村崎羯諦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かなり多くのストーリーが収録された短編集。26ある短編それぞれのつながりはない。が… 共通点はある。それは、『あり得ない状況』が前提となって、それに対して「なぜそうなっているのか」「どういう経緯でそうなったのか」の説明はない。「彼がサバ缶になった」が良い例で、ストーリーが始まった時点ですでにサバ缶になっている。そこまでの経緯はなく、彼女がそのサバ缶になった彼とどう関わっていくのかが物語となっている。余命3000文字もそう。何故そうなのかはわからないが、3000文字のカウントダウンから始まっている。これまでに読んだことがない文章づくり。そんな文章やストーリーに興味のある方にはオススメです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ第一弾はぶっちゃけ印象に残らなかったが、あの独特な世界観をもう 一度味わいたくて手に取った。
やっぱりこの読後感は村崎先生の作品ならではだと思う。
普通の日常の中に現実ではありえない要素が加わり、その化学反応が読んでいてワクワクする。
【からあげ】ひたすらからあげ屋をすすめてくる人たち。それに対する主人公の反応が面白かった。
【無重力δ】かなりクセあり。最初は入り込めなかったけど、女の子が怪物になったあたりからぐっと引き込まれた。
【笑っちまうけど】イェムの底抜けの善良さに温かくなるような、複雑なような…
【パラレルラジオ】すべて語り口調なのでスラスラ読めた。村上春樹先生を彷彿とさせる -
Posted by ブクログ
【購入動機】
過去二作がおもしろかったため購入。
【ざっくり概要】
3、4ページくらいで読めるショートショート集。作品のバリエーションは豊富で、コメディタッチのものからSF、皮肉が効いた作品などバラエティー豊か。
【よかった点】
文章がとってもお上手。すらすらと読めてしまうリズムの良さと、必要最低限の少ない文字数で情景描写をえがききっている点がすばらしいと思った。
また各話のテーマのつけどころも面白く、例えば「嫌なら出ていけ!」みたいな、日常会話で出てくるようなフレーズを掘り下げて、面白おかしく作品に仕上げている点がすごい。
【いまいちな点】
特になし。
ただ、ショートショート自体は3作 -
Posted by ブクログ
ネタバレ余命3000文字は,宣告された男性の物語でした。無駄に文字を発さないことで長く生きようとしていました。でも最終的に火災の中から少女を助けて死ぬ終わり方が良かったです。
アンソロジーは短いので結構読みやすくて好きですが,タイトル通り全部3000文字だと思ってて少し残念でした。
面白い物語りもあれば,全くもって意味の分からない物語もありました、、、。
1番好きな物語りは,''食べログ1.8のラーメン屋''です。
普通います?自分の作るラーメンをクッション材にする料理屋が、、、。誰しもが美味しいと言って欲しいのではないのだろうか...?でも目の前のラーメン