平田昌弘のレビュー一覧

  • 人とミルクの1万年
    良い意味で期待を裏切られた一冊。ミルクの加工の伝播とその歴史を豊富なフィールドワークから分析する。伝播の過程の論理も分かり易く、なぜ?という点にきちんと応えているのも良。
  • 人とミルクの1万年
    普段飲んでいる牛乳や、食べているチーズやヨーグルトなどの乳製品。
    今や日本の食卓にはなくてはならない存在となっているが、こうして食卓に乗るのはごく最近のこと。
    しかも、ヨーロッパ文化の影響を強く受けているため、実は私たちは乳文化のごく一部しか知らない。
    1万年の歴史があり、しかも文化圏ごとに全く違っ...続きを読む
  • 人とミルクの1万年
    家畜の肉利用と比べて、乳利用は餌から食料を生みだす効率は3.7倍に向上する。牧畜民が肉を食べるのは祝い事や客を迎えた時くらい。ケニアのトゥルカナやマサイの牧畜民は、食料の60%をミルクに依存している。

    トルコ南東部の紀元前8700~8500年の遺跡から出土したヒツジとヤギの骨は野生種に比べて小さく...続きを読む
  • 人とミルクの1万年
    人類のミルク活用の歴史はおよそ1万年にわたる(と予想される)。この本は世界におけるミルク活用の結果を紹介したものである。所変わればミルクも変わる。どうしてそのようなミルク文化が生じたのか、主に気候の観点から説明がされていく。ジュニア新書なので簡単に読める。

    ミルク文化はミルクの加工方法によって分類...続きを読む
  • 人とミルクの1万年
    さまざまな乳文化にこの本を通してふれるだけで、世界の広さを知るかのようです。ミルクは完全食ともいえるもので、多くの人間は、生き延びていくために大事に利用してきたんですねえ。日本でも、貴族は室町時代くらいかその前くらいまで、濃縮乳なるものを食していたそうです。ミルクは、ぼくたちの身近な製品でありながら...続きを読む
  • 人とミルクの1万年
    帯広畜産大学の歌って踊れる(笑)文化人類学者・平田先生の子供向け…と油断させておいて、大人も専門家も満足できる充実した内容のご著書。

    氷河期が終わった約1万年前.農耕や家畜飼育が始まり,やがて家畜のミルクを主な食料とする,牧畜という生活様式が西アジアで始まった.ミルクを保存食とする工夫から,ヨーグ...続きを読む