ティムズ(TIMSS)は学校で習った内容をきちんと覚えているかを測る。ピザ(PISA)は学校で習った基礎内容を新しい目的に創造的に使えるかを測る。p.21
社会階層が成績に与える影響はフィンランドと同水準。OECD平均よりも低い。p.49
大人(26歳~31歳)を対象にした学力調査ピアック(PI
...続きを読むAAC)で日本は上位。大卒者に限定すると世界1位。p.56
フィンランドのPISAの3科目平均は2006年をピークに、2009、2012、2015、2018と一貫して低下し続けている。p.60
日本はOECDの中で6番目に勉強しない(勉強時間が短い)国。社会階層が高い子でもOECD平均並み。p.77
塾通いを始める前(小学4年)の時点ですでに学力が高い。p.95
日本の子供たちは勉強に興味をあまりもってない。ただ興味ばかりを考えて教えるのは学びをかえって損なう可能性がある。p.110
スティグラー(『学びの差異』)の実験では、日本の子供たちとアメリカの子供たちに、決して解けない算数の問題を与えて反応を見た。すると、日本の子供たちは問題を解くことを諦めず、ずっと取り組み続けた。また、別の実験で、カナダ人の子供たちは一度失敗すると頑張らなくなる傾向が見られたが、日本の子供たちは失敗しても、より一層頑張る傾向が見られた。日本の子供たちは自分に自信が持てない傾向がある。しかし、自信過剰になることなく、自分を高めようとする姿勢とも言える。 p.113
幸福の文化依存性。個人主義の文化ほど、主観的な幸福感が高くなる傾向にある。p.125 最近は「どのくらい嫌な感情を経験するか」といった聞き方もする。満足度がどのくらい高いかではなく、どれくらい嫌な気分を味わわないか、という価値観もある。p.204
10代の自殺率はアメリカやスウェーデンと同じくらい。高くも低くもない。p.133
日本は5歳から19歳の肥満の割合がOECDで最も小さい(3.3%)。一番大きいのはアメリカで21.4%が肥満。アメリカと比べ、日本の給食は質が高く、体育の授業がとても多い。p.135
日本の学校教育を改善していくのは大切。しかし、日本の学校教育をデータに基づかない印象だけで否定的に評価し、変えなくてもいいものを変え、やらなくてもいいことをやり始めると、税金を浪費し、現場を混乱させ、たださえ多忙な学校の先生をさらに多忙にし、保護者を不安にさせるだけである。p.10
日本の教育を壊さないために。p.9