小島庸平のレビュー一覧
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消費者に対する金融は大手の金融機関は昔は軽視していたので、信用力のない個人は身内などから入用の時は金銭を調達していた。そして戦後、個人間金融からサラリーマンという安定した月給を稼げる人を対象とした金融サービスが登場することになる。
業者は何を目安に与信を与えたかというと、当時ステータスのあった公団...続きを読むPosted by ブクログ -
プロミスやアイフル、レイクなど、普段何処かで見聞きする所謂サラリーマン金融業者。そのルーツや盛衰について、貸す側、借りる側の両面を、戦前から現代までを整理、解説した良書。Posted by ブクログ
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サラ金の歴史が時系列で説明されているだけでなく、その盛衰を経済、経営学の知見を交えて分かりやすく解説されている。サラ金のブラックな部分も交えながらも、極めて中立に解説されている良著でした。Posted by ブクログ
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不肖、自慢ではないが20代の頃にがっつりアコムとモビット、銀行カードローンにリボ払いに質入を重用し、口座やカードを凍結されながらも辛々生き延びた体験を持つ私にとって実に思う所のある新書。
オビの問いかけについて、私にとっては紛う事なく「セイフティネット」であったと断言出来る。返済遅れた時の電話は怖か...続きを読むPosted by ブクログ -
・「サラ金」に代表される消費者金融の歴史を日本の金融史、社会経済史の枠組みの中でわかりやすく解説してくれる良書。サラ金がどのようにして生まれ、成長していったか、そして社会問題化して規制を受け現在の姿になったのかが丁寧に描かれている。
・サラ金についての本というと、被害者の苦しみ、弁護士たちの苦闘、...続きを読むPosted by ブクログ -
さすが新書大賞。日本独自のサラ金の歴史を多角的に描いた傑作。
戦前の素人高利貸に始まり月賦、団地金融からサラリーマン金融そして消費者金融へ。貸金業法の規制もあるがサラ金の大手の攻防が三国志的に楽しめる。
武富士、アコム、レイク、プロミス。
今は銀行の傘下が基本。カードローンにも押されている。
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第43回サントリー学芸賞受賞作品。そして、日本経済史の若き俊才による傑作。
まずサラ金の歴史を狭い意味でのサラリーマン金融各社の歴史で終わらせず、きちんと戦前期の「素人高利貸」の話から説き起こしている点は素晴らしい。史料的に一番大変な時期だったのではないかと思うが、サラリーマン向けの利殖マニュアル...続きを読むPosted by ブクログ -
サラ金の発展と日本社会の変化がとても密接に絡み合っている事実が分かりやすく説明されており、とても面白かった。
昔ほど、親族間の貸出に高い金利を取った!そもそも、親族、同僚間の貸し借りから、個人ローン市場が生まれた!
団地向けのローンは、団地に入るための審査があるから与信判断不要!
学生ローンは、親...続きを読むPosted by ブクログ -
1980年代、街を歩いていると必ず「サラ金」が目に止まりました。それは店であったり、看板であったり、吊り広告であったり。また、当時は大量の販促用ポケットティッシュが街頭で配られ、ポケットティッシュはそれだけで十分でした。
サラ金は主に個人への少額の融資を行なってきました。戦前の素人高利貸から質屋、団...続きを読むPosted by ブクログ -
終章とその直前が素晴らしい。
金銭を借りる需要。
返してくれそうもないところには高い金利で、そうでないところには安い金利で貸す。
ということになるだろうし、金利に制限をつければ、金を借りられなくなる時期が早くなり,そこで自力による社会生活ができなくなる。
それでもなお、足掻きたい向きには、法律の枠...続きを読むPosted by ブクログ -
フラットに、シンプルに、分かりやすくサラ金の歴史が叙述されています。
そこまで長い本ではないですが、ビックリするほどの充実した情報量です。
サラ金についての知識を得るためのスタンダードな一冊であると思います。Posted by ブクログ -
戦前から今日に至るサラ金の歴史の本。
①歴史的変遷
戦前は個人間貸借でも有利子。貧民窟での顔しれた関係での日掛けの貸出や、サラリーマンの副業としての同僚への貸出から始まった。
戦後の中間層の消費意欲向上(三種の神器等)もあり、団地金融が登場。逞しい営業力の反面高コストだった。そして、繁華街で遊...続きを読むPosted by ブクログ -
苛烈な取り立てやガバナンスの欠如等、とにかく否定的な部分のみスコープがあてられるサラ金(消費者金融)を、学術的手法で成立史を調査した本書。
どのような商売でも社会的に意味がなければ成立しない。サラ金は、社会のセーフティーネットとしての役割、あるいは、金融技術の開発などの点で、その役割を果たしてきた...続きを読むPosted by ブクログ -
サラ金の歴史について体系的に整理されている内容だった。日本の経済成長に合わせて、サラ金がどのように生まれ、急成長を遂げ、果ては縮小していったかがわかりやすくまとめられている。著者の丁寧な取材が垣間見える名著。Posted by ブクログ
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この新書、やさしい語り口でスルスル読めてしまいます。いや、スルスル読めるのはメチャ面白いから。軽妙かつ深遠かつ広汎…この時点ではベストセラーですが、100年後も残る歴史的名著になるのでは、と思いました。100年後「サラ金」という業態が歴史の中にしか存在しくなっても、です。それは,100年後も存在する...続きを読むPosted by ブクログ
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私には馴染みのないサラ金の歴史を面白く読めた。
初期の個人間の貸し借りの金利の高さには驚かされた。
世間的なイメージの悪さとは裏腹に行政や銀行側の資金運用という体裁も見え隠れしており持ちつ持たれつ感が面白かった。
現在はサラ金というものが消滅したように感じるが個人間の危険なやり取りが見えない世界で...続きを読むPosted by ブクログ -
サラリーマンが出世のための接待で、自腹のためにサラ金を使った…といった内容があり、昭和は泥臭い時代であり、そうした世相でサラ金が成長したのだと興味深く感じました。Posted by ブクログ
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2022新書大賞受賞作。
もうちょっと、アングラな下世話な内容なのかと思って手にしたけど、普通に経済史の教科書としても使えそうなしっかりとした内容。
そういえば、子供の頃、しがない地方都市の雑居ビルにもサラ金は入っていたなとか、独身の頃にクレジットカードのリボ払いを使っていた頃があったけど、そこから...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトルからしてそのテーマ設定が既に興味深い本。そして実際に読んでみると、丁寧にその歴史がまとめられており、期待を裏切らない面白さ、読み応えがあった。
著者自身が、言及している通り、比較的中立的な立場からサラ金について描かれている。その歴史的成り立ち、金融技術の発展、法改正などなど、激しい変化にさら...続きを読むPosted by ブクログ