島田昌和のレビュー一覧

  • 渋沢栄一 社会企業家の先駆者
    渋沢栄一 社会企業家の先駆者
    著:島田 昌和

    渋沢栄一は、驚くべき学習能力の高さを示して、農民の子から武士身分を獲得し、明治新政府にあっても経済官僚として高い能力を発揮する。しかし、権力闘争の渦巻く中、政官界よりも、「官尊民卑」の打破を掲げて「民」にあって自立できる民間経済社会の建設を我が仕事と...続きを読む
  • 渋沢栄一 社会企業家の先駆者
    個人的には、渋沢の伝記的な部分はおおよそ押えているので、第1・2章は飛ばし読みをしていました。渋沢が500の会社、600の社会事業に関わったなら、一人で全部できるわけがないので、周囲の人との関係の中で進めていったのは容易に想像がつきます。その意味で、第3章が僕はいちばん興味深かったです。知っている名...続きを読む
  • 渋沢栄一 社会企業家の先駆者
    渋沢というと合本主義(株式会社)。当然、関わった会社ももっぱら株式会社組織にこだわったように思うが、意外にも合資会社や合名会社、そして匿名組合とさまざまな会社組織を事業の目的や規模等々によって使い分け、柔軟に対応していたことが指摘されており、興味深い(76-78ページ)。また第3章で詳述されている渋...続きを読む
  • 渋沢栄一 社会企業家の先駆者
    近代経営学の専門家による渋沢栄一が行った施策について書かれた本。渋沢を取り巻く人的ネットワークや教育・社会事業など、取り上げられている項目については、詳細な調査に基づいており内容が濃い。ただし、渋沢の全体像は捉えにくく、枝葉は詳しいが幹が見えない感がある。
    また、近代の欧米を中心とした国際関係論や安...続きを読む
  • 渋沢栄一 社会企業家の先駆者
    日本の資本主義経済の開祖、農民から政府高官を経て経済界の第一人者となった渋沢栄一の本。

    幕末、徳川慶喜に仕え、渡欧しヨーロッパを視察
    新政府では井上馨のもとで大蔵省の役人として日本の経済界の基盤をつくり、野に下っては日本銀行設立、またあらゆる企業を育成した。

    なかなか一言では語れないほど、多くの...続きを読む
  • 渋沢栄一 社会企業家の先駆者
    なじみの薄い分野の記載が多く、
    入門書としてはやや難しい内容であると感じたが
    明治期に渋沢の果たした役割の大きさと
    その人柄に興味を持つことができた。
    機会があればより深く彼の生涯に触れてみたい。
  • 渋沢栄一 社会企業家の先駆者
     内容の深さは、鹿島茂著の渋沢栄一氏の伝記、「算盤篇」「論語篇」の方が充実している。本書は、その内容を短縮したものであるため、具体的な渋沢の動向は省略されている。
     その分、渋沢がどのように日本経済界に貢献してきたかに着目し、その点に比重を置いて説明している。例えば、渋沢がどのように企業と関係したか...続きを読む
  • 渋沢栄一 社会企業家の先駆者
     島田昌和 『渋沢栄一』(岩波新書)

     明治期の実業界の顔とも言える渋沢栄一についてまったく知らないと最近気付いてためしに読んでみた本ではありますが…実業界はやはり私には苦手です^^;
     まず数字がだめ、機構がだめ、勉強すればわかるのでしょうが、どうしてもまだなじめません。
     ついでにいうと、渋沢...続きを読む
  • 渋沢栄一 社会企業家の先駆者
    江戸時代から明治にかけての時期だからこそ、その貴重さゆえの偉業だと思う。ただそれだけではない。先見の明があった。鉄道の国有化に賛成しなかった。当時から、おおやけの力に頼ると民間が甘えることをよく知っていた。
    数百の企業の会長、理事長を兼ねていても、給料ではなく、あくまでも株式の売買が主たる資産であっ...続きを読む