寺本英仁のレビュー一覧
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鳥取県にある邑南町。高齢化率43%で主要産業は農業。
A級グルメの街。
筆者は邑南町の公務員の寺本英仁さんとの対談を通じて、地方の魅力や東京一極集中の怖さを説く。2020年秋頃の出版なので多少古い部分はありますが、東京一極集中の怖さは変わらないと思いました。疫病が発生したら逃げ場のない状況は特に映画の様なパンデミックを想像してしまいます。
邑南町については人口1万人あまりの街だからこそ、ひとの顔が見えてくる。
本作では日本のコロナ禍という事で日本全体を一括にすることに警告を鳴らす。地方の方が人口の制約もありコントロールしやすいのかもしれません。
また地方では医療崩壊が起きにくいことも、人の顔が見えているからこそなのかもしれません。
勿論、東京の魅力も大切だと思いますが大切なのは中庸の考え方なのかなと思いました。マスコミによる情報に踊らされるのでなく、自分の目で見て考えることも大切かなと。 -
Posted by ブクログ
個人的には、東京を脱出してというか、日本脱出を10年ぐらいやっていたが、
日本にも、世界にも、自分にとって最高の場所はないと思う。
どこに住んでも、本人の心持ち次第で、地獄にも変わるし、天国にも変わる。
コロナ禍で、人口過密都市は、様々なリスクがあると思うが、
日本自体が、世界の大地震の2割が発生する自然災害王国だから、
様々なリスクから避けられる場所は、日本にはない。
リスクを考えたら、まともに生きることができないだろう。
沿岸部は津波の被害、山間部は土砂災害、平野部は、洪水と、
安全、安心な場所は存在しない。豊かな海や山があるというのは、
いつか必ず災害が起こるということである。
私は東京出身だが、以前は、東京の暮らしが大嫌いだった。
それでアメリカや中国、東南アジアに仕事や留学で合計10年以上は住んだ。
中学校の頃から、ラッシュの電車に当たり前のように乗っていたが、
都心に行けばいくほど、私にとっては息苦しくなり、
また、そこで暮らす人々もロボットのように思えて仕方なかった。
ここ10年、1年に1回ぐらい東京に戻る生活をしていると、日本の衰退ぶりが、よくわかる。
最初の方は便利な場所、東京だったが、今は、アジアその他の都市と比べても、
不便で、人もますます閉鎖的になり、ぎすぎすして、
完全に世界の潮流から取り残されている。
マクロ統計を見ても、その悲惨ぶりがよくわかる。
日本企業に限ってみれば、グローバル展開して成功した会社は、ほとんどない。
だいたい失敗した。またグローバル化に成功しても、従業員にとってはなんもよいことはない。
92年のフォーブス世界時価総額TOP500に日本企業は半分以上を占めていたが、
現在20社もない。先進国諸国で最も労働生産性が低く、休日も少ない。
一人当たりのGDPは韓国、台湾、沿岸部中国の都市のそれよりも低くなった。
またこの20年で1世帯当たりの家計所得が3割下がった。
コロナ禍で、ダントツ失敗している政治を行っているのが、日本。
だいたいのアジア諸国は、コロナを克服して、成長軌道に乗り始めている。
日本は、今現在でさえも、ぱっとしない。
コロナ禍と父親の病気の面倒を見るため、10年ぶりに東京に長く住んでみると、
東京はいいなと思った。
車で2時間圏内に、最高の海や山があり、温泉があり、豊かな自然がある。
海外を見ても、こんな良い場所はないなと思う。
また、新潟県にワンルームマンションを以前購入したので、
しょっちゅう新潟県内や、群馬、栃木の観光名所に行くが、本当に素晴らしいと思う。
インフラも整っているし、水もおいしい。
東京から数時間で最高の場所にいける。
また近場でも、水郷公園や臨海公園もあり、きめ細かな管理をしているせいだろう、
ほんと素晴らしい環境を保っている。
ただ、そこに暮らしている人は、なぜか、みな一様に暗い。
不思議で仕方ない。
確かに東京は過酷な場所だと思う。
人とのつながりはできにくいし、変態も多い。
西池袋に行くと、気持ち悪いおっさんが10代と援助交際しているのを、
よく見かける。ほんとに、気持ち悪い奴が多い。
一昨年、東京に戻った時は、1週間で2回痴漢が捕まる現場を見た。
もう、人間が狂いはじめていると確信した記憶がある。
東京の中心に住んでいれば、公園も小さく、
緑が少ない。そういう場所で子供を育てると一体どうなってしまうんだろうと、
少し心配してします。
利便性を追求したバカでかいマンションがたくさんできて、
衣食住には全く困らないが、肝心の心が崩壊しかかっているような
印象を受ける。
東京は、金を稼ぐ場所、そのために、地縁も何もない人がただ集まってくる顔がある。
本当に寂しそうにしている人がたくさんいる。
東京は稼ぐことを中心にして建物も人間も吸い寄せられているので、居心地が
