申惠丰のレビュー一覧
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人権という言葉は誰もが知っている。そして「なんとなく」、不可侵で大切なものだと理解している。
人種、ジェンダー。難民問題。
しかしそれらが国際的にどう定義され、どう保護されるべきものなのかはよくわかっていなかった。
個人的に衝撃的だったのは教育に関するもの。
貸与を受け始めたときには日本育英会、返し始めるころに学生支援機構になっていた私にとって読みながらやるせない気持ちになった。
いま36歳、いまだ返済を続けている。いや、返済でき生活できているだけ恵まれているほうだ。
日々の「仕方ない」と諦めていること、「そういうもよだ」と受け入れていることには、実は人権問題が潜んでいる…そんなことに気付 -
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最近、香港の民主化弾圧やウイグルでの民族洗浄問題から人権について知識を深めたいと思うようになり、本書を読んだ。序章は国際人権規約などがいかほどの実効力を持つかなどについて基本的なことが丁寧に書かれていて、法律についてど素人の自分にとって大変勉強になった。それ以外の章では、日本における人権侵害の問題について取り上げられていたが、改めて先進国である日本でも人権侵害はいまだに根深く存在することを痛感させられた。特に昨今でも顕著なのはヘイトスピーチであるが、それが人権侵害であることを本書では根拠を持って明確に記されており、やはりあれは異常であることを改めて理解した。
国際人権規約や各国の法で人権が保証 -
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ネタバレ昨今の多様性の受け入れの流れを踏まえると、どこまで認めるべきかという議論になってくる。最近でいうとマスクをしないことの多様さやワクチンを受けない人を受け入れること。かれらを受容しないことは、自由からかけ離れる行為であるようにも思うが、ウィルスという脅威の前には自由は語りえなくなるのだろうか。人の自由、すなわち人権という言葉は知っているが、きちんとした意味で理解はできておらず、今まさにその意味を理解すべき状態にあると思い、この本を手に取った。この本によって、人権の国際的な位置づけ、現状の問題などについて一定の理解や学びがあった。ここから掘り下げて考えるべきだと思い、本書後半に記載の参考文献を読ん
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Posted by ブクログ
【要約】
日本では様々な人権問題があり、それを国際人権基準に照らして論じた本。
具体例として、入管収容施設の外国人、人種差別、女性差別、経済的に困窮する学生の学ぶ権利などについて語られている。
【感想】
聞いたことのあるものも、聞いたことのないものもあり、日本でこうした人権問題が今なおあるという事実に悲しい気持ちになった。
逆に、こうした人権問題の解決に抵抗する側はどういった論理に基づいて動いているのかは気になった。
問題解決に向けて行動するということは問題があることを認めることに繋がり、自らの非を認めることに繋がるからなのだろうか?それともその問題を放置することで何かしらの利益が発生す -
Posted by ブクログ
第二次大戦後、人権に関するさまざまな国際的な規約が誕生した。国連憲章のもと、国際社会で守られるべき人権をリストアップした国際人権章典を作ることになり、その最初の成果が世界人権宣言であった。これは条約ではなく国連総会決議であり、国連加盟国でなれば守るべき基準である。その後、国際人権規約として、個別具体的なものへ条約化されていった。
翻って日本では、入管収容施設での処遇など不法滞在の外国人の人権や技能実習生の人権は保障されておらず、人種差別やヘイトスピーチに関しても他の先進国に遅れている。また、女性差別の撤廃や学ぶ権利実現のための国の施策も国際基準を満たしていない。「財源がないのではなく、人権の視