木下武男のレビュー一覧

  • 労働組合とは何か
    労働組合について調べるため、手に取る。
    どちらかと言うと専門書であり、読んでいると眠くなる。
    しかし、今まで特に考えなかった分野の知識・歴史を知り、以後何かに役に立つ事は確実に思う。

    ブラック企業やワーキングプアへの対策。そして、なんとなく会社に従っている自分に気がついた。

    著者の木下武男さんの...続きを読む
  • 労働組合とは何か
    書名の通り「労働組合とは何か」について、歴史の丁寧な記述と分析を交えて説明し、現代日本への提言で締める本である。

    歴史の記述は、前近代の西洋の労働者の生活の解説から始まる。正直なところ最初は冗長に感じたが、本書を読み終えた後に振り返れば、労働者の組織運動の発展のあり方を解説し、前時代的な日本の労働...続きを読む
  • 労働組合とは何か
    労働組合とは何か 木下武男

    ヨーロッパ中世から日本の労働組合史までを概観し、日本におけるユニオニズムの発展を希求する本。
    労働組合における前史は中世におけるギルドであり、ギルドの相互扶助機能は現代の労働組合におけるそれの源流となる。さらに、ギルド内で親方の数を制限していることも、今でいえば既得権益...続きを読む
  • 労働組合とは何か
    労働組合というものを胡散臭く思って育った世代としては、歴史に興味があった。どうして労働組合は力がなく、組織率が低いのか。できれば関わりたくないと若い頃は思っていたが、海外の事例を見ると、労働組合が労働者にとっていかに大切かわかってきた。
    そんな時に、ちょうど出会った本。なぜ日本の労組は組織率が低いの...続きを読む
  • 労働組合とは何か
    労働組合の歴史と意義がよくわかった。
    労働組合の本質は、企業を超えて業界横断的に同一の労働環境と賃金水準を設定し、それを下回る条件の企業が必要な人員を雇えなくするという共通規則と集団交渉にあり、年功賃金と企業内の養成制度と終身雇用を特徴とする日本では、企業別の組合しか育たず、真のユニオニズムに基づく...続きを読む
  • 労働組合とは何か
    この本を読むまで、労働組合について、労働者のための組織という漠然とした知識しかなく、特に日本の労働組合については、政党との癒着など負のイメージを抱いていた。

    労働者を取り巻く環境によって、様々な労働組合の形態があり、それらは労働者自らが築き上げてきたものであった。
    分析編では、個別の事例から労働組...続きを読む
  • 労働組合とは何か
    国際的な労働運動、労働組合の歴史、そして日本の労働組合の歴史と課題が整理できた。
    大衆運動としての労働組合運動と政治・政党の関わりの課題が認識できた。
    日本の労働者は長時間労働や休日労働の課題、非正規労働者の増加など、貧困と格差が進む中で、より良い労働環境を整えていく立場から労働組合運動を応援してい...続きを読む
  • 労働組合とは何か
    ★★★2021年8月★★★


    企業別組合から産業別組合へ。
    企業別組合では、雇用や賃金について会社に対して強い態度に出られないのは明らかだ。
    それを筆者は「癒着」という強い言葉で表現する。
    筆者の主張にはおおむね賛成する。
  • 労働組合とは何か

    日本の労働組合の多くは「本物の」労働組合とは程遠い労働組合もどきでした。

    それは経営者などの権力側に飼い慣らされた結果であり,そのような労働組合では真に労働者のための労働組合にはなりえません。

    でも,そもそも「本物の」労働組合とは何でしょうか。そして,そのような労働組合を日本で創るにはどのよう...続きを読む
  • 労働組合とは何か
    労働組合の組織の歴史を通して現在の組合活動の課題が示されている。
    企業別組合はほぼ全否定されており、行き過ぎとも思うが、組合活動の関係者は必読。
    個人的には系列の異なる組合がなぜ協力できないか、その理由がうっすら理解できたのが収穫だった。
  • 労働組合とは何か
    労働組合とはなにかを歴史から学ぶ本だった印象。
    日本の労働組合が実際にどう言う動きをしているかというのはあまり書かれてなかった。残念。
  • 労働組合とは何か
    労働組合の歴史から現状までわかる。産業別の労働組合は、ジョブ制や同一労働同一賃金を考える上で重要だと思う。あえてジョブ制がわかる、同一労働同一賃金のテーマにしないのは岩波書店らしいとかもしれない。

    いろいろな会社があるが、年齢給や年功序列を維持できない会社の労働組合は機能しないと感じる。また、トレ...続きを読む