悪くなるのも無理はないと思う。私の母親は地方から出てきたが、東京は本当に寂しい場所とよく言っていた。
外国の都市に長く住んでみてわかるのは、東京で幸せを感じて暮らすのは、かなり大変だと思う。
大変だが、可能、しっかり、自分の暮らし方、精神的な拠り所や、具体的な場所等あれば、
東京はよりよく生きるた上で最適な場所だと思う。
地方に住んだら、住んだで、東京とは、「また違った問題」が発生する。
世界各国、また東京や地方に、それぞれ住んだ経験からわかったことは、
どこに住んでも、「自分が抱える問題」に、必然的に直面する。
自分の問題からは、決して逃げられないということだ。
どんな環境の良い場所に住んでも、3か月で飽きる。
海が見える場所に住みたい!と思ったら住んでみればいい、冬は寒いし、
天候如何で海が激変し、怖いと思うにしかたない。
車やバイクもすぐに錆びる。
一度やってみるのがいいかもしれない。
自分にとって最高の条件を提示してくれる場所など、存在しないことがわかるから。
どんな場所にも、一長一短というか、そもそも、人間が住んでいるところは、
必ず「問題」が起こる。それを受け入れるしかない。
都心なんかは、そういう問題に直面したくないから、
人間とかかわらないようにする人が多いが、
人間と良質な関係を築き、関わらなければ、
人生は、本当につまらないと思う。
いわゆる、都心で御洒落タウンとしている場所も、
流入出率が異様に高いとわかるだろう。それがなぜか、考えると色んなことがわかってくる。
それが嫌で、どこか山奥に住んでもいいが、現実はそんな甘くない。 -
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邑南町、訪れてみたいと思った。インターネットから始まった活動がどんどん膨らんでいった形。最初からそこを目指していたわけではなくその瞬間瞬間を情熱を持って走りながら考えて動き関わったからこそ、今の姿があるんだろうなと思う。先を考えて、必要なのは、やらなければいけないのはわかるけど、正解はないし、失敗するかもしれないし、自分がやらなくてもいいし、今のままでも自分は不自由ないし。そう考えて行動できないことがなんと多いか。先を考えすぎず、その瞬間に感じたことを素直に愚直にやってみることが大切だと学んだ。偉そうなことは誰でも言える。批判するだけなら誰でもできる。寺本さんのように、自分の気持ちに素直に向き合って行動することを私も心がけていきたい。いや、でも、失敗したら。そんな言葉が出ないくらい、どうやったらできるのかを考えていきたい。勉強になりました。
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島根県邑南町の「A級グルメ」によるまちづくりの仕掛け人で、「スーパー公務員」として「NHKプロフェッショナル仕事の流儀」でも紹介された寺本英仁氏の体験記としての邑南町の地域活性化政策の軌跡。
邑南町の「本当に美味しいものは地方にある。本当に美味しいものを知っているのは地方の人である」というコンセプトに基づくA級グルメの取組は、現在、各地で取り組まれている「地方創生」施策において参考になる点が多い。地域活性化に取り組むに当たって、「熱い思い」を持って、周りを巻き込みながら、「試行錯誤」を重ねることの大切さを感じた。
寺本英仁氏という1人の公務員の成長物語としても、非常に面白かった。本からでも、寺本氏の熱量、癖の強さが伝わってくる(笑)。
また、この本を読んで、石見和牛、完全自然放牧の牛乳、食べたら飲酒運転になるケーキなど邑南町の特産品が食べたくなったし、邑南町の「香夢里」や「素材香房ajikura」で食事をしたくなった。読者にそう思わせることも、著者にとっては「我が意を得たり」というところだろうか。 -
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地方の過疎化の課題のお話。
著者は、島根県の生まれで、東京で大学を卒業後、地元に戻って石見町役場で働く。
10年後にその町が合併して邑南町になり、観光担当となった機に、地元の特産品をネット販売する企画を立ち上げるなど、地域の活性化に尽力する。
コロナ渦中の2022年、独立し、地方創生プロデューサーとして、「ビレッジプライド研修」を各地で実施し、地方創生に取り組んでいるとのことです。
そんな著者が抱く問題意識がこの本を書く理由となっています。
_地方には今、そこに暮らす人々のことをまったく考えることなく、勇ましい発言や行動をして、人気取りに走り、承認欲求を満たすだけの首長が増えています。僕には、モンスターにしか見えません。地方を食い物にして生きているモンスターです。
地方に、政治政策に、関心を持つ、ってとても難しくなっている現状、警鐘を鳴らしてくれている本でもあると思います。