうした手動での対応が多い中ワンマン化が進んでいる現状を思うと、人手不足の今だからこそ、現場の負担を軽減できないかという気持ちも湧いてきた。
時間どおりの運行を実現するための工夫の中でも特に面白かったのが、秒単位での時間管理と、発車メロディを逆算して鳴らしているというエピソードだ。
発車メロディに対してもここまで細やかな配慮と計算が行われているのかと知り、ただただ頭が下がる思いだった。
また、「採時駅」と「非採時駅」があることも本書で初めて知った。
思い返すと、地元の路面電車では、始発駅以外の駅で予定時刻よりも早く出発してしまうことが度々あり、当時は「田舎だから仕方ないのだろう」と思っていたが、まさか本書を通して学生時代の疑問が解けるとは思いもしなかった。 -
Posted by ブクログ
とてもためになりました。
もともと電車をはじめ乗り物好き、また自分も公僕なので、駅員のみなみなさまには、失礼な態度はしていないつもりでした。
しかし!私はやらかしておりました…
ICカードの誤タッチ、線路内へのスマホ落下…
ホントにすみません…
IC定期2枚持ちによる不手際で、朝から駅員事務室ですみません…数回やらかしてます。
ある時は、スマホを持ったまま満員電車に乗り、乗換のため下車の瞬間垂直にスマホが落下…スマホは無事でしたが、本文のとおり2名体制、蛍光ベスト着用、マジックハンドでの救出、後続電車への作業連絡、電車遅延の予感…申しわけありません…歩きスマホしてないのに、恥ずかしい…
某イルカくんキャラの鉄道会社さん、その節はありがとうございました。毎日感謝して乗車しています。
初めはタイトルから、かなりしんどい内容なのか?と思っていたのですが、これまでにもありそうで実はなかったタイプのジャンル本でした。
駅員さんのあるあるに興味のある方もない方も、ぜひ読んでみてください。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2022/05/09リクエスト
今どきの人だなあと思った。多分私は彼の親世代に近いと思うがJRに入ったのに、辞めなくても、と思う。でもご両親のことがほとんど出てこなかったので、口を出す親ではなかったのかな、と思ったり。
電車関係ではないが、日常的にクレーム対応が仕事なので、なるほどと思うところもあった。
例えば、僕もおかしいと思います、と言い切る、など。
8分の遅刻で昇給が1年遅れる、なかなかシビアだけど、仕方ない。
でも意外だと思ったのは、スイカのスマホアプリになってるものについてトラブルがあること。
私は入れていなくて、実カードを持つ派だが、彼も同じようだと知り、少し安心。充電切れなどは予想できるが、いろいろなパターンがあるのですね、たくさんの決済方法があふれる今の駅員さんは大変だとつくづく感じた。 -
Posted by ブクログ
元JRの駅員・車掌として2016年から21年まで働き、現在は「交通系Youtuber」という著者による、駅で起こる様々なトラブルとその対応について。鉄道員が遅刻するとどうなるのかとか、駅員の役職とか、切符の精算方法とか、電車が止まる原因といった話もあるが、ほとんどはお客さんへの対応をどうするのか、どうしたのかという話。
色々な接客業の中でも、駅って本当に老若男女いろんな人がいろんなタイミングで集まってくるという点では、割と高度な接客スキルが求められる仕事なんじゃないかと思う。とは言え、おれも大昔に駅員とコンビニ店員のバイトをやったことがあるが、駅が小さい駅だったし、学生バイトでやらせてもらえることも限られていたので、その場合はコンビニの方が大変だったかなあと思う。
接客の大変な話がメインだが、少なくともこの本には想像を絶する大変さというのは、もしかするとないかもしれない。痴漢の対応、電車でタバコを吸う客、大声で怒鳴る客、酔っ払いや嘔吐、どれも大変だし嫌なことだけど、でもその仕事に就くならこういった客への対応は業務のうちと腹を括れないとそもそも難しいんじゃないかと思う。それよりも個人的には、遅刻のプレッシャー、寝坊をすると昇進が1年先になる、みたいな話がリアルで、そっちの方が大変そうだなあと思った。つまり他人の管理はある意味マニュアルもあるし、前例もあるし、人との協力もあるし、経験で補そうだし、なおさら今はカスハラへの世間の厳しい目とかもあって、何とか乗り越えられそうだけど、自分自身のプライベートの管理は、寝坊の失敗への恐怖とか、酒が飲めないとか、それこそ「8分遅刻で犯罪者扱い」(p.176)とか、いくら腹を括っていても長く勤めれば失敗、過失はあるかもしれないから、そっちの方が厳しいかな、とおれは思った。
印象的だったエピソードは、客が納得していない時に、「私もおかしいと思います」(p.73)と言って、「駅員さんも大変だな」(同)のような同情の言葉ももらいつつ、しぶしぶ納得させる、という手法。「共通の敵を作る」というのはおれも自分の管轄外のことでやたら怒られたり、自分の判断ではどうしようもないクレームや相談の時にはやることがあるので、まあ分かるかな。ただ4コマ漫画で描かれているような毅然とした感じ(p.106)で言われると、いや何とかしろよ、とおれなら思うかもしれない。自分も相手と感情を合わせる、というのが対応のポイントだと思っているので。あと、線路にものを落とした、という対応で、なぜ2人体制なのか、という話で、接客の話ではないが、「電車が近づいてくる音で気づきそうなものだが、他のことに集中していると気付かないものである。(略)点字ブロックギリギリの所を掃除していたら、電車が警笛を鳴らして猛スピードで通過していった。(略)もちろん電車が通過しますという自動放送も入っていたし、音も聞こえていたはずなのに、警笛を鳴らされるまで気が付かなかった。」(pp.158-9)という箇所。これを読み終わったのは8/19で、やっぱり集中していると明らかなことに気付かないとか、注意を分散させるって難しいというのは前の仕事でも経験していたので、印象に残ったところとしてチェックしていたら、昨日(8/20)、特急列車の接近に気づかず4人の除草作業の方が撥ねられて亡くなる、という事故が起きて、もちろんこれは作業員ではなく監視員とかの問題なんだろうけど、簡単に気付きそうなことも作業中には気付かない、という話でもあった。
ということで、駅員の苦労についてのエッセイだった。でも正直『派遣添乗員ヘトヘト日記』とか、『交通誘導員ヨレヨレ日記』とかの「職業日記シリーズ」の方がなんか面白くて、やっぱり駅員の仕事は何となく想像しやすいことの差なのかなあ、と思った。(2026/08/19) -
Posted by ブクログ
1作目の「怒鳴られ駅員の~」が面白かったので、2作目のこちらも読んでみることに。
作者が駅員になる前に、1年5か月?ぐらい働いたバス会社での経験談。
バス会社の裏側と言うより、バス会社の中の運行管理者の仕事にスポットを当てた内容。
実情を知らない人が読めば、「バス会社の裏事情が分かって、興味深い」となるかもしれないが、同じ仕事をしたことがある人間が読めば、少し物足りない内容。
やたら「運行管理者」を前面に出しているが、どちらかと言えば、路線バスの裏側を紹介しているだけのような内容。
いろいろ突っ込みどころ満載なのだが、経験が足りなかったのか、後半自分のバス旅で何とかページを埋めている感じが否めない。
もちろん、路線バスの運行の裏側に興味がある人が読むのには面白い作品だと思う。
働いていた頃からの法律改正もきちんと注意書きしてあるので、その辺は勉強になる。