町田洋次のレビュー一覧
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2000年刊行の若干古い本ではあるが、内容はまだまだ陳腐化していない。今でもなお、この分野に興味を持つ人にとっては入門書となりうる一冊である。
社会的起業の先進国であるイギリスと、若干それとスタイルは異なるもののアメリカにおける社会起業家の取り組みを示しながら、日本で今後展開されていくであろう社会起業家の活動について、その定義と展望を語っている。
特に、その定義について、明確に社会起業家という存在のありようを示している点が、非常に参考になる。オールドビジネスが行き詰まり、行政のセーフティネットへの信頼も損なわれている今こそ、社会起業家の活躍するときである。
多くの人に、このようなビ -
Posted by ブクログ
社会起業家とはどのようなものなのかを、世界各国の事例を元にしながら説明してくれてます。
社会起業家についての研究者も数多くいるらしくて、その人たちの研究内容についても要約してくれていて、わかりやすい。
社会起業家は、ただのボランティアでは成立しない。
経済・文化・社会についてのあらゆる知識を備え、それを自らの利益のためではなく、社会全体に還元することができる人間こそなるべきもので、ただ社会を良くしたいと思ってるだけでは駄目なんですってのが、この人の主張。
正直、将来いつか社会起業家になりたいと思っていた自分としては、少しドキッとさせられたwww
けど、生半可な気持ちでやったらあかん -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
社会起業家とは「医療、福祉、教育、環境、文化などの社会サービスを事業として行う人たち」である。
マクロ公共政策と手厚い社会保障を柱とする従来型福祉国家に代わって、自立型福祉システムを構築し、社会を活性化する存在として、まずイギリスで注目された。
今、日本でも、単なるボランティアとも、経済的利益だけを追求する起業家とも違う「社会起業家たち」が現れはじめた。
本書では「よい社会」の創造を目指す彼らのユニークな活動を通して、次代を担う新しい生き方・働き方を提案する。
[ 目次 ]
プロローグ 新しい生き方、働き方
第1章 社会起業家とは何か―イギリスの事例から
第2章 アメリカのグラ -
Posted by ブクログ
駒崎弘樹氏「社会を変える」を仕事にするで推薦されていた著書。
デモスの報告書では、成功する社会起業家に共通する資質として、①リーダーシップがあること、②ストーリー・テラーであること、③「人」のマネジメントができること、④理想家でありオポチュニスト(ご都合主義者)であること、⑤アライアンス(同盟)の構築者であること、の五つが挙げられている。
私自身もこの数年間、非営利組織の経営に携わっているが、その体験からすると、非営利組織経営のコツとしては次の三つが挙げられる。
第一は、使命を明確にすることである。私たちの組織の場合、それは世にないものをつくる第一号になろうと語りかけ、賛同者を集 -
Posted by ブクログ
駒崎弘樹氏「社会を変える」を仕事にするで推薦されていた著書。
デモスの報告書では、成功する社会起業家に共通する資質として、?リーダーシップがあること、?ストーリー・テラーであること、?「人」のマネジメントができること、?理想家でありオポチュニスト(ご都合主義者)であること、?アライアンス(同盟)の構築者であること、の五つが挙げられている。
私自身もこの数年間、非営利組織の経営に携わっているが、その体験からすると、非営利組織経営のコツとしては次の三つが挙げられる。
第一は、使命を明確にすることである。私たちの組織の場合、それは世にないものをつくる第一号になろうと語りかけ、賛同者を集 -
Posted by ブクログ
長いです。
社会起業家が話題に上り始めた?2000年に書かれた本なので、社会起業家は国やボランティアと違いいかに優れているのか、を説くことで社会起業家の普及を目指して書かれているのだと思う。
よって本の内容は終始社会起業家のプラスの面に焦点が当てられており、社会起業家は起業家精神をもっていて、経営理念がしっかりしているし、理念が熱いから、今後の社会発展には欠かせない存在なんだ!と、いったことが書かれている。
そのため社会貢献に興味があり、起業を目指す学生や社会人にとっては勇気づけられる本だろうと思う。
また、社会起業家と呼ばれる人々が実際にどのような活動に取り組んでいて、どのような性質を -
Posted by ブクログ
社会起業家の定義は医療や福祉などの社会サービスを行う人のこと。良い社会を目指して活躍する人を通じて、問題と将来の姿を描く。政府が機能しないのであれば、ボランティアでもなく、利益を追う営利企業家でもない 社会起業家が必要と。確かにこれを執筆した2000年以降で社会起業家は増加、様々なモデルが出てきた。ボランティアでは経営知識や社会的ネットワークが無く、理想倒れ。そこで、経営経験のある人物が、幸せを配当に社会的サポートを始めた。アメリカのグラスツールリーダーは都市の産業再生に各関係のリーダーが集うというもの。非営利組織の問題は一般企業でも政治でも出来ない場合に存在価値があるが、それってどんな時とい
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Posted by ブクログ
出版が2000年と古いので、社会起業家のとらえ方に今ほど広がりがないように感じるが、社会起業家の概念の登場が、サッチャー時代のイギリスで、福祉政策のスリム化と規制緩和からであることが分かった。
企業のケースメソッドに取り組む場合、タスク環境を中心に分析することが多いが、社会的企業の場合は、PEST等のマクロ環境との関係性がより直接的なようだ。
医療、福祉、教育、環境、文化といった社会的サービスに取り組むことが多いからだろうか。
社会的企業をより深く理解するためには、既存のものではない、新たなフレームワークが必要になってくるかもしれない